有限会社新し屋酒店様 導入事例
新潟県
酒小売業
- [酒快Do・酒Do楽]
「酒Do楽」の充実した機能を活用し300種類の新潟地酒の効率的な管理を実現。
送り状発行システムとの連携で全国配送に対応
有限会社新し屋酒店様 会社概要
“酒どころ”のひとつとして知られる新潟において地酒と世界の銘柄ワインの販売を手がける有限会社新し屋酒店。同店は、現行システムの保守期限切れを機に三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)が企画・開発し、株式会社インテックをはじめとしたビジネスパートナーが販売・サポートする販売管理システム「酒Do楽」に切り替えました。
同店が従来から利用してきた商品発送の送り状発行システムとの連携を独自に追加するなど、今までと変わらない使い勝手を維持しながらシステムを再構築。「酒Do楽」の充実した機能により、販売状況の可視化が進み、新たな販売戦略が打ち出せるようになりました。
現行システムの保守期限に際しパッケージの導入を検討
1946年創業の新し屋酒店は、新潟平野を流れる信濃川、阿賀野川および小阿賀野川に囲まれた新潟市江南区(旧亀田町)で、3代にわたって続く老舗の酒店です。新潟の地酒、焼酎、ワインの販売に特化し、石本酒造の「越乃寒梅」、八海醸造の「八海山」、佐渡の蔵元である北雪酒造の「北雪」など、酒どころ新潟が誇る多数の銘柄を取り揃えています。また、新し屋オリジナルのプライベートブランドも地元の酒造会社と共同で開発。大吟醸「越乃三朝」、吟醸「越乃三昧」、旧亀田町への想いを込めた特別醸造酒と大吟醸の「亀田三昧」の4銘柄を販売しています。
同店で取り扱う地酒は、直射日光を遮断し、0℃~5℃に温度を保った最新の冷蔵設備で温度管理を徹底しています。-2℃の超低温冷蔵庫「氷温熟成室」も完備しており、日本酒としては希少である「長期熟成酒」を販売しています。また、ワインは世界のビンテージからお手頃価格のものまで1,000本以上を専用ワインセラーにストックしており、こちらも人気を博しています。
来店客の多くが個人客で、県外からの来店だけでなく、中には海外から駆けつけるお客様もあるといいます。
お中元・お歳暮のギフト配送を手がけるほか、ホームページや電話からの注文も受け付けており、北海道から沖縄まで全国への配送に対応しています。また、若い世代に日本酒のおいしさや楽しい飲み方を提案するため、酒造会社(蔵元)と市内の飲食店とのコラボレーションによる日本酒イベントを毎月開催し、毎回満席になるほど好評を博しています。
蔵元から取り寄せる300種類以上の地酒をはじめ、多数の焼酎、ワインを扱う同店は、約20年にわたって三菱電機グループの販売管理システムを利用してきました。しかし、旧システムのサポートが2015年いっぱいで切れることから、新システムへの切り替えを検討。MDISの酒類小売業販売管理システムである「酒Do 楽」の導入を決定しました。
代表取締役の塚本重文氏は「これまでと違和感なく業務を行えるだけでなく、お客様対応の向上と売り上げデータのさらなる活用ができると感じたことが決め手となりました」と語ります。
「宅配便の送り状発行」を踏まえたシステム化提案を評価
新し屋酒店が、従来システムと同様の使い勝手を求めたのは、全国配送で利用する「宅配便の送り状」の発行でした。全国の個人客や飲食店から注文が寄せられる同店では、販売管理システムと連携する宅配便用の送り状発行システムを別途用意し、発送伝票を印字していました。具体的には、販売管理システムから注文商品のデータと顧客データを外付けの送り状発行システムに送り、送り状発行用のプリンターで顧客の住所、氏名、注文商品を宅配便の伝票に印刷するものです。
送り状の印刷枚数は普段の月で500枚~700枚、お中元・お歳暮のピーク期間には月に2,000枚ほどにも達します。この送り状発行システムは従来から新し屋酒店のシステムをサポートしていた太平興業株式会社が開発したもので、このシステムとの連携が必須要件のひとつでした。
