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株式会社メディックス様 導入事例

調剤薬局

  • [MELPOS]

レセコンと連動する調剤薬局POSシステムで、
正確な会計業務や簡単なレジ精算で時短化を実現した薬局づくり

株式会社メディックス様 会社概要

調剤薬局では、患者様の満足度を高めるうえで、処方せん受け取りから会計までをスムーズに進めることが求められています。
東京・神奈川を中心に62店舗の薬局を展開するメディックスグループは、三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)の調剤薬局POSシステム「MELPOS(メルポス)」をつり銭機とともに導入し、会計業務を正確にしました。
操作用端末にコンパクトなタブレットPCを採用するなど工夫を凝らした薬局づくりは、狭いカウンターの上がシンプルになり、広い投薬スペースが確保でき、患者様と薬剤師とのよりよい空間作りができ、サービス提供に貢献しています。

※レセコンとは:
レセプトコンピューターの略称。レセプト(診療報酬明細書)を作成するコンピューター

会計業務の正確性に向けて、レセコン連動のPOSシステムを導入

 地域の健康を支える「相談薬局」として1969年に設立されたメディックスグループは、常に医療の先駆けを心がけています。店舗が60店舗以上に拡大した現在も、地域の薬局として住民の医療を支えながら、充実した研修カリキュラムや、職場での実働を通して、1人ひとりの患者様のニーズに応えられる薬剤師を育成することに注力しています。
 IT化に向けての取り組みも積極的で、早い時期から在庫管理システム、経理システム、電子薬歴システムを導入し、業務の効率化を実現してきました。
 現在は新たなるステップとして、サービス向上と薬剤師の負担を軽減することを目的に、会計業務のシステム化に着手しています。
システム担当者は次のように語ります。
 「従来はレセコンから出力した領収書を見ながら、レジスターで入出金を行なっていました。しかし投薬窓口で患者様とコミュニケーションを取りながら会計を行うことは、特に領収金額と現金が同じ場合など、レジの打ち忘れなどを誘発し、結果としてレセコン上の記録とレジ内の金額が合わなくなります。そのため、業務終了時のレジの精算に時間がかかり、スタッフの帰宅時間が遅くなることもありました。こういった問題を解消するために、レセコンと連動するPOSシステムが不可欠だと常日頃考えていました」

3社のノウハウを活かし、タブレットとつり銭機連携システムを構築

 調剤薬局POSシステムの導入を決めたメディックスは、複数のベンダーの提案の中から、他メーカーのレセコンと共有仕様(NSIPS)により患者データを連携できるMDISの「MELPOS」を採用しました。さらに、正確な入出金管理を実現するために、グローリー株式会社のつり銭機をオプションで追加。
MDISを選択した理由についてシステム担当者は次のように語ります。
 「薬局の業務には、患者様お1人の調剤負担金だけの会計ではなく、 OTC医薬品(一般用医薬品:薬局・ドラッグストアで販売されている医薬品。)の会計を同時に行い、また、ご家族の負担金をまとめて会計することも多々ありました。MELPOS導入前は、電卓を併用しながら会計を行っていましたが、MELPOS導入後は、負担金(レセコンからの患者データ)とOTC医薬品の会計を同時に行うことができるようになり、複数の負担金処理も同時に行えるため、電卓を併用する必要はなくなりました。
 負担金の処理はレセコンの領収書を使用し、OTC医薬品の領収書のみをレジの付属プリンターから同時に発行でき、また、つり銭機の連動により、会計業務はスマートかつ正確なものとなりました」
 メディックスのPOSシステムで特徴的なのが、操作用の端末です。標準の液晶モニターとキーボードでなく、Windowsタブレットを採用しています。薬剤師は会計時にタブレット画面をタッチして患者情報を呼び出し、画面を見ながら会計業務を行います。
 「スペースが限られるレジ周りでも、投薬スペースをしっかり確保できるようにコンパクトサイズのタブレットにこだわりました。さらに、タブレットに表示する文字のサイズを大きくしたり、フォントを変えたりと、画面が見えにくくならないように工夫をしています。MDISのSEをはじめとする開発チームには、私からの要望に柔軟に対応していただき、理想とする操作画面を実現させることができました」(システム担当者)
 これまで店舗での使用がなく、馴染みの薄いタブレットを採用したことに対して、当初、会計処理を行う薬剤師の反応は歓迎するものばかりではありませんでした。しかし実際に運用を始めてみるとタブレットの操作に慣れていない世代の薬剤師の評価も高く、すでに手放せない存在となっています。また、店舗運用で確認事項が発生した場合には、リモートサポート(遠隔操作)を利用して、レジの状況を見ながら店舗での操作のサポートを実施しています。
 つり銭機についても、グローリーとMDISとの間で新機種の検証を行った結果、従来機種より奥行きをサイズダウンし、つり銭機の状態が一目でわかるカラーディスプレイを搭載した最新モデルを採用。運用についても、メディックス、グローリー、MDISの3社のノウハウを出し合い、工夫を凝らしています。

