製造業における品質向上を阻む問題と、有効なITシステムとは
深刻な人手不足などの問題が取り上げられる製造業。企業がこれから厳しい競争を生き残っていくには、現在抱えている問題をしっかりと把握し解決することはもちろん、企業が提供するサービスや製品のさらなる品質向上が重要なポイントになってきます。ただし、品質向上を図ることは決して容易ではありません。
今回のコラムでは、製造現場に携わるシステム担当者やマネジメント・経営層の方に向けて、品質向上に役立つポイントと活用すべきITツールを紹介します。ITシステムを活用することで、企業全体の品質向上を目指しましょう。
【目次】
- 製造業における品質向上とは
- 製造業の品質向上を阻む問題
- 製造現場の問題解決と品質向上を図るためのポイント
- 製造業の品質向上に有効なITシステム
- まとめ
製造業における品質向上とは
製造業における「品質」、その定義は広範囲にわたります。真っ先に多くの方がイメージするのが、製品そのものの性能や出来栄えを意味する品質です。
顧客や取引先のニーズに応える、超える製品を作り続けるためには、設計や仕様の品質、製造過程の品質を高める努力が欠かせません。しかし、仕事の質や保証やアフターサービス、顧客対応などの良し悪しも、製造業の品質を考える上では重要です。
これらのいずれか1つでも欠けてしまうと、その企業や製品に対するイメージは悪化し、「品質が悪い」というネガティブな印象を抱かれてしまいます。そのため、製品そのものの品質はもちろんですが、設計の品質、製造過程における品質、アフターサービスの品質までを含む全てを向上させることが、企業としての品質向上であり重要なポイントといえるでしょう。
製造業の品質向上を阻む問題
製造業における「品質向上」には様々な要素がありますが、一要素に特化して取組むのではなくトータルで取組む必要があります。しかし、品質向上を図る上でそれを阻む3つの問題があります。どういった問題があるのか解説していきます。
人手不足、担い手不足
製造業界は深刻な人手不足が続いており、製造現場で働く従業員の業務負荷は増大傾向にあります。慢性的に人手不足が続く現場では、品質チェックを行う体制に余裕がなくなり、チェックの甘さによって品質の低下を招く懸念が生じます。
また、昨今問題とされているのは、熟練技術者からの技術継承です。熟練者だからこそ持ち得た勘やコツといった数値化・具現化し辛いノウハウが、若い世代にうまく引き継げていません。その結果、業務が属人化し、ベテランが抜けてしまったら品質が下がってしまったという悪循環を招いています。
生産管理体制が弱い
業務効率の改善や適切な人員配置など、生産管理の体制が確立されていない製造現場では品質が低下する懸念があります。品質向上が果たされない場合や低下した場合の原因を究明するためにも、生産管理体制の整備と生産過程の見える化は重要です。これらができていないと、有効な改善策を検討し実施することも困難になるでしょう。
紙媒体やExcelによる管理になっている
在庫管理や売上管理などを紙媒体またはExcelによって管理している場合、非効率的な作業によって3Mと呼ばれる「ムリ・ムダ・ムラ」が発生しやすくなるほか、人為的なミスが起こるリスクが高くなります。また、煩雑な管理業務によって生じたミスにより、顧客満足の機会を損失するリスクも十分に考えられます。
製造現場の問題解決と品質向上を図るためのポイント
製造現場における問題を解決して、さらに品質向上を図るためには、どのような対策が有効なのでしょうか。それぞれの問題に対応したポイントを紹介します。
品質管理システムの導入
人手不足によって懸念される品質チェック体制の甘さや業務の属人化の問題、紙媒体やExcelによる品質管理の限界に対しては、品質管理システムの導入が有効です。
課題の発見から対策までのサイクルを速やかに行えるだけでなく、データに基づく分析により勘に頼らない高い品質の確保が可能になるでしょう。
生産管理システムの導入
生産管理体制が整っていないことによって生じる品質低下や生産過程の不透明さを解消するには、自社の体制に合わせた生産管理システムの導入が有効です。
生産計画や受発注、進捗管理などの業務をすべて一元化できるシステムが入ることにより、生産状況の見える化、リードタイムの短縮、業務の標準化が実現できます。その結果、業務改善による生産性向上、生産過程で生じていたムダを特定・解消して、さらなる品質向上を目指せるでしょう。
このように、ITシステムをうまく活用することによって様々な問題が解決できるだけでなく、工場全体の見える化やひいてはDX化実現の第一歩となるはずです。
製造業の品質向上に有効なITシステム
製造業の品質向上に有効なITシステムには、様々なものがあります。今回はその中から、品質管理システム「HYPERSOL QMS」と、生産管理システム「Factory-ONE 電脳工場MF」の2つをご紹介します。
品質問題を定量化により安心・安全な品質を実現「HYPERSOL QMS」
「HYPERSOL QMS」は製造業向け品質管理システムです。検査データの直接入力はもちろん、検査結果を検査装置からCSVファイルで取り込めたり、検査タブレットから入力したりといった個別のカスタマイズも可能。検査装置と直接連携すれば品質管理を自動化でき、従来のようなExcelや紙ベースでの検査に比べて、業務担当者の工数を大幅に削減できます。
また、検査データは全てセキュアな環境に保存されるほか、アクセスログやイベントログも常時監視。データの不正な改ざん防止にも効果を発揮します。
「HYPERSOL QMS」は1ヶ月間無料で製品版と同じ機能をご利用いただけるトライアル版を提供しているほか、導入に不安を抱えている方に対して担当者からオンラインミーティング形式のレクチャーを受けることも可能です。品質向上を図りたい製造業のご担当者様は、是非お申し込みください。
中堅・中小製造業の経営力を強化する「Factory-ONE 電脳工場MF」
「Factory-ONE 電脳工場MF」は、生産現場のあらゆる管理業務を効率化する生産管理システムです。様々な業種・業態に対応するため、「製番管理版」「MRP版」「ハイブリッド版」「販売管理ベース」の4つのタイプを用意。システム上でのデータ抽出はもちろん、Excelファイルでの出力にも対応しているため、データを編集しグラフや表にまとめて報告書を作ることも可能です。
また、「Factory-ONE 電脳工場MF」は設備監視システムや倉庫管理システムなど、製造現場における様々な外部システムとの連携も実現でき、さらなる業務効率化に貢献します。
「Factory-ONE 電脳工場MF」に関する高度なサービスを提供できる認定技術者が、導入から運用までをご支援。お客様の生産現場に適した仕様にカスタマイズも可能ですので、安心して電脳工場MFをご利用いただけます。
まとめ
人手不足や管理体制の構築など、様々な課題を抱えている製造業。製造業を取り巻く激しい環境の変化に対応し、これからの厳しい競争を生き残っていくための対策を考えている企業は少なくありません。
製造現場における課題をひとつずつ把握し解決していくことによって、人手不足の解消や品質向上が実現でき、これからの厳しい競争を生き抜いていくための武器にすることができます。また、今回ご紹介した品質管理システムや生産管理システムの導入によって、大幅な業務効率化や職場環境の改善につなげることが可能になります。
今後を見据え企業価値向上を図るためにも、今回ご紹介した品質管理システム「HYPERSOL QMS」、生産管理システム「Factory-ONE 電脳工場MF」の導入をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
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