新入社員にも教えたい!ビジネスメール「書き出し方」のマナーとは?
公開:2019年05月22日
ビジネスメールは、社会人デビューした新入社員が最初に通る関門の1つと言っても過言ではないでしょう。LINEなどのメッセージアプリで連絡を取り合うことに慣れてしまい、「メール文化に親しみのない新入社員」にとってビジネスメールはハードルが高く感じ、悩むことも多いと思います。
ビジネスメールの作成には「要件を簡潔に伝えること」と、「読みやすいこと」だけでなく、「ルールやマナーを意識する」必要があることをご存知でしょうか。
そこで今回は、ビジネスメールの書き方でもまずおさえておきたい「ビジネスメール書き出しのポイント」をご紹介します。新入社員にメールの書き方を指導する際にも、是非参考にしてください。
ビジネスメールの書き出し基本マナー3つ
メールに書くべき内容は決まっているのに、「書き出し」が書けない・・・と悩んでしまい、冒頭でつまずいてしまう新入社員の方も、実は多いのではないでしょうか。
ビジネスメールは社内あての業務連絡のほか、社外へのお礼メール、ときにはお詫びのメールなど多様な目的で利用するビジネスツールです。そして「書き出し」は、送った相手が一番初めに読む文章のため、相手が感じる印象を左右しかねない大事なパーツと言えます。
そこでまずは、基本的なマナーを3つご紹介します。
(1)前置きは原則不要
ビジネスメールの場合、手紙で使用する「拝啓」や「敬具」といった頭語・結語はもちろん、時候に沿ったあいさつや相手の近況について尋ねる「前置き」を入れることは、原則ありません。なぜなら、ビジネスメールにはひと目見ただけで要件が理解できるよう、簡潔なものである必要があるからです。
(2)あいさつ→名乗りが基本の流れ
ビジネスメールでは、「お世話になっております。」などと短くあいさつを済ませ、そのあと自分の名前を名乗るのがマナーとなっています。
メールの送り先が日頃やり取りしている相手であっても、用件が変わるたびに名乗るのがマナーです。反対に同じ用件のやり取り内であれば、最初の送信時もしくは返信時のみ名乗り、その後は名前部分のみは省略しても問題ありません。
(3)お礼やお詫びは用件の前に簡潔に書く
名乗りが済んだらすぐに用件を…と行きたいところですが、必要に応じて最近の出来事に関するお礼やお詫びなどを短く入れる方が好ましいです。例えば、会議後に出席者へメールを送るようであれば、
ビジネスメールの書き出しは、“電話をする時と同じ”と考えてみましょう。取引先の方に電話をする時、きっとあなたは初めに「いつもお世話になっております。○○株式会社の××です。」と言うはずです。メールだからと難しく考えず、基本的なマナーは何か?と考えれば良いのではないでしょうか。
例文1:「社内あて」のビジネスメールの書き出しパターン
ここからは、ビジネスメールを送る相手と自分の関係性や目的別に、書き出しのパターンをいくつかご紹介します。
上司・同僚あてメールの書き出し
上司にも同僚にも使える書き出しとしては「お疲れ様です。」が一般的です。「ご苦労様です。」も似たようなねぎらいの意味と捉えられることがありますが、「ご苦労様」は上の立場にいる人が下の立場の人へ向けて使う言葉です。間違えて上司や先輩へのメールで使うと失礼になるため、使わないようにしましょう。
例えば朝の時間帯、10時頃までにメールを送るときは「おはようございます。」を使うと、清々しい印象を与えることができるため、おすすめです。
また、メールを送る相手が会議に出席していることが事前にわかっている場合には「会議中に失礼いたします。」、仕事以外の連絡事項を送る場合には「お忙しいところ、失礼いたします。」と、失礼を詫びる言葉で書き始めるなど気遣いの気持ちを込められると、メールを受け取った相手が不快に感じにくくなるでしょう。
- 上司・同僚に使える書き出し → 「お疲れ様です。」
- 朝の時間帯なら → 「おはようございます。」
- 仕事以外の連絡時 → 「お忙しいところ、失礼いたします。」、「お仕事中に失礼いたします。」
- 相手が会議中や外出中の場合 → 「会議中(外出中)に失礼いたします。」
お礼・依頼メールの書き出し
社内あてのビジネスメールで作成する機会が多いのが、「お礼」や「依頼」のメールです。仕事を手伝ってもらったときの「お礼」や、仕事を手伝ってもらいたいときの「お願い」は、メールの書き出しで相手にはっきりと伝えましょう。
「お礼」メールの場合は、時間をおかずなるべく早いタイミングで送るよう、心がけましょう。
- お礼メールの書き出し
「お疲れ様です。◇◇部の××です。この度は、企画書の作成にご協力いただき、誠にありがとうございます。」 - 依頼メールの書き出し
