テレワークで求められる就業管理のポイント

オフィスに出社しなくても仕事ができる「テレワーク」。新型コロナウイルス(COVID-19)の流行によって、テレワーク導入を検討・実施した企業も多いでしょう。自宅やサテライトオフィスなど、場所や時間にとらわれず柔軟な働き方を可能にするテレワークは、パンデミック時における事業継続(BCP)や、計画的・集中的な作業実施を可能にすることで従業員の生産性向上などが期待できます。

しかし、テレワークを導入することで企業の悩みの種になってしまうのが、従業員の就業管理です。従業員がそれぞれの場所で働くテレワークでは、正確な労働時間の把握が難しくなる傾向にあります。

そこで今回は、テレワークで求められる就業管理のポイントを解説します。課題や問題点についての理解と解決に、是非お役立てください。

テレワークで問題になりやすい過重労働

テレワークでは上司の管理の目が届かず、「従業員がサボるのではないか」と考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、実際に問題となっているのはテレワークによる従業員の過重労働です。
テレワーク時の長時間労働について、日本労働組合総連合会(以下、連合)の「テレワークに関する調査2020」によると、調査対象の半数以上である51.5%が通常勤務よりも長時間労働になったと答えています。

また、32.4%もの人が、深夜の時間帯(午後10時~午前5時)に仕事をしたことがあったと回答しています。テレワークを実施するうえでは、適切な就業管理が大きな課題であることが、この結果からわかります。

では、テレワークがなぜ過重労働(長時間労働)につながってしまうのか、理由について見ていきましょう。

理由1:仕事とプライベートが曖昧になってしまう

自宅で仕事を行う場合、プライベートと仕事の区別が曖昧になってしまうケースが少なくありません。例えば、終業後も仕事が気になってしまい再開した、就業後に客先から連絡が入り至急対応したなどが、過重労働へとつながります。
また、自宅が「いつでも仕事ができるプライベートな空間」になってしまうことで、残業へのハードルが下がってしまうのも過重労働の一因といえるでしょう。

理由2:成果で評価されることへの不安

テレワークでは、仕事をする姿勢よりも仕事の成果・結果が評価のポイントとなりがちです。そのため、「何としてでも成果を上げなければいけない」という不安やプレッシャーから、過重労働へとつながってしまう恐れがあります。

理由3:コミュニケーション不足

最近ではあらゆるコミュニケーションツールが登場しており、それらを活用すれば直接顔を合わせなくても意思疎通を図ることができます。しかし、人によってはツールだと気を使って話せない、言いたいことがうまく伝わらないというケースが考えられます。その結果、一人で悩んでしまい長時間労働となってしまう恐れがあります。

理由4:作業を中断するきっかけがなくなる

オフィスで仕事をしていると、後輩・同僚・上司などから声をかけられ「作業を中断するきっかけ」が生まれます。しかし、テレワークではこうしたきっかけが生まれにくく、作業に集中しすぎてしまうがゆえに長時間労働となってしまうケースもあります。

過重労働が申請されていないケースも

時間外労働をしているにも関わらず、「申告しづらい雰囲気だから」や「少しだから申告しなくても」といったように、申告されていないだけというケースも少なくありません。
事実、先程もご紹介した「テレワークに関する調査2020(連合調べ)」では、時間外・休日労働を申告していないという回答が65.1%となっています。適切な就業管理以外にも、制度や従業員への周知などに目を向ける必要があるでしょう。



テレワークなど様々な働き方に対応していますか?

過重労働を防ぐための就業管理方法とは

テレワークの実施には、オフィスで働く場合とは異なった就業管理が必要です。では、テレワークの就業管理にはどのような方法があるのでしょうか。

• 方法1:電話やメールによる報告
テレワーク開始時と終了時の2回、上司や担当者へ電話やメールなどで連絡を入れることで就業管理を行います。非常にシンプルな方法ですが、電話やメールでは休憩時間の管理ができない点や、報告を受ける側に負荷が掛かる点に注意が必要です。また、電話代の扱いについてもしっかりと定めておく必要があることも忘れてはいけません。

• 方法2:表計算ソフト(ExcelやGoogleスプレッドシートなど)の使用
表計算ソフトを使用して従業員が自らで出退勤時刻を入力し、集計までを行う方法です。手入力となる為、入力ミスのリスクがあります。また、そもそも入力は従業員自身が行うため、不正やデータ改ざんといった可能性もゼロではないでしょう。

法改正や社内の就業ルール改定により就業時間・残業時間の取り扱いが変更となった場合には、表計算ソフトに設定されている計算式に素早く反映させなければいけません。現在の複雑な時間外労働のルールを表計算ソフトで対応しようと思っても、対応が困難な面もあるかもしれません。

