製造業におけるSCMの重要性
先月は質の高いSCMを可能にするEDI(電子データ交換)について取り上げました。ネットワークを利用して情報をやりとりするEDIには、様々なメリットがありました。今回は製造業におけるSCM(サプライチェーンマネージメント)の目的・効果について考えてみます。
サプライチェーンの最適化と企業の管理
原材料の調達から製造加工、流通、消費という全体の流れをサプライチェーンと呼び、そのサプライチェーンを最適化する=マネージメントするのがSCMです。
最大の目的は、サプライチェーンを最適で効率的なものにすることです。サプライチェーンには、いくつもの役割が異なる企業が関わってくるので、必然的にSCMを実行するには企業間の連携が重要となってきます。
SCMの効果にはどのようなものがあるか
SCMを導入した場合、次のような効果を上げることができます。
(1)適正在庫により売り上げを最大にする
製品の在庫が需要に対して少なかった場合、欠品が生じます。欠品の発生は当然売り上げ減につながります。しかし、足らなくなるよりはと多めの在庫を抱えた場合、在庫を処理する時間がかかるほど、やはり売り上げ減となります。
つまり、売り上げを最大限に上げるには、需要に対して多すぎず少なすぎない、ちょうど良い在庫の存在が必要不可欠になります。SCMなら適正在庫を割り出すことが可能です。
(2)リードタイムを管理する
製品の加工から出荷までに要した時間をリードタイムといい、時間がかかるほど様々なコストがかかってきます。
SCMをうまく運用できれば、リードタイムを管理しコストを最小限にすることが可能です。
(3)設備の稼働率を上げる
適正な在庫管理とリードタイムの削減は、設備の稼働も無駄なくできることになります。稼働率が向上することでコスト削減につながり、その分利益を確保することができます。
(4)経営基盤を強化する
売り上げの確保とコスト削減は、そのまま企業の利益増につながります。安定した企業運営ができることで、経営基盤を強化することができます。
このようにSCMは、サプライチェーンの無駄を省いて効率化することができ、利益を最大限確保することができます。
SCMの成功例
実際にSCMを導入して改善に成功したケースを見てみましょう。
【ケース1:適正在庫の管理に成功】
衛生関連商品を製造販売している企業では、O-157や新型インフルエンザなど感染症の流行に伴う急激な需要拡大による欠品と、収束による余剰在庫の管理が問題となっていました。
そこで需要予測と在庫管理をメインにSCMを導入した結果、従来の在庫量を増やすことなく、欠品率を8割削減することに成功しました。
【ケース2:リードタイムの改善に成功】
海外に生産工場を持つなど各地に複数の拠点があるメーカーの場合、システムも各拠点に分散しており、情報を総合的に捉え判断することが難しい状態でした。SCMを導入した結果、見積もりから出荷まで一連のプロセスに関わる情報を統合することに成功し、各部門の連携が円滑となり、大幅な生産性の向上と業務のスピードアップに成功しました。
【ケース3:コスト管理に成功】
多国間・他企業間で成功したSCMです。
9カ国間で行われている農薬原料の輸出、税関での処理、製造販売をSCMで一括管理した結果、リードタイムが効率化しコスト削減にも成功しました。
まとめ
弊社がご提供する「Factory-ONE 電脳工場MF」は、生産計画の立案から在庫管理など、ものづくり情報の幅広い内容を管理する生産管理システムです。さらに、製造業様向けの販売管理機能も標準装備し、生産活動を強力にサポートします。また、「EXtelligence EDIFAS」は、低コストかつ短期間でサプライチェーンを構築できるクラウド型EDI(調達・購買)サービスです。
SCMやB2B、IoTなどに対応する“つながる工場”の原点となります。
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