多様化する働き方に合わせた労働契約とは
平成30年4月より有期労働契約から無期労働契約に転換できる「無期転換ルール」が始まります。このルールの導入により、雇用形態の多様化やそれに合わせた労働契約の変更などが必要となってくるとみられます。
「無期転換ルール」とは
無期転換ルールとは、「同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が通算5年を越えて反復更新された場合、有期労働契約者からの申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に変換できる」ルールです。このルールは平成25年4月1日以降にされた有期労働契約から対象となるため、今年4月から運用が開始となります。
無期転換後の雇用区分は企業ごとに異なるため、このルールが始まることで雇用形態も多様化するとみられています。
無期転換ルールの導入事例
すでに有期契約労働者の無期転換を始めている企業ではどのようにしているのか、その実例をご紹介します。
・調味料メーカーの例
パート社員の業務内容は熟練が必要なものも多く、意欲のあるパート社員の待遇を引き上げ、長期的に働き続けられる処遇制度を設けたいという現場の声を受け、2014年3月より一定の条件を満たしたパート社員(1年契約・時給)を、準社員(無期契約・月給)に登用する制度を開始した。
・保険会社の例
多様な部署で各組織の基盤となる業務を担っているスタッフ社員(1年契約)の力量が、自社の競争力や成長に重要な存在であるということから、より安定した雇用を図るため、2016年4月より無期雇用の社員区分に専門分野を業務範囲とする「アソシエイト社員」を新設。無期雇用への転換を行いやすくした。
・小売業の例
本来は補助的業務を行うべき契約社員やパートナー職員であるが、業務効率化によって正社員との業務内容との差がなくなってきたため、待遇面も差を少なくして欲しいという要望が出るようになった。そこで様々な事情により転勤を望まない契約社員でも正社員登用が可能となるように、2014年6月よりエリア限定の正規職員の雇用区分を新設し、高いスキルと豊富な経験を持つ人材を幅広く正規雇用できる制度を設けた。
このようにすでに実施している企業は、職員の事情に合わせた独自の雇用制度を設けた上で、無期への転換を図っていることが分かります。
人材を有効活用するために、雇用形態の多様化を
無期転換ルールでは、有期から無期に契約変更した場合、職務や勤務地、賃金、労働時間 等、期間以外の労働条件は別段の定めがない限り、直前の有期労働契約と同一となります。しかし、より多くの有能な人材と無期労働契約を行いたいと考えるのであれば、雇用形態や労働条件を改めて検討する必要もあるといえるでしょう。
厚生労働省では、有期から無期へ転換する際に、従来の正社員と比べて配置転換や転勤、仕事内容、勤務時間等の範囲が限定された、いわゆる「多様な正社員」への登用を推奨しています。これによって、何らかの事情により有期契約を選んでいた可能性のある労働者も、正社員として働くことができるようになります。
しかし自社の有期契約社員を無期契約へ転換し、雇用契約を改める場合、必ずしも正社員として雇用契約を行う必要はありません。
導入事例にもあるように、「準社員」などといったポストを用意することで、非正規雇用でも無期契約を結ぶことが可能となります。
これを機会に自社の業務内容に合った雇用や労働契約について、改めて検討されてみてはいかがでしょうか。
まとめ
無期転換を行う際に雇用形態を変える場合には、就業規則などの改定も必要となってきます。多様な働き方は人材の有効活用という大きなメリットがある一方で、管理する側にとっては多様な労働契約を管理していかねばならないというデメリットもあります。
そこで、雇用形態を見直す際、管理するシステムも合わせて見直してみてはいかがでしょうか。
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