「コミット」とは?正しい意味を知り、コミットできる人を目指す
公開:2020年11月18日
「コミット」とは一般的には「約束する」という意味で使われる言葉ですが、最近耳にする機会が増えたと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。主にビジネスシーンで使われることが多いですが、言葉の意味をしっかりと理解しないまま使っている方も多いかもしれません。
どのような言葉にも当てはまることではありますが、理解が曖昧なままでその言葉を口にすると、大きな認識違いから後に大きなトラブルへ発展する可能性があります。「コミット」も同様で、安易にこの言葉を発言することは、物事を安請け合いするのとほぼ同義とも言えます。
このコラムでは、コミットという言葉の意味やコミットする際のポイントについてご紹介します。言葉の理解を深め、ワンランク上のビジネスパーソンを目指しましょう。
「コミット」関連の言葉の意味とは
「コミット」とは英語の「コミットメント(commitment)」を略した言葉で、ビジネスシーンでは一般的に「結果を約束する」、「積極的にかかわる」といった意味合いで使われます。単純な約束ではなく、責任を持って約束をするといった重みのある言葉であるため、使用の際には相応の心構えと取り組む姿勢をもつ必要があるでしょう。
コミットはビジネスシーン以外でも、IT業界や政治の世界でも使われることがあります。IT業界でのコミットは「トランザクション処理の結果を確定させること」であり、政治の世界では「公約」、「確約」、「関与」などの意味で使われ、ビジネスシーンとは意味が変わるため注意が必要です。
• 「コミット」と「プロミス」の違いとは
コミットと同じく、約束するという意味合いの言葉に「プロミス」があります。この二つの言葉の違いは、言葉の中に含まれる責任感や気持ちの持ち方などに違いがあります。
コミットを使う場合は、より積極的な姿勢や責任をもって約束する、気持ちの上で約束するという意味あいです。反対にプロミスは、言葉で形式的に約束するという意味合いがあるため、仕事での成果を約束する場合にはコミット、プライベートの約束をする場合はプロミスのように考えるとわかりやすいかもしれません。
• フルコミットとは?
「フルコミット」とはコミットの最大表現を指す言葉です。「最大限の努力をする」、「全責任を負う」といった意味を表しており、コミットをより強調する言葉のため使用する際には事前に十分な検討をする必要があるでしょう。フルコミットは限度いっぱいという意味のフル(full)とコミットをつなぎ合わせた和製英語なので、英語のビジネスシーンでは伝わらないことも覚えておきましょう。
• オーバーコミットとは?
「オーバーコミット」とは越権行為を意味し、担当の範囲を超えて介入したり余計な指示をしたりすることを指します。また、IT業界では「CPUやメモリのリソース量が、複数のプログラムを使用した際に不足する状態」を表し、ビジネスシーンとは意味が変わるため注意が必要です。
「コミット」の使い方
コミットは「責任感の伴った約束」や「積極的にかかわる」などを意味しますが、ビジネスシーンにおいてどのような使い方が正しいのでしょうか。例文を見ていきましょう。
• 「プロジェクトの成功をコミットする」
コミットを「責任をもって約束する」といった意味で使用した際の例文です。わかりやすく言い換えると「責任をもってプロジェクトの成功を約束します」という意味になります。このようにコミットを使用した場合、結果への期待値が大きく求められます。
• 「次のプロジェクトにコミットする」
こちらの場合は「積極的にかかわる」という意味でコミットが使用されています。わかりやすく言い換えると「次のプロジェクトに積極的にかかわります」という意味になります。単純にプロジェクトに参加するのではなく、責任をもって積極的にプロジェクトにかかわるという強い意志を伴った表現です。
• 「コミットできる人」
コミットできる人とは「責任をもって仕事に携わり結果が出せる人」を指します。自分の言葉に責任を持っており、意欲をもって成果を出せる人であり、さらに周囲からの信頼も得られている人を「あの人はコミットできる人だな」などと表現します。ビジネスシーンの中でコミットできる力を持つことは、とても重要な力であるとも言えます。
コミットする際の5つの心構え
ビジネスシーンでコミットという言葉を使う以上は、それ相応の心構えが必要です。責任を負うということにプレッシャーを感じてしまう方も多いかもしれませんが、コミットするために必要な心構えは決して特別なものではありません。ではどのような心構えをもつことがコミットにつながるのでしょうか。
• 自分自身の能力を信じる
コミットするためには、当然のごとく成果や結果などを出すという約束をしなければいけませんし、責任を負って約束をするからには相応の自信が必要です。
もちろん誰にでも、自分の得意な分野と苦手な分野の仕事はあるでしょう。しかし、自信が持てない人には、相手も責任を委ねようとはしません。自身を過大評価する必要はありませんが、自分自身の能力に自信をもち弱音を見せないことが、コミットへの第一歩といえます。
• 有言実行する
有言実行とは、発言したことをしっかりと実行することを意味します。つまり、有言実行ができる人は、発言に責任をもっているということです。発言した責任をしっかりと行動で果たすことはコミットの本質といっても過言ではありません。
• 責任感をもつ
コミットするということは、請け負った責任を果たすということ。そのため、コミットすると宣言した人には、責任感をもって業務に臨むことが求められます。約束した日程までに仕事を終わらせること、成果を出すために行動でることが信頼を得ることにも繋がります。コミットを実行するためには、どんな小さな仕事であっても普段から責任感をもって業務にあたることが重要です。
• 失敗を恐れずに取り組む
結果を約束した時点では、最終的に成功するか失敗するのかはわかりません。もちろん成功することを目指して取り組みますが、失敗を恐れてしまいスタートラインにすら立つことを避けていては、コミットすることからも逃げていることになります。
失敗を恐れずに一歩踏み出すこと、試行錯誤しながらも結果に向けて仕事を進めた先にコミットがあることを理解し、取り組む気持ちをもつようにしましょう。
• 成果が出るまであきらめない
コミットという言葉だけを使っても結果が出なければ信用を得ることはできません。コミットができる人は、しっかりと成果を残しています。成果を出すということは簡単なことではありませんが、成果を出すために最後まで諦めず粘り強く業務に臨むことも大切な要素です。
まとめ
ビジネスシーンで使われるコミットという言葉には、責任が伴います。そのため、コミットすることは自身をアピールするためのチャンスにもなり、自分が成長するためのチャンスにもなります。
コミットした側には相応のプレッシャーがかかりますが、その要素を見てみると「有言実行」や「粘り強さ」、「責任感」などビジネスパーソンとして当たり前に備えておくべきものばかりです。また、適度なプレッシャーは自身のパフォーマンスを向上させることにもつながるため、キャリアアップや周囲からの評価を上げるためには、日常的に大なり小なり「何かにコミットする」という意識を持っておくことが大切ではないでしょうか。
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