あなたのパーソナルカラーは?診断方法とビジネス活用法について

「パーソナルカラー」という言葉を聞いたことはありますか?パーソナルカラーとは、簡単に言えばその人の雰囲気に最も似合う色のことです。ファッションだけでなくビジネスにも活用できる考え方として、注目を集めています。
パーソナルカラーの発想自体は、1923年のアメリカで生まれました。日本に伝わったのは1980年代からなので割と日が浅く、そのため日本ではパーソナルカラーという言葉を聞いても、自分にあったパーソナルカラーは何なのか、またどのように活用できるのか分からないという人も多いはずです。
そこでこのコラムでは、そもそもパーソナルカラーとはどのようなものなのか基本を説明した上で、自分のパーソナルカラーの診断方法やビジネスへの活用方法をご紹介します。

パーソナルカラーとは

「パーソナルカラー」とは、その人の魅力を最大限に引き出す色のことを意味します。パーソナルカラーは「色は自然界の四季の中にある」という考え方が基本になっており、色を「春・夏・秋・冬」の4つの四季に分けて、その中から自分にあったグループを探します。

「色」というものは、その周りの色に影響されて「見え方」が変わります。これを「対比現象」というのですが、「顔」と「洋服」の関係ではこの対比現象が大きく関わってきます。例えば、お店で気に入った色の服を見つけ、いざ試着してみたら「先ほどまで見ていた色と違う気がする」、「なぜか肌がくすんで見える」という経験がある方もいらっしゃるでしょう。これは、肌の色と服の色がお互い影響し、色そのものが違って見える「対比現象」が起きた結果なのです。これからご紹介するパーソナルカラーは、この対比現象を応用したものです。

パーソナルカラーは、まず黄色みを多く含んだ「イエローベース」と、青みを多く含んだ「ブルーベース」の2つに分けられます。さらに同じイエローベース、ブルーベースであっても、色の明るさや彩度といった色調によって「春か秋か」「夏か冬か」で分類します。例えばイエローベースの場合、「春」に分類される色は明るく春に咲く花々や新芽のような印象、「秋」に分類される色は深く落ち着いた紅葉のような印象、といった具合です。
では、「ピンク」を例にとってみましょう。ひと口に「ピンク」と言っても、様々な種類がありますが、

  • 春に咲く花のようにフレッシュな「コーラルピンク」は、「イエローベース・春」
  • 紅葉や鮭など秋の自然を反映した「サーモンピンク」は、「イエローベース・秋」
  • 青みがかっていても紫陽花のように少しくすんだ淡い印象の「ベビーピンク」は「ブルーベース・夏」
  • 青みがかったビビットな「チェリーピンク」は、「ブルーベース・冬」

と分けることができます。

イエローベース ブルーベース
春・秋 夏・冬
黄色みを多く含み、温かみがある 青みを多く含み、クールな印象
パーソナルカラー

それぞれのグループにある色同士には親和性があるので、「自分に似合う色」のグループさえしっかり把握できれば、普段のメイクやファッションにそれを活かすことができます。また、服を買うときに「気になる色がたくさんあるけど、自分に似合う色が分からない…」と悩やむことが減るでしょう。
実は、パーソナルカラーを知るメリットは、ファッションだけにとどまりません。パーソナルカラーを上手に活用することで、最適な印象を相手に与えることが可能になります。

パーソナルカラーの自己診断方法5つ

ここでは、自分のパーソナルカラーを自己診断する方法を5つご紹介します。パーソナルカラーを知ることで、これまで自分に「似合う」と思っていた色が、実はパーソナルカラーではなかった、という事実が判明することもあります。自分の魅力をもっと引き出すために、自分のパーソナルカラーを探し出してみましょう。

診断方法1 血管の色を見る

手首の裏(内側)にある血管を見て、そこに浮き出ている血管の色からパーソナルカラーを判断しましょう。このとき大事なのは、「太陽の光の下で確認する」ということです。家の照明の下では血管の色を正しく確認できないので注意しましょう。

血管の色 パーソナルカラー
  • 赤紫
ブルーベース(夏・冬)
  • エメラルドグリーンのような緑青
イエローベース(春・秋)

これでまずは、自分がブルーベースか、イエローベースかに分類することが可能です。

診断方法2 目の色を見る

目の色を見て、パーソナルカラーを知ることもできます。しかし、日本人の多くはブラウン系の瞳の方であり違いが微妙なため、ちょっと判断が難しいと感じるでしょう。分類表のどれがより自分に近いかで、チェックしてみましょう。

目の色 パーソナルカラー
  • 輪郭がはっきりした黒
  • 白みは青みがかっていて透明感がある
ブルーベース(冬)
  • 深く濃い茶色
  • 縁がはっきりしている
イエローベース(秋)
  • 穏やかな茶色や黒
  • 輪郭ははっきりしていない
ブルーベース(夏)
  • 黄色っぽい明るい茶色
  • ガラスのように透明感がある
イエローベース(春)
診断方法3 唇の色

目の色と同様に、唇の色からパーソナルカラーを知る方法もあります。

唇の色 パーソナルカラー
  • 青っぽいピンク
ブルーベース(冬)
  • くすんだ落ち着きのあるオレンジ
イエローベース(秋)
  • ぼんやりとしたやわらかいピンク
ブルーベース(夏)
  • 明るい透明感のあるピンク
イエローベース(春)
診断方法4 肌の色を見る

パーソナルカラーを肌の色から見分ける場合は、日焼けしていない部分を確認します。血管や目、唇の色だけではパーソナルカラーを判断できないときは、肌を見るのが良いでしょう。