「お疲れ様です。◇◇部の××です。☆☆株式会社様に提出する企画書の内容について確認をお願いしたいのですが、よろしいでしょうか。」
お詫びメールの書き出し
ビジネスメールで避けては通れないのが「お詫び」のメールです。この場合も、迅速に送ることが重要です。謝罪の気持ちを冒頭で明確に表すことで、お詫びの気持ちと誠意を伝えましょう。メールの文面で伝えるため、メールの内容が不適切だと事態が悪化してしまう可能性もあるので、十分注意しましょう。
- お詫びメールの書き出し
「お疲れ様です。××です。この度は、会議における私の不適切な発言により、不快な思いをおかけしたことを、心よりお詫び申し上げます。」
「お疲れ様です。××です。この度は□□の案件について私の対応が不十分だったため、△△部長に大変ご迷惑をおかけいたしました。誠に申し訳ございません。」
例文2:「社外あて」のビジネスメールの書き出しパターン
社内メール以上に気を遣わなければならないのが、社外へのメールです。社外あてメールには「迅速に」送り、「明確に」、「状況を考えて」書き出すという社内メールと同様のルールがあります。しかし、社内メールとの明確な違いもあるので、覚えておきましょう。
社内メールと社外メールの一番の違いは、「挨拶」に相当する書き出しです。社内メールの場合、「お疲れ様です。◇◇部の××です」と書き出せば問題ありませんが、社外宛の場合、「お世話になっております。○○株式会社の××です。」と、自分の会社名もしっかり名乗りましょう。
また、はじめの挨拶部分も、送る相手と自分の関係性によって変わってきますので、注意しましょう。例えば、日頃からお付き合いのある方であれば一般的な「お世話になっております。」や「日頃は大変お世話になっております。」などですが、初めてメールを送る相手であれば「初めてご連絡いたします。」、久しぶりにメールを送る相手であれば「ご無沙汰しております。」となります。
- 日頃からお付き合いのある社外の方向けメールの書き出し
「お世話になっております。○○株式会社の××です。」
より丁寧にする場合は、 「平素より大変お世話になっております。」 - 初めてメールを送る社外の方向けメールの書き出し
「初めてご連絡いたします。○○株式会社、◇◇部の××と申します。」 - 久しぶりにメールを送る社外の方向けメールの書き出し
「ご無沙汰しております。○○株式会社の××です。いかがお過ごしでしょうか。」
社外あての書き出しについて理解したら、次は「お礼」「依頼」「お詫び」メールの基本もおさえましょう。下記にそれぞれ例を挙げましたので、参考にしてください。
- お礼メールの書き出し
「お世話になっております。○○株式会社の××です。
本日はお忙しいところ、弊社までご足労いただき、誠にありがとうございました。」
「平素より大変お世話になっております。○○株式会社の××です。
この度は弊社製品「***」を採用いただき、誠にありがとうございます。」 - 依頼メールの書き出し
「お世話になっております。○○株式会社の××です。
先日ご依頼をいただいた***の件で、一度打合せをお願いできますでしょうか。」
「いつもお世話になっております。○○株式会社の××です。
この度「***」の制作をお願いするにあたり、下記条件で見積書をお送りいただけないでしょうか。」 - お詫びメールの書き出し
「平素より大変お世話になっております。○○株式会社の××です。
この度は、ご注文いただきました「***」の発送遅れにより、多大なご迷惑をおかけしてしまいましたことを、深くお詫び申し上げます。」
お礼メールの場合、「ありがとう」という言葉が続いてしまうときには、「感謝申し上げます」「厚く御礼申し上げます」と言い換えるとよいでしょう。また、依頼メールを送る場合は、「~してください」という表現は命令形であるため、メールを受け取った相手の気分を害してしまう可能性があります。そのため、「~でしょうか」「~できますでしょうか」「~していただけないでしょうか」のようなソフトな言い回しにする方が、角が立ちません。
お詫びメールに関しては、言い訳を並べるのではなく、まずは謝罪の意思と反省の意を伝えましょう。そのあとに、謝罪をするような状況に至ってしまったことに対する経緯や、対応内容を説明しましょう。
まとめ
今回ご紹介した通り、ビジネスメールの書き出しはほぼ定型化しているため、例文をおさえておけば新入社員の方でもスムーズに作成できると思います。メールを受け取った相手が良い印象を抱いてくれるよう、ルールやマナーをしっかり抑えて、日々の業務にぜひ活かしてください。
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