ICT化に係る介護報酬見直しに向けて
2025年には団塊世代が75歳以上になるなど、今後ますます要介護者の増加が見込まれますが、介護現場では人材不足が問題になっています。そのような背景もあり、厚労省社会保険部会は、これら課題への対応として、介護事業所のICT(情報通信技術)化を目指しています。
さらに、平成30年の介護保険制度改正に当たり、介護事業所が取り組むICT化を評価して、介護報酬に反映させようとする動きがあります。
そこで今回はICT化によるメリットと、ICT化をさえぎる要因、今から準備できる対策について、ご紹介します。
ICT化による介護現場でのメリット
介護現場でのICT化といえば、介護ロボットの導入や次世代予測型見守りシステムなどが挙げられます。
また、介護職員の日常業務をシステム化することもICT化といえます。
職員同士が利用者に関するデータを共有することで、ケア状況を正確に伝達したり、センサー類で職員の作業負担を軽減したりするなど、ケアを受ける要介護者にとっても多くのメリットがあることは明らかです。
ICT化の普及をさえぎる壁
ICT化で多くのメリットがあるのはわかっていても、多くの介護現場ではなかなかICT化が普及しないのが現状です。その理由には、次のような点が考えられます。
・システム化にかける資金の余裕がない
運営資金に余裕のない事業所では、必要だとわかっていても、なかなか導入できないというところも少なくないようです。
・職員によってはシステム化により仕事のやり方が変わることに懸念がある
パソコンなどを使いこなすことに抵抗を感じない職員は、システム化によって業務が変わることにも抵抗を感じないことが多いようです。しかし、これまで続けていた作業のほうがやりやすいと感じる職員もいます。そのような職員にはシステム化のメリットがなかなか理解されにくく、結果としてICT化が進まないという事業所もあるのです。
ICT化に向けて介護現場が今から準備できること
平成30年の介護保険制度改正ではICT化が評価され、介護報酬につながると考えられます。さらに、国は今後、これまでに蓄積してきた介護保険総合データベースと、医療情報データベースを連結させ、ビッグデータとして活用していく方向で検討しています。このようなことからも、今後は積極的にICT化に取り組んでいきたいものです。
そこで、今から介護現場でできることとして考えられるのは、ITスキルに合わせたシステムの導入です。
例えば、手書き書類などのアナログ作業に慣れていて、パソコンなどの扱いに馴染めない職員に対しては、比較的扱いやすいスマートフォンやタブレット端末などから導入してはいかがでしょうか。抵抗の少ない機器から入っていけば、早く慣れることができ、システム化のメリットを感じてもらうことができます。
このようにITスキルに合わせ、職員が一丸となってシステム化に取り組めば、利用者情報など必要なデータを一元管理するメリットが得られ、ICT化に取り組む事業所として評価されるようになります。比較的、導入費用が抑えられるものから導入して、来る平成30年の制度改正に備えてはいかがでしょうか。
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