システム構成イメージ

薬剤師の負荷を軽減することで患者様第一の姿勢の強化へ

 「MELPOS」の導入により、各薬局における会計業務は効率化されました。薬剤師は投薬窓口において、レセコンから出力された金額を患者様に提示し、支払われたお金をつり銭機に投入して処理を行い、出てきたつり銭と領収書を渡します。導入当初はかえって時間を要するのではといった懸念もありましたが、すべての店舗においてスムーズな会計業務が行われ、レジの打ち間違い、つり銭の金額間違い・渡し忘れといったことはなくなりました。
 そもそもメディックスにおいてIT化を推進してきた理由は患者様とのコミュニケーションを充実させることでより患者様にとって魅力ある健康指導を行いたい、という考えに基づいてのものでした。「MELPOS」の導入は現場の薬剤師の負担を大きく軽減し、メディックスがめざす「患者様第一」という姿勢に対して大きな成果をもたらしました。
 「患者様に充実したサービスを提供するためには、薬剤師自身の心身が健康であることが求められます。『MELPOS』の採用により、会計に関連するプレッシャーから解放されたことは彼らのストレスの軽減につながり、患者様と向き合うためのさらなる余裕を生むことになったのではないでしょうか。これこそ、何よりの成果だと思います」(システム担当者)

「調剤薬局に特化したPOSレジ」によるさらなるサービスの質向上をめざす

 調剤薬局においてはOTC医薬品の販売も行っています。ドラッグストアのような商品構成や品数には及びませんが、今までもこれらの使用期限や在庫数を把握するため、商品管理は必要不可欠でした。これをシステム化することで、現在の管理体制をさらに強化すべく作業を進めているところです。
 そしてPOSシステムに蓄積されていく会計情報は、OTC医薬品の売れ筋を測る重要なデータとなります。今後62店舗のPOSデータを集約することで、本部システムで分析を行い、ニーズに応じた商品提供・品切れの防止・在庫の適正化といった将来を見据えています。
 そのほか、現金精算ばかりでなく、介護施設や、今後さらなるニーズの増加が想定される在宅の患者様など、薬を先に届けて、後から請求する売掛請求もあります。こうした薬局特有の要件に対応していくことで、現場(店舗)の負荷軽減を推進していきます。
 「MDISには今回の『MELPOS』をきっかけに、より進化した在庫管理や受発注、分析システムなど、新たな展開を提案いただけることを期待しています。」(システム担当者)
 質の高いサービスの提供は「患者様第一」の姿勢の礎となります。これからもメディックスは人との縁を大切にしながら、暖かみのある薬局サービスを実現していきます。

記事について

この記事は、情報誌「MELTOPIA」2014年11月号(No.201)に掲載されたものを転載しました。
この記事で紹介しているMDISのヘルスケア業向けパッケージソリューション事業は、2020年4月1日付けで三菱電機ITソリューションズ株式会社(MDSOL)に移管・統合されました。

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