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株式会社コーセー様 導入事例

仕上用・皮膚用化粧品製造業

  • [MELFOS]

実績豊富なFAXOCRパッケージときめ細かなカスタマイズ対応により
さらなる受注業務の効率化と管理負荷軽減を実現

株式会社コーセー様 会社概要

「美しい知恵 人へ、地球へ。」を企業メッセージに、美に関する幅広い製品を提供する株式会社コーセー。全国から注文を受け付けるオペレーションセンターは、12年間使い続けてきたスクラッチ開発のFAXOCRシステムを三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)の「MELFOS(メルフォス)」にリプレースしました。従来の使いやすさはそのままに新たに追加した自動チェック機能などにより入力効率の向上とともにオペレーターの作業負荷軽減を実現。さらに24時間365日体制の保守対応により、システム管理者の負担が軽減されています。

フルスクラッチの既存システムからパッケージへの移行を決断

2016年に創業70周年を迎えたコーセーは、総合化粧品メーカーとして、高い付加価値を持つ高級化粧品を生み出してきました。現在、「コスメデコルテ」「雪肌精(せっきせい)」「ONE BY KOSÉ」をはじめとした、様々な年代層向けのブランドを展開し、百貨店、化粧品専門店、量販店、ドラッグストア等を通して全国のお客様に販売しています。全国の販売店から寄せられる商品の注文は、秋田のオペレーションセンターで受け付けています。所長の篠原文彦氏は次のように説明します。

「オペレーションセンターは、全国8支社で処理していた受注業務を1箇所に集約し、2004年6月に開設されました。秋田に開設した理由は、創業者のゆかりの地であることと、秋田県からの企業誘致によるものです。現在、受注のほとんどは電子発注(EOS)となっていますが、電話やFAXによる注文もあり、その数は減っておりません。全国の化粧品専門店様などから、1日平均約4,000品、ピーク時で約7,000品のFAX注文があります」

オペレーションセンターの受注グループには23名のオペレーターが在籍し(2017年6月時点)、販売店や社内からの電話に対応しながら、FAXOCRシステムを使って受注処理を行っています。原則として前日の夜12時までに受信した注文を、午前9時から11時までの約2時間で受注処理をして翌日納品に対応しています。

FAX受注処理は、オペレーションセンターが開設した2004年6月当初から、スクラッチ開発のFAXOCRシステムで行ってきました。そのシステムの保守期限が1年後に迫っていたことをきっかけとし、2015年にリプレースの検討が開始されました。システムの管理・運用を担当する情報統括部 狭山情報センターの渡辺隆氏は次のように語ります。

「ハードウエアの老朽化により、障害時対応の可能性が高まり、特に休日・深夜の障害発生時の保守業務の負担軽減が課題となっていました。また、FAXによる注文は今後も減ることはないと見込まれており、どのような施策が最適解であるか検討を重ねました。スクラッチで開発した現行システムを改修すれば膨大なコストがかかります。Web受注システムなどの代替案も検討しましたが、やはりお客様との接点になる受注業務は社内で実施し、スクラッチ開発ではなく、パッケージを導入することを決断しました」

左より、情報統括部 狭山情報センター 渡辺 隆 氏
SCM 統括部 オペレーションセンター・受注グループ 中野 朗子 氏
SCM 統括部 オペレーションセンター 所長 篠原 文彦 氏
SCM 統括部 オペレーションセンター・受注グループ 高橋 由季子 氏
SCM 統括部 オペレーションセンター 課長 白石 一郎 氏

200社を超える導入実績とサポート体制を評価

FAXOCRシステムの刷新を決定したコーセーは、複数のベンダー製品の中から導入するパッケージソフトを検討しMDISのMELFOSの導入を決定しました。

その理由について渡辺氏は「MELFOSは200社を超える導入実績があり、多くの企業が採用している安心感がありました。また、24時間365日のサポート体制も確立されており、さらに秋田に保守拠点があることも安心材料でした」と振り返ります。

