仕事をスムーズに回すための「段取り力」を鍛える
公開:2020年06月24日
どんな職場にも「問題が起きたとき、焦らず冷静に対処できる」、「大量の仕事も難なくこなしてしまう」というような「仕事ができる人」が、一人はいると思います。一般的に仕事ができると言われる人は、そうではない人と一体何が違うのでしょうか。その差は、仕事を効率よくこなすためのちょっとしたコツにあります。そのコツこそが「段取り力」です。
このコラムでは、段取り力の高い人の行動や、段取り力を高めるポイントなどをご紹介していきます。
なぜ段取り力が重要なのか
「段取り」という言葉には、以下のような意味があります。
- 物事を運ぶための順序や手順
- うまくことを運ぶために前もって準備をすること
- 心構えをすること
では、「段取り力」とはどのような力なのでしょうか。
段取り力とは、仕事に限らず物事を効率よく進めるために「先を読んで考え・行動できる力、先を読める力」と言うことができるでしょう。日々の仕事を進める上で、段取りをしてから進めた場合とそうでない場合とでは、仕事のスピード・精度・達成感に大きな差が生まれるはずです。段取り力を発揮して仕事をうまくこなすことができれば、周りから高い評価を得ることができるのはもちろん、無駄な残業をすることも減り、プライベートの時間を確保することにもつながります。
特に働き方改革が叫ばれている現在においては、多くの企業で作業の効率化が課題となっています。仮に就業時間を短くしようとする動きがあっても、働く時間が短くなっただけで仕事量は変わらないという方も多いのではないでしょうか。そうなれば、残業ができない分、翌日また翌日と仕事が増えて行く一方です。しかし、段取り力があれば就業時間内で業務をこなせる日も増えるでしょう。
また、段取り力を高めることで心に余裕が生まれます。その結果、周囲に気を配ることができたり、スキル向上に時間を充てることができます。さらには、ワンランク上の仕事にチャレンジする機会に恵まれるなど、活躍の場を広げることにもつながるでしょう。
段取り力が高い人の特長とは
ここでは、段取り力が高い人の特長をご紹介していきます。それぞれの特長が自身に当てはまるか、見ていきましょう。
• 気配り上手である
仕事は自分の力だけではなく、周囲の協力や関わりの中で進められるものです。それを知っている人は、日頃のコミュニケーションを大事にしています。
気配り上手な人は周囲の状況を観察しており、状況の変化に敏感です。困っていそうな相手には積極的に声を掛けたり、雰囲気を良くするために業務外のイベントを企画したりするなどして、社内・社外問わず信頼関係を構築するためのコミュニケーションを取ることができます。
こうした周囲への気配りが、結果的に「段取り力の形成」につながっていくのです。
• 柔軟な対応ができる
仕事を進めるうえで予想外のトラブルはつきものです。トラブル時に適切な対処ができることも段取り上手の特長の1つでしょう。段取り上手な人は、トラブルが起こることを想定し、対応ができるように準備をしています。また、スケジュールをこなすことに固執するのではなく、目的の達成を第一に考えて計画を立て直すことができるのも段取り上手の特長です。
• 先を見据えた想定ができている
段取りを立てることと、先を見据えて動くことは同義です。そのため、段取り力が高い人は、目標達成までに必要なプロセスを組み立てることができます。また、起こり得るトラブルや、トラブルが発生した場合のリカバリ方法などを、ある程度イメージをすることができます。
• 周囲へのアンテナ感度が高い
段取り力が高いということは、計画性があるということでもあります。計画を立てる際に情報は必要不可欠です。例えば、ご飯を食べに行くという予定を立てる際に、どこにどんなお店があるのかという情報を知っていなければ、予定は立てられません。
段取り力が高い人は普段からあらゆる方向にアンテナを張り、情報集めの感度を高めています。そうして蓄積した情報を活かして的確な段取りを組むだけでなく、いざという時に適切な行動が取れるのです。
段取り力を高めるための5つのポイント
