海外対応の生産管理システム

製造業にとって原材料の調達から製造、販売、消費という一連の流れの中で、海外とのやり取りは非常に重要なポイントです。平成28年の税制改正で決定したインボイス方式の導入によって、海外との取引にどのような影響があるのでしょうか。

海外進出のメリットとデメリット

製造業が海外進出する主な理由は、人件費などのコスト削減ができることといえるでしょう。そのほか、現地の販路拡大や取引先の維持、現地顧客・取引先への素早いレスポンスなどが挙げられます。一方のデメリットとしては、為替の変動による利益の減少、現地での人材確保や育成・管理の難しさ、法律の問題、インフラの整備などが挙げられます。

しかしながら、国内では円高の進行や電気料金の上昇などの逆風もあり、製造業の海外進出は加速しているといえるでしょう。その海外進出に大きな影響を与えると考えられるのが、インボイス方式の義務化です。

インボイス方式とその義務化

インボイスは、貨物通関手続きには必要不可欠な書類で、「送り状・納品書・価格計算書・請求書」などの役割を担っています。このインボイスを使った付加価値税制度が「インボイス方式」です。仕入側の事業者は、売上側の事業者が発行するインボイスに記載された税額のみを控除することができます。

インボイス方式の概要は以下の通りです。

(1)課税事業者はインボイスの発行が義務づけられており、また自ら発行したインボイスの控えの保存が義務づけられている。

(2)インボイスには適用税率・税額の記載が義務づけられている。

(3)免税事業者はインボイスを発行できない。従って免税事業者からの仕入は仕入税額控除ができない。

このインボイス方式のメリットは以下の2点です。

(1)異なる税率ごとに税額が明示されるので、売上側は正確な税額転嫁が可能になり、仕入側は正確な仕入の税額控除が可能になる。

(2)免税事業者はインボイスの発行ができないため、付加価値税を請求できない。その結果、売上にかかる消費税を控除した金額が免税事業者に留まるという「益税」の発生を防止できる。

このインボイス方式はEU諸国ではすでに導入されていましたが、日本でも平成35年10月1日より導入されることが決まりました。

インボイス方式導入による事務負担の増加と対応策

海外に拠点がある製造業にとって、輸出入業務は避けて通れない作業です。このインボイス方式が導入されることにより、次のようなことが起こると考えられます。

(1)請求書の記載事項に、税額や事業者識別番号などの追加が必要となり、請求書などの様式改定に伴う作業とコストが増加する。

(2)取引が発生するごとに、課税事業者のインボイスと免税事業者の請求書等の仕分作業が必要になる。

(3)インボイスの記載税額と本体価格の区分、整理、仕分作業が発生する。

(4)インボイスの保存。(発行者・受領者とも)

不備があった場合、税務調査時に「税務否認」される可能性があるので、インボイス方式導入への準備をしっかりと行う必要があります。

この作業をできるだけ簡素化するには、ICT(情報通信技術)によるシステム構築が必要になってきます。インボイス方式に対応したシステムを導入し、事務作業を効率化して、海外進出のメリットを最大限に活用されてはいかがでしょうか。

まとめ

株式会社エクスの「Factory-ONE GL」は、中堅・中小製造業の海外向け生産管理システムです。日本語はもとより英語・中国語にも対応しており、海外でも安心して使用できます。インボイスを筆頭に国際貿易伝票類も標準装備しております。トランザクションデータには為替レートを保持しており、受注・発注時には予約レートの入力が可能です。

詳しくは、弊社担当者もしくは、第二事業本部営業部(03-5309-0622)までお問い合わせください。

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