また、「MDISのSEはシステム刷新にあたり現場の業務を知ることを最優先に考え、検討段階で秋田まで来てヒアリングを実施し、業務効率化及び、従来機能を補うためのカスタマイズの提案をしてくれました。また、構築前にオペレーターの責任者とともにMDISの湘南センターを訪れて、事前に開発途中のプロトタイプを確認できたことも実業務を照らし合わせたシステム利用イメージの定着に役立ちました」(渡辺氏)

導入決定後、2016年3月から設計を開始し、構築、テスト、機能改良などを経て2016年12月から新FAXOCRシステムが本稼働しました。

本稼働にあたっては、実運用の2ヵ月前から23名のオペレーターに対する操作教育を実施して、移行がスムーズに進むようにしました。フロア内に4台の練習機を用意し、責任者がサポートしながら新システムによるFAX受注の流れを確認しました。

受注グループの中野朗子氏は「従来のシステムに慣れ親しんでいたオペレーターは、当初、操作性が変わることに戸惑うことがありましたが、2ヵ月間の習熟期間を確保したことで、余裕を持って操作に慣れることができました。また、その期間中にシステムの画面に表示するカーソルの動きやエラー表示の文言・色の統一など、細かな手直しをMDISに依頼して、現場がより使いやすいシステムに改善していただいたことが、入力効率向上に貢献しています」と語ります。

新システムでは、これまで入力時にオペレーターがその都度チェックしていた注文内容を、物流システムへのデータ送信前に一括で自動チェックするように改善し、業務を簡素化しています。また、同一の販売店からFAXによる注文が複数送られてきた場合の「重複送信」のチェック機能を追加し、発注ミスによる商品返品が起こらないように改善しました。さらにコーセーの営業支店に指定された商品に関する注文内容を確認するためのFAX転送機能も追加したほか、従来のFAXOCRシステムとは別のシステムで稼働していた健康食品のFAX自動返信機能を取り込み、FAX関連の業務を一元化しています。

システム構成イメージ

きめ細かなカスタマイズ対応によりさらなる業務精度の向上を実現

新FAXOCRシステムが本稼働して6ヵ月が経った現在、順調にFAX受注業務が進められています。入力効率が向上するだけでなく、オペレーターの負担も軽減されたため、業務の精度とスピードがさらに高まりました。受注グループの高橋由季子氏は次のように話します。

「従来のシステムでは、FAXの認識結果画面と修正画面を2台のディスプレイを使い、交互に見ながら作業していました。新システムでは、その作業を1台のディスプレイ上で確認できるため、視線移動が抑えられ、入力ミスが減りました。また、OCRの文字認識率も高くなり、修正作業の負担が軽減されています」

さらに、物流システムへの送信の前の一括チェック(締め時間前データチェック機能や重複明細チェック機能)など、新FAXOCRシステムで実現した機能改善により、チェックにかかる負担が半減し、より正確な受注入力環境が整ったことも業務の質向上に一役買っています。

オペレーションセンター 課長の白石一郎氏は「FAXで寄せられる注文は、記載されている内容の商品コード、商品名、色など、何かひとつでも違っていれば誤発送になるため、不明瞭な注文に関しては必ず販売店様に電話で確認しています。こうした中で、入力効率の向上と現場の負荷軽減は、オペレーションセンターの運用にとって大きな意味を持ちます」と語ります。

今回のシステム刷新を支援したMDISについて、篠原氏は次のように評価します。

「FAXOCRシステムの刷新プロジェクトにおいて、私どもがMDISに相談したことに対して、レスポンス良く検討し、業務効率化につながるよう提案していただきました。当社のビジネスにとって受注システムは必要不可欠な存在ですので、引き続ききめ細かな対応を期待しています」

コーセーは、これからも多彩な価値観を持つ個性豊かなブランドを的確な受注処理により、お客様にお届けしていきます。

記事について

この記事は、情報誌「MELTOPIA」2018年1・2月号(No.233)に掲載されたものを転載しました。
この記事で紹介しているMDISの流通業向けパッケージソリューション事業は、2020年4月1日付けで三菱電機ITソリューションズ株式会社(MDSOL)に移管・統合されました。

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