なお、日に焼けたときの肌がどう変化するかでもパーソナルカラーを診断することが可能です。

肌色 日に焼けたときの肌の様子 パーソナルカラー
  • 黄色みがかった肌
  • 肌が黒くなる
イエローベース(春・秋)
  • ピンクに近い色白な肌
  • 肌が赤くなる
ブルーベース(夏・冬)
診断方法5 髪の色を見る

髪をカラーリングしている方もいらっしゃると思いますが、地毛の色を確認、若しくは思い出してパーソナルカラーを知る方法もあります。地毛だけでなく、髪質からも判断は可能です。もし今のカラーリングについて「似合っていないかもしれない」と感じているのであれば、ここで自分のパーソナルカラーを知って、自分をより魅力的に見せることができる髪色を探し出すヒントにもなります。

地毛の色 髪質 パーソナルカラー
  • 明るい茶色
  • 柔らかく細い
イエローベース(春)
  • 赤みのある茶色
  • 灰色に近い黒
  • マットで軽い
  • 毛が細い
ブルーベース(夏)
  • 暗い茶色
  • ハリとコシがある
イエローベース(秋)
  • 暗い赤茶色
  • 真っ黒
  • ハリ、コシがありツヤもある
ブルーベース(冬)

パーソナルカラーを取り入れることで、まずその人の「第一印象を上げる」ことに役立ちます。
例えばパーソナルカラーがイエローベースの「春」ならば、明るいオレンジ系の服を取り入れると肌の白さを強調し、美しく映えさせることができます。

ほかにも、パーソナルカラーを知ると肌の透明感をアップさせて顔色が明るく見えるようにするのはもちろん、シワやシミなどを目立たなくさせる、フェイスラインをすっきりさせる、といった効果も期待できるのです。

パーソナルカラーをビジネスシーンに活かすには?

パーソナルカラーはビジネスシーンでも活用することができます。ここでは、ビジネスシーンにおけるパーソナルカラーの活用方法の例をご紹介します。

使用シーン1:企画をプレゼンするときの身だしなみ

企画を提案するなど思い入れが強いものを発表する際には、青系のなおかつクリアな色を取り入れるのがおすすめです。この色には、意思の強さを相手に伝えやすいという特徴があります。ジャケットには紺や濃い紫、若しくは濃いグレーがおすすめです。自身のパーソナルカラーの中にある青・紫あるいはグレーの色をチョイスすると良いでしょう。
また、企画への情熱を感じさせるため、差し色に赤を使うとより効果的です。男性であれば赤系のネクタイ、女性であれば赤いリップなどを取り入れてはいかがでしょうか。パーソナルカラー毎に似合う赤がありますので、自分をより引き立てるためにも最適な赤を選びましょう。

使用シーン2:部下や後輩を指導・叱責する時や、悩みを聞く時には

部下や後輩に対し注意したり指導したりというシーンは、先輩社員なら少なからず経験しているでしょう。必要以上に部下や後輩を萎縮させることなく、共に成長しようという気持ちを与えられるような雰囲気作りができたら、素敵ですよね。
そんな場面では、黄色やベージュ系の色を味方につけてみましょう。黄色やベージュは相手に親近感を抱かせる色のため、相手も素直な気持ちで先輩の声に耳を傾けることができるはずです。あまり黄色系の色が含まれていないブルーベース(夏・冬)の方の場合は、赤や黒といった強めの色は避け、ピンク系でも淡い色や、グリーン系を選んでみてください。
また、部下や後輩から急に相談を持ちかけられた場合など、自分の服装を変えることができない時には、色を意識して話を聞く場を選んでみましょう。オレンジや黄色など、暖色系の色には「親しみやすさや明るい気分になる」力があるので、暖色系でまとまっているカフェや会議室がおすすめです。

パーソナルカラーの考え方を応用してビジネスに活かすには

パーソナルカラーの理論や考え方を応用し、効果的にビジネスに取り入れる方法もあります。ここでは、色が持つイメージを活かす方法をご紹介します。

使用シーン1:商品を企画・開発するとき

商品開発や企画をする際、まず企画のはじめの段階で市場調査から消費者像やニーズを引き出します。次に、消費者像に合わせて商品の配色を決定する、という流れになりますが、商品企画を進める中で「色」という要素にも注目することで、ターゲット層の需要により応えた企画を立てることが可能になるのです。
色から発せられるイメージや印象は、ほとんどの人が同じように感じていると言われています。そのため、どの色がどのような印象を与えるかを知ることで、「色」という面から消費者心理をより押さえた企画を立てることができます。

使用シーン2:オフィスや作業環境にも色を活かす

1日のうち長い時間を過ごすオフィス。色を活かして居心地が良く、働きやすい空間にしてみましょう。例えば、デスクワークの多い内勤の方のフロアは、やや暖かい色を使うことで温もりや落ち着いた印象を持たせてみましょう。観葉植物など緑を効率よく配置すると、安らぎが生まれ快適に過ごせます。
また、応接室や受付など他社の方が訪れるスペースでは、蛍光灯ではなく太陽光に近い暖色系の照明を使うことで、自分の顔色をよくし、お客様に対し好印象を与えることができます。

まとめ

パーソナルカラーは、色を明るさや彩度といった色調によって自然界の四季に分類し、その中から自分に最も適した色を見つける、という考え方です。ファッションやメイクにはもちろん、ビジネスシーンでも活用できるパーソナルカラーは自分のパフォーマンスを高めることにも役立ちます。
自分に合ったパーソナルカラーを知ることで、プライベートでもビジネスでも自分の魅力を最大限に引き出してみませんか。

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