スキルアップの効果的な方法

仕事には、統率力や技術力、コミュニケーション力など、さまざまなスキルが求められます。全てのスキルを一度に習得することはできませんが、今の自分に必要なスキルを見極め、一つずつ習得あるいは向上させることが大切です。そこで、ビジネスマンに必要とされるさまざまなスキルについて、高めるポイントを見ていきましょう。

ビジネスマンにとっての必要な3つのスキル

米国の経営学者でありハーバード大学教授のロバート・L・カッツ氏が提唱した、ビジネスマンにとって必要な3つのスキルがあります。仕事を首尾よく進め、発展させていくうえで有益な理論として有名です。その3つのスキルをそれぞれに高めるコツをみていきます。

【1】テクニカルスキル
商品知識や製造技術といった実務上のスキル。担当する商品などにより必要なスキルが各人により異なりますが、下記の1~5の手順で技能を高めていくと良いでしょう。
(1)職務を全うするために必要なスキルを書き出す
(2)そこに関わる専門用語などを明確にし、内容を完全に理解する(言葉が理解できていない、曖昧に理解している状態では正確な行動に結びつかない)
(3)技術を習得し実践する
(4)上達するために練習する
(5)正確に技術を適用できているか、熟練者にチェックしてもらう

【2】ヒューマンスキル
リーダーシップや交渉力、コミュニケーションなど対人関係を円滑にし、良好な関係を築くために必要なスキル。ここでは、ヒューマンスキルの1つである「プレゼンテーション能力」を向上させるワンポイントをご紹介します。プレゼンテーションとは、自分の伝えたいことを正確に相手に伝えることですが、「伝える」のではなく「伝わる(届く)」ことが大切です。そのためには「自分」を伝えたい情報の発信源として位置づけ、「内容」をよく整理し、「相手」に応じた表現を選ぶことです。簡単に実現する方法は、「私」を主語に話し始めてみてください。
・私は重要だと思うので…
・私はこの件を推進したいので…
とするだけで、相手の聞く姿勢が変わることでしょう。

【3】コンセプチュアルスキル
事業や組織の全体を概念的に把握して本質を捉える能力といわれ、マネジメントなどが主となる管理職に必要なスキル。「自ら課題を探す能力」や「本質を見極める為に必要な情報を収集する能力」「選択した対処法の効果を予測・評価する能力」など様々な要素がありますが、ここでは、物事や仕組みを単純化し図に表す手法をご紹介します。
それは、「Π(パイ)の字思考プロセス」と言われる方法で、「抽象化→概念化→具体化」の流れに沿って書き出す作業です。例えば「成長」にまつわる体験や出来事を思い浮かべ、「成長とは何か」を自分なりの言葉で表します。次に「成長とはどういうものか」を図や絵に表し、最後に「成長を促すための行動習慣」を3つ挙げます。この作業を行うことで、今後の自分がどう行動すべきかが具体的に表されます。そして実際に行動を起こし、経験をさらにフィードバックすることが大切です。

タイムマネジメントがKEY

スキルアップを図りたいと考えていても、多忙な業務に追われていてはその時間と精神的な余裕が持てません。そこで、活用したいのがタイムマネジメント。日々を管理することで、スキルを磨く時間を作ることが可能です。

・今抱えている業務を書き出す。頭の中のことをノートなどに書き出すことで、視覚化でき整理しやすくなる。
・優先順位と納期などの期限を明確にし、1週間や1ヶ月という単位で計画を立てる。
・To Doリストを作成し、各業務の所要時間を見積もり、日々のスケジュールを決める。急な対応が入ったり、考えていたより時間を要したりすることがあるため、少し余裕を持って組んでおくと良い。

タイムマネジメントは単に日常の時間割りを決めることではなく、重要な事柄に対してどう時間を配分するかを試行錯誤する作業であるため、計画的に物事を進める能力などが高まります。

スキルアップするためのモチベーションを継続させる方法

スキルアップには、成果が出るまでモチベーションをキープすることも重要な要素です。そこで、道半ばで終わらないために下記のような方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。

・目標を達成した場合と未達成の場合のメリット・デメリットを書く。
・いつまでに目標を達成すると決め、友人や同僚に宣言する。
・目標達成のプロセスを楽しむ。

まとめ

スキルアップは仕事をするうえで有益なことですが、人間力を高めることにもつながります。自分が必要とするスキルを見極め、自分に適した方法を見出し、スキルを高めていくようにしましょう。

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