知っておきたい税制優遇措置・補助金制度
平成30年度税制改正に関する取りまとめが税制調査会において今まさに行われており、今後どのような改正が行われるか気になるところです。しかしその前に、現行の税制優遇措置の中で見落としているものはないでしょうか。今からでも利用できる税制優遇措置や、様々な補助金・助成金制度についてご紹介します。
製造業にとって役に立つ税制優遇措置とは
製造業にとって必要不可欠な設備投資。その設備投資に対して優遇措置を受けられる制度がいくつかあります。
・中小企業投資促進税制
中小企業や従業員数1,000人以下の個人事業主が機械などの対象設備やソフトウエアを取得した場合、資本金3,000万円以下の中小企業は30%の特別償却又は7%の税額を控除、資本金3,000万円超1億円以下の中小企業は30%の特別償却を行う制度です。
平成31年3月31日までに取得した対象資産に適用されます。
・中小企業経営強化税制
青色申告書を提出する中小企業が機械や工具、ソフトウエア等一定の設備を取得した場合、即時償却又は取得価額の10%(資本金3,000万円超1億円以下の中小企業は7%)の控除を受けることができる制度です。
前提として、「中小企業等経営強化法」に基づいて経営力向上のための人材育成や財務管理、設備投資などの取組を記載した「経営力向上計画」を事業所管大臣に申請し、認定されることが必要となります。
適用期間は平成29年4月1日から平成31年3月31日までとなります。計画書作成に関しては、認定経営革新等支援機関でサポートを受けることも可能です。
・地域未来投資促進税制
平成29年7月31日施行の「地域未来投資促進法」に基づいて行われる税制優遇措置です。
観光資源や特産物、技術、人材など地域の強みを活かした先進的な事業について、設備投資をした場合に課税の特例を受けることができます。
機械装置、器具備品等には40%の特別償却・4%の税額控除、建物等には20%の特別償却・2%の税額控除が適用されます。
前提として「地域未来投資促進法」に基づく計画承認が必要となります。
中小企業経営強化税制と地域未来投資促進税制はそれぞれ計画書が必要となってきますが、税制以外にもさまざまな優遇措置を受けることができます。どの税制優遇措置を受けるか、それぞれの特性を比較した上で選んでみてはいかがでしょうか。
有効に活用したい補助金・助成金制度とは
製造業にとって補助金・助成金制度についてもしっかりと知って利用したい制度といえるでしょう。補助金・助成金制度は地域が限られているものや、自治体独自で行っているものなど、多種多様な制度があります。
例えば「ものづくり中核人材育成事業」は、製造現場で必要な技能・技術の伝承を促進することを目的とした助成金で、指定された講習等を受講する際に必要となる費用を補助します。従業員のキャリアアップに利用できる制度といえます。雇用対策には「65歳超雇用推進助成金」というものもあります。65歳以上への定年の引き上げや雇用環境の整備などに助成金が適用されます。また、「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金(民設商業施設整備型)」といった、地域限定で利用できる雇用促進の補助金もあります。
自社が活用できる補助金・助成金にはどのようなものがあるのかは、中小企業庁が運営する『ミラサポの施策マップ(https://map.mirasapo.jp/)』で検索することができます。同施策マップでは、雇用・人材や設備投資、研究開発・商品開発など必要な分野から補助金・助成金を検索することができます。経営強化に役立つ補助金や助成金の利用を検討する際に、大いに役立つポータルサイトです。
まとめ
いずれの税制優遇措置や補助金制度も、事業の展開や拡大をサポートする為に設けられたものです。利用される際にはまず、目的や趣旨をしっかりと確認しましょう。そして、申請書類の作成や手続き等にかかる時間も考慮し、早めに準備することをおすすめします。
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