コミュニケーションを円滑にする聴く力・上
公開:2017年09月04日
あなたの身近には、もっと話したいと思わせてくれる、「きき」上手な人はいますか。
話を「きく」ことに長けている人の周りには、自然に人が集まり、良好なコミュニケーションが生まれます。必然的に職場でも頼られる存在となるでしょう。今回は、コミュニケーション形成にも役立つ、「きく」力について確認していきましょう。
「きく」という3つの言葉の違い
話を「きく」というと、「聞く」という漢字を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、「きく」という言葉には「聴く」「訊く」という漢字を当てはめることもできます。まずは、この3つの「きく」の違いを確認しましょう。
・聞く・・・自然に耳に入ってくる声や音を感じ取ること
・聴く・・・注意して耳を傾けること
・訊く・・・尋ねること
日本語では読み方が同じなので違いが分かりにくいですが、英語ではHear(聞く)、Listen(聴く)、Ask(訊く)というように、全く別の単語として使い分けられています。傾聴という言葉がありますが、相手の話に耳を傾け、内容をしっかりと受け止めるためには、「聞く」ではなく「聴く」ことが大切です。そして、話を聴いた後は「訊く」という作業で要点を確認し、認識の統一を図りましょう。
話し手に安心感を与える「聴く」態度
「聴く力」とは、内容を正しく理解するだけでなく、話を引き出すことも重要なポイントです。「しっかり聴いています」「内容に興味があります」という意思を態度で示すことで、相手に安心感を与え、話しやすい状況を作ることができます。さっそく具体的な態度を確認していきましょう。
・相手と適切な距離を保つ
人にはそれぞれ他人に踏み込まれたくないパーソナルスペースがあり、近づき過ぎると不快感を与えてしまいます。パーソナルスペースには個人差があるだけでなく、相手との関係性によっても変化します。親しい同僚などであれば0.5~1m程度まで、初対面や商談相手であれば1~3m程度までが、一般的な許容範囲だと言われています。反対に距離が遠すぎても話しづらいため、話し手の表情や態度から、安心して話せる距離を測りましょう。
・目線を意識する
「目は口ほどに物を言う」と言いますが、目線の位置で意思表示をすることも可能です。相手の目を見ることは大切ですが、ずっと見つめ続けていると威圧感を与えてしまいます。資料に目を落としたりしながら、時々目線を外しましょう。また、目線を相手と同じ高さにすると、親近感を覚えて話しやすくなるので、どちらか一方が立っているときは、さりげなく椅子を勧めるなどして、目線の高さを合わせて話すことを心掛けてください。
・適切な相槌を使う
話を聴いているという意思表示として、一番伝わりやすいのが相槌です。気分良く話してもらうためにも、話に同調する適切な相槌を使いましょう。肯定的な相槌は「そうですね」「確かに」「なるほど」など、バリエーションもたくさんあるので、話の内容に合わせて使い分けると効果的です。相槌で話を遮ったり、回数が多過ぎたりすると、せかしているような印象を与えてしまうので、気を付けましょう。
・手を止めて話に集中する
作業中に話しかけられると、手を動かしたまま話を聴いてしまいがちですが、相手に敬意を払う意味でも、必ず手を止めて話に集中しましょう。そして、首だけでなく体ごと話している相手のほうに向けると、真剣に聴いているという意思が伝わりやすくなります。どうしても作業を中断できない場合は、「5分だけ待っていただけますか」というように、相手に了承を得てください。場合によってはメモを取りながら話を聴くこともありますが、書く時間は最小限に留め、なるべく相手の話に耳を傾けることに集中しましょう。
まとめ
話しやすい雰囲気を作るためには、真剣に話を聴いてくれていると話し手に感じさせることが重要です。話を聴くというのは受動的な行為なので、自分では真剣に聴いているつもりでも、相手に上手く伝わらないこともあります。人の話を聴くときは、今回ご紹介したポイントを意識して、聴くときの態度を見直しましょう。
次回は「聴く力」をさらに高める方法についてご紹介します。
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