「宅配便の送り状発行システムは、約20年かけて蓄積してきたお客様のデータが入っており、電話番号を入力するだけでお客様の名前と住所が表示できるようにしています。この資産を引き続き活用していきたいと考えました。太平興業には、従来と変わらない操作性だけでなく、新たに直近20件程度の発送履歴が一目で分かるようにしていただいたので、よりスムーズに業務を進められるようになりました」(塚本氏)
販売実績などの可視化により従業員のモチベーションが向上
「酒Do楽」と「宅配便の送り状発行システム」による新販売管理システムは、2016年2月より本稼働を開始しました。現在は、塚本氏を含む4名が新システムを利用して日々の売上管理や、請求書発行、商品発送などの業務を行っています。導入・サポートは「酒Do楽」の現地販売店であるインテックが担当し、本稼働前に実施した1週間の事前研修で基本的な操作をマスター。稼働後1週間のアフターフォローで、データ入力から日々の締め作業までがスムーズに実施できるようになりました。
「酒Do楽」では、画面の視認性が飛躍的に高まり、日々の売上や前年・前月の比較などがより簡単に把握できるようになっています。「特に、始業時に『酒Do楽』を立ち上げた時に今月の目標額と現時点の売上達成額が並んで表示され、達成度合いに応じてキャラクターが5段階で示してくれるので、モチベーション向上につながります」と塚本氏は効果を話します。
また、直近4週間の同一曜日の売上実績(平均値)を「売上予報」として表示したり、直近と前年の一週間の売上実績を比較表示しているので、曜日ごとの売上傾向が把握でき、今までにない新しい気付きが得られるようになりました。
それを見ることで、「例えば月曜日の売上がいい理由はどこにあるのか、何曜日の調子が悪い理由はどうしてか、といったことを考えるきっかけが生まれました」(塚本氏)
さらに、検索機能が強化されたことで、在庫品の検索も大幅に効率化されました。従来は、「先頭一致」のみの検索機能のため、当該商品を検索するのに時間を要していました。これに対して「酒Do楽」は「あいまい検索」に対応し、うろ覚えの銘柄や、複雑な名前の銘柄でも一部を入力するだけで瞬時に検索することができます。
さらに、部門(清酒、ビール等)、容量、カナ、全角(漢字)の4つの検索項目に加え、地酒の種類(純米大吟醸等)、都道府県、蔵元(新潟、北雪酒造等)、味(淡麗辛口等)などでも検索ができるため、在庫を確認しながらお客様に合ったお酒をアドバイスするなど、よりきめ細やかにお客様対応ができるようになりました。
効率化の側面でも効果をもたらしています。請求書などの伝票はこれまでドットプリンターで印字していましたが、レーザープリンターに切り替わったことで、月末の締めで請求書を印刷する時間は、従来の十分の一程度に短縮されました。また、以前のドットプリンターでは印字が薄くなる場合があり、可読性に課題がありましたが、レーザープリンターなら文字もくっきり表示されます。紙も特殊なものでなく安価な普通紙が使えるので、コスト削減効果も生まれています。
蓄積していくデータを分析し積極的な情報発信を推進
新販売管理システムに切り替えて4ヵ月が経った新し屋酒店では、扱いにも慣れ、次のステップとして販売傾向の分析や前年比較などを進めていく予定です。
「現時点では月単位の分析しかできませんが、これからデータが蓄積されていけば、1年前の同月の実績と比較することもできますし、曜日ごとの傾向も今よりはっきり分析ができるようになります。『酒Do楽』の様々な機能を使いこなしていきたい」と塚本氏は展望を語ります。
これからも地酒関連のイベントや、異業種セミナーなどを通して日本酒の楽しさを発信していくという塚本氏。新し屋酒店は、お酒に関する様々な要望に対応し、新潟の地酒の魅力を多くの人に広めていきます。