株式会社ナカノフドー建設様　導入事例

1933年創業のナカノフドー建設は、2023年に創業90周年を迎えた総合建設会社です。
古くは日本橋、国会議事堂、旧帝国劇場など歴史的建造物の工事を手掛け、現在も多種多様な建造物の施工実績を残しています。
建設業に求められる社会的ニーズが変化している中、同社はワークエンゲージメントの向上を目指した組織改革、環境整備の推進、自律型人財の育成などを進めています。
従業員の勤務情報を把握し、適正に管理する就業管理システムは、2014年前後に導入したパッケージ製品を利用してきました。しかし同社の要件にあわせてカスタマイズしていたために、労働基準法改正や就業規則変更などで運用変更が発生した際に迅速に対応することができませんでした。そこで、新たにノンカスタマイズで導入できるシステムを検討しました。

総務部 人事グループ長の小笠原隆之氏は次のように語ります。
「以前のシステムは、当社独自の代休振替対応などの特殊要件があり、カスタマイズは避けられない状況でした。結果としてバージョンアップが困難で、古い機能のまま使わざるを得ませんでした。建設業の労働時間の上限を規制する働き方改革関連法の適用が2024年4月から始まるにあたり、既存システムでは法対応ができなくなる恐れがありました。客観的な労働時間を把握し、適正な労務管理を行うためにも新システムへの移行は不可欠でした」

従来システムでは、データの集計も給与システムを介して取得するフローで、残業時間の集計やPCログとの突合チェック等をExcelで行っていたために、業務効率の低下を招いていました。
総務部人事グループ 副参事の犬飼三紀氏は「複雑なデータ連携で手間がかかるうえに、正確な残業時間も集計後でなければ分からず、残業の管理にも不安がありました」と振り返ります。

ノンカスタマイズでの導入を決めた同社は、パッケージ製品やクラウド製品を複数検討した中から三菱電機ITソリューションズの「ALIVE SOLUTION TA」を採用しました。
「決め手は、当社要件を標準機能で対応できることと、就業管理システムとしての機能が充実していたこと、そして当時の当社のITポリシーであるオンプレミスに対応していたことにあります」（小笠原氏）
同社が標準機能に適合しやすかった背景としては、外勤、内勤ともに朝から夕方までの固定時間勤務（検討時）であり、特殊な勤務形態が少なかったことに加え、外勤でも一ヵ所の現場が長期にわたることが多く、作業所でもPCのログインによる打刻がしやすいこと、承認者が短期間で入れ替わらないことなどもありました。

「ALIVE SOLUTION TA」を採用したもうひとつの理由として、三菱電機ITソリューションズの営業担当者の対応も挙げています。総務部人事グループ 主任の宮﨑あやな氏は「最初に参加した個別相談会の時から親身になって対応いただき、選定段階でも迅速に回答いただきました。何を聞いても“できない”といわず、実現する方法を考えていただいたことが強く印象に残っています」と振り返ります。
プロジェクトは2020年8月末にキックオフし、2021年3月末で導入を終えて4月の年度始めから本稼働を開始しました。

「打ち合わせでは、時間管理や休出の考え方、時間計上の仕方、会社の規定、運用方法、給与システムとの連携など、人事グループとして確認することが山ほどありました。確認事項が多い時は4時間に及ぶこともありましたが、 三菱電機ITソリューションズのSEに丁寧に教えていただき、乗り切ることができました 。導入後も分からないことをSEに問い合わせると、すぐに回答をもらうことができ、手厚いフォローに助かっています」（犬飼氏）
稼働直後から従業員全員が、迷うことなく「ALIVE SOLUTION TA」を使いこなせるように動画マニュアルを人事グループが作成し、本稼働1ヵ月前に社内公開しています。
「忙しい従業員でも見られるように、有休取得、半休取得など、項目に分けて1本2～3分の動画を約25本作りました。事前に社内公開したことで、本稼働直後も従業員からの問い合わせはほとんどなく、スムーズに利用を開始することができました」（宮﨑氏）

「ALIVE SOLUTION TA」の導入により、客観的な在場時間を収集しながら、日々の勤怠入力・集計から改正労働基準法や労働安全衛生法の対応、36協定の遵守まで、時代の要求に応じた適正な労働時間把握による労務管理ができるようになりました。
「2024年に残業時間の上限規制が始まると、法規制のルールはさらに増えていくことが予想され、総務部 人事グループがやるべき仕事も増えていきます。今回、ALIVE SOLUTIONTAをノンカスタマイズで導入できたことで、今後発生する法改正や追加改修時の手間とコストも軽減できると期待しています」（小笠原氏）
現在、「ALIVE SOLUTION TA」は本社社員の約800名が、一般従業員、就業管理者、人事グループそれぞれの立場で利用しています。
「一般の従業員は、ポータル画面上で自分の勤務状況を確認しながら働くことができます。管理者向けのポータル画面では、様々な管理指標をもとに、しきい値を超過している従業員を確認することが可能です。就業管理者は部下の残業状況を実績値と予測値も含めて確認ができるため、より適切な残業時間の管理ができるようになりました。有休未取得者の抽出も容易にでき、有休の消化率の向上にも役立っています」（犬飼氏）
「ALIVE SOLUTION TA」の導入により、人事グループの管理負荷も軽減されました。
「PC のログイン・ログオフ時間から取得した客観的時間と、従業員が打刻した時間で差異が大きいケースも細かくチェックができるため、従業員に対して注意しやすくなりました。勤務実績が未入力の従業員に対しても、督促メールの一斉送信が可能となり、個々に連絡する負担もなくなりました」（宮﨑氏）

「ALIVE SOLUTION TA」の導入から1年後の2022年4月には、内勤の従業員を対象に、始業時刻を7時30分から9時30分までの時間帯から30分単位で選べる「シフト勤務制」に移行しました。2023年4月には外勤の従業員10名を対象にフレックスタイム制度の実証実験を実施。参加者からのアンケート結果で好感触を得ていることから、今後はフレックス制度の拡大も検討中です。コロナ禍を契機にテレワークも内勤の従業員を中心に浸透し、現在はテレワークと出社のハイブリッド勤務が選択可能になるなど、働き方の多様化が進んでいます。
ナカノフドー建設では今後も働き方改革を進めていく計画です。現状の「ALIVE SOLUTIONTA」についても、労務管理の効率化・高度化に向けて活用レベルを高めていく考えです。
「そのためには、従業員に労働時間を毎日入力してもらうことが必要ですので、意識改革を促しながら、入力の徹底を図っていきます。三菱電機ITソリューションズには引き続き支援をお願いしたいです」（犬飼氏）
ナカノフドー建設は、2033年に迎える創業100周年に向けて「人財の育成、技術という原点」を追い求めながら、持続的成長を目指していきます。

時間外労働の上限規制などの法令を遵守するためには、まず従業員の労働状況を正確に把握する必要があります。
三菱電機ITソリューションズが展開する「ALIVE SOLUTION TA　就業システム」は、パソコンのログや入退室など複数の客観的な労働時間と実労働時間の乖離・差異をしっかりチェックでき、テレワークやサテライトオフィスなど多種多様な働き方にも対応可能な勤怠管理システムです。
労働時間・残業時間・連続勤務日数・休日未取得の観点でチェックし、36協定に抵触しそうな従業員を早期に発見、従業員と会社の双方を守ります。
また、従業員自身がリアルタイムで就業実態をチェックできるため、自ら働き方を意識できます。

従業員にも人事・総務部門にも寄り添い、幅広い業種の企業様にもご導入いただいている「ALIVE SOLUTION TA　就業システム」を、ぜひご検討ください。