大事な場面で言葉を噛まないためのトレーニングと注意点

人前で話す機会の多いビジネスマン。それはお客様に対してだけでなく、社内での打ち合わせや昇格試験の面接など多くのシーンがあります。
そろそろ新人社員の方も社内会議で意見を述べたり、お客様へのプレゼンを経験したりする頃ではないでしょうか。

頭の中で考えたことが滑らかに話せると、とても自信が出てくるものです。一方、頭の中では話したいことがまとまっていても、声に出すと引っかかってしまうことがありませんか?「上手に話したい」「噛みたくない」、過度な緊張から精神的に追い込まれると舌がもつれてしまうことがあります。

緊張をほぐすことは当然必要ですが、物理的に舌がもつれるのを止めるということも、噛まないようにするためにできることです。
今回は、大事な場面で言葉を噛まないための舌や顎を鍛える方法について、そしてプレゼンなど本番での注意点をご紹介いたします。

噛まないためのトレーニング

つい言葉を噛んでしまう、言葉が聞き取りにくいと感じる、それは良い発音ができていないからかもしれません。
舌根、つまり舌の付け根を柔らかくすることで良い発音ができます。
声を張ろうとした時には無意識のうちに顎に力が入ってしまいがちですが、顎の力を抜けるようになるとやはり良い発音につながります。
これからご紹介する3つの方法は、噛みづらくするとともに聞き取りやすくすることにもつながるトレーニングです。

(1)割り箸をくわえながら話をする
これは、口の開きや舌の運動を鍛えるトレーニングです。
割り箸を横にして口にくわえ、この状態のままプレゼンのために用意した原稿を読んでください。割り箸をくわえると口先の動きを封じられるので、口の開き方や舌の動きが意識でき、鍛えられます。

(2)顎を左右に動かしながら話す
顎を鍛えるトレーニングです。顎を左右にテンポよく動かしながら、五十音を発音してください。顎と発音の相関関係が意識できるはずです。
なお、このトレーニングはやりすぎると顎の筋肉を痛めることがあるので、痛くなる前、ちょっと疲れたかなと感じる程度でやめておきましょう。

(3)椅子に座り、足を上げながら原稿を読む
腹筋を鍛える、そして腹筋に力をいれながら言葉を話す練習です。喉を張らなくても良い発音ができるようになるので、余計な力が不要となり舌がもつれにくくなります。
椅子に座り、膝を90度に曲げて、そのまま足を地面から浮かせます。その状態をじっとキープしながら、プレゼン原稿などを読みあげてください。プレゼンなら資料を、電話での対応ならマニュアル等を読みましょう。

プレゼンなどの本番で意識すると良いポイント

しっかりとトレーニングに励んでいても、いざプレゼン本番が近づいてくると、緊張するものです。時間をかけて準備したプレゼンが、緊張で思うような成果を上げられなかったら悔しいですね。
リラックスするための効果的な方法に呼吸法があります。どきどきする気持ちを抑えられますので、是非実行してみて下さい。
そして、本番での声の出し方についても注意点をまとめてみました。

(1)ロングブレスでリラックスして緊張を沈める
息を大きく吸います。口で吸っても鼻で吸っても、どちらでも大丈夫です。次に、吸った息を、10秒かけて少しずつ出していきます。息を出す時は、「温かい息を出す」ということを意識しましょう。ゆっくりゆっくり出すと温かい息になります。息を細く出し続けた後は、肺に残った息を全て出し切ります。
気分が落ち着くまで、この呼吸法を繰り返してください。

(2)母音を意識してゆっくり話す
早口で話してしまうと、言葉を噛む原因になります。早口にならないための具体的な対策として、言葉の「母音」を響かせるように、下腹部に力を入れながら声を発してみましょう。
母音は、発音の一音ごとに後ろから出てくる「あいうえお」の音です。その後ろの「あいうえお」の音の方をしっかり発音するように意識するだけで話のペースがゆっくりになり、聞き取りやすい音にもなります。

(3)口角を上げながら話す
口角を上げると上顎の位置が上がって、頭蓋骨の中で音が響くのです。言葉を明瞭に聞こえるようにするためには、とても効果的です。
また、口角が上がっていると、いわゆる「微笑み」となるため、聴いている方々には好印象。明瞭な発音になるばかりでなく、心が穏やかで落ち着いているように見えるので、プレゼンなどでは特におすすめです。


本番直前になると頭の中が真っ白になるくらい緊張する方もいるのではないでしょうか。まずは呼吸でリラックス、ゆっくりと笑顔で話す、と覚えておいていただければ、きっと大丈夫です。

まとめ

今回ご紹介した3つのトレーニングを社内の自席で急に始めてしまうと、周りに驚かれるかもしれません。空いている打ち合わせスペースを利用したり、カラオケボックスを利用されても良いかもしれませんね。
また、自分の声を録音すると早口で聞き取れない箇所やこもった発音になる箇所を発見できて、より効果的なトレーニングとなることでしょう。

「話す」ということは、「聞いている方にきちんと伝わっているかを第一に考えること」とも言えます。適当に話すのではなく相手に伝わるかを考えながら、丁寧に言葉を発することを意識してみてください。

言葉を噛んでしまうことは、決して新入社員だけとは限りません。ベテラン社員の方でも、上手に言葉が出てこないな、説明があたふたとしてしまうな、と感じることがあると思います。そんな時は初心に立ち返った気持ちで、トレーニングをしてみてはいかがでしょうか。

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