ご紹介した電話やメール、表計算ソフトによる就業管理は、導入しやすい・運用コストが安いというメリットがある一方、様々なデメリットもあります。適正な管理を行うのであれば、やはり就業管理システムの導入を検討しましょう。
始業・終業の記録はもちろん勤怠状況をリアルタイムに把握できるため、長時間労働になってから気づくという懸念がなくなります。また、管理をする側の負荷を軽減できるだけでなく、有給休暇や介護休暇などの管理も可能です。

就業管理システムを選ぶポイント

就業管理システムといっても、その種類や機能はさまざまです。これから導入しようと考えている方のなかには、どれを選ぶか悩んでしまうという方もいるはず。そこで、就業管理システムを選ぶ際のポイントについてご紹介します。

ポイント1:多様な働き方・勤務体系への対応

業務上外出する機会が多い場合や、フレックスタイム・変形労働時間制を導入している場合、また時短勤務が利用できるなど、勤務体系は企業ごとに様々です。そのため、まずはシステムが自社の勤務体系に対応できているかを確認しましょう。
また、パソコンだけでなくスマートフォンから打刻ができるかなど、打刻機能が自社の働き方に合っているのかも確認しましょう。テレワーク時の場合だけでなく出社時のことも想定し、タイムレコーダーからの打刻や入退室情報を取得できる機能なども確認し、自社の働き方にマッチしているシステムを選ぶことをおすすめします。

ポイント2:法改正への対応

労働環境にまつわる法改正への対応は必須項目です。そのため、法改正対応がスピーディーに反映されるのかという点にも注意が必要です。特に法改正によって罰則が定められている内容もあるため、36協定に抵触しそうな従業員が出る前に警告を出すなど、法令遵守をサポートしてくれるシステムを選択しておくと、管理する側の負担軽減にもつながります。

ポイント3:給与システムとの連携

労務部門では、従業員の労働時間を集計するだけでなく、給与や社会保険料などの計算や年次有給休暇日数の付与・取得管理も行います。就業管理システムのなかには、給与システムとの連携機能が備わっているものもあり、労務部門の業務負荷軽減も可能です。

ポイント4:コストやサポート体制

就業管理システムを導入する際には当然ながら費用がかかるため、初期費用や運用コストがどれくらいかかるのかをシミュレーションしましょう。また、管理者の負荷軽減を考えて、サポート体制が充実しているかもチェックしておきたいポイントです。日本語でのサポートの可否、サポート対応時間だけでなく、自社に即した周辺システムや追加機能などを提案してもらえるのかも、確認しておくと安心です。



テレワークなど様々な働き方に対応していますか?

まとめ:適切な就業管理でテレワークを

テレワークは適切な運用がなされれば、生産性の向上やワークライフバランスの実現など、プラスの効果が得られる働き方です。また、オフィスコストの削減や優秀な人材の確保にも寄与するため、企業経営にも大きなプラスの効果を与えてくれるでしょう。
しかし、運用ルールやシステムの整備が不十分では、テレワークの効果を最大限得ることはできません。また、テレワークによる過重労働は、従業員のモチベーションの低下や心身の不調を招くだけでなく、法令違反になれば企業自体に大きなダメージとなります。
厚生労働省は「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」を公開しており、労働時間の適正な把握についてのポイントなどを紹介しています。従業員と企業を守るためにもガイドラインに沿ったテレワークの運用が、重要ではないでしょうか。

就業管理システムの導入は、労働時間の適正な把握をサポートし、自社の多様な働き方もサポートします。管理部門の生産性を向上させるためにも、就業管理システムを利用されてはいかがでしょうか。

人事・労務の業務をサポートする「ALIVE SOLUTION TA」

当社の就業システム「ALIVE SOLUTION TA」は、スマホからの勤怠入力、Webタイムレコーダー、パソコンのログオン・オフによる自動打刻など、テレワークに対応する様々な勤怠入力が可能です。また、労働基準法・36協定等の法令を忠実に守る仕組みにより、過重労働を防止・抑止します。
給与システムと連携するデータ出力にも対応していますので、人事・労務の業務をサポートし業務負荷を軽減します。
多種多様な勤務体系や制度に対応し、様々な業種にも対応可能なシステムとなっておりますので、就業管理システムの導入や切り替えをご検討されている企業様は、ぜひ一度詳細をご覧いただけますと幸いです。

製造業、サービス業、卸売業、運輸業、建設業、学校法人など幅広いお客様に導入いただいている就業システム「ALIVE SOLUTION TA」の詳細はこちらから

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