段取り力は、仕事に限らず物事を効率よく進めるうえで必要となる能力です。では、その段取り力を高めるにはどうすればよいのでしょう。ここでは、段取り力を高めるために押さえておきたい5つのポイントを、ご紹介します。
(1)仕事の目標や目的をハッキリさせておく
いざ段取りを組もうと思っても、ゴールがなければそこまでの道筋もつくりようがありません。そのため、まずは目標や目的をハッキリさせるところからはじめてみましょう。
例えば、
- ○○日までにこの仕事を終わらせる
- 営業のためにアポイントメントを○件取る
- プロジェクトの計画を○○日までに立案する
など、何事にも終着点は存在します。
いつまでにその目的・目標を達成する必要があるのか、そしてその重要度をハッキリさせることで、優先度の高さや行うべき作業が見え、段取りが組みやすくなります。
(2)仕事に優先順位をつける
段取り力を高めるには、仕事に優先順位をつけることも重要です。どの仕事であっても、自分にとっては優先度が高いと考えてしまいがちです。しかし、期限や重要度、相手(チームのメンバーや取引先企業など)の協力が必要かそうでないかによって、優先度の高さは変わってくるはずです。
まずは、任されている仕事それぞれに優先順位をつけ、明確にしましょう。そして、ざっくりとしたレベルでも良いので、全体のスケジュールを立てましょう。仕事の全体像を把握することで、期限に間に合わなかった、そもそも仕事を忘れていた、といった混乱を避けることもできるでしょう。
また、緊急性が低いとされる仕事であっても、長期的な成果や最終的な目標にとって重要なものであれば、優先度を上げる必要があることも覚えておきましょう。
(3)取りかかる前に一度落ち着いて準備を
段取り上手は、事前準備がしっかりしています。いきなり作業に取りかかるのではなく、その前に一度落ち着いて以下のような準備をするようにしましょう。
- 仕事を行う手順を具体的に想像する
- 時間ごとに区切ったToDoリストを作成する
- 業務で起こり得るトラブルを想定してみる
「段取り八分、仕事二分」という言葉を聞いた方も多いかと思います。まさにその言葉どおり、目的を達成するためには段取り(事前準備)がとても大切だということです。
(4)メモを取る
メモを取ることはうっかり忘れやミスを防ぐだけでなく、自分の考えを整理することにも役立ちます。また、急に仕事を中断しなければいけなくなっても、メモがあることで再び中断前の考えを呼び起こすことができるでしょう。
メモを取る習慣がないと、どうしても面倒に感じてしまうかもしれません。しかし、これも段取り力を高めるポイントのひとつです。少しずつでも、メモを取る習慣を身につけていきましょう。また、先々の仕事で役立ちそうな案が生まれた時もメモを取っておくことで、結果的に効率よく立ち回ることができるようになるため、おすすめです。
(5)迷ったら簡単なことから片付ける
ある程度優先順位をつけていても、どれから手をつけてよいか悩んでしまう場面もあるでしょう。そんなときは、得意な作業や短時間で終わる作業、単純な作業から手をつけて終わらせてしまいましょう。
できることから終わらせることでやるべき仕事の数が減り、精神的な余裕も生まれるでしょう。また、悩むだけで何もできなかったでは、無駄な時間を浪費するだけです。少しでも前に進むためにも、手は止めないことがポイントです。
まとめ
段取り力は、先を読んで考え・行動できる力であり、先を読める力です。仕事を効率よく進め自身のレベルアップを目指すと共に、周囲の仕事環境をも改善することができる段取り力は、是非とも身につけておきたい能力のひとつと言えるのではないでしょうか。
段取り力を身につけたいという方は、今回ご紹介した5つのポイントを実践してみましょう。また、日頃から周囲とのコミュニケーションを意識して取ることも、心がけてみてはいかがでしょうか。「観察力」「気配り」「傾聴力」などが身につき、段取り力をさらに高めることに繋がりますよ。
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