進んでいますか?薬局のICT化

2025年に迎えると言われる超高齢化社会に備え、2020年までにICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)や、AI(Artificial Intelligence:人工知能)を活用した医療提供体制の再構築と地域包括ケアシステムの構築が求められています。国が提唱する医療等分野のICT化推進に対し、薬局が取るべき進路はどこにあるのでしょうか。

医療の現場における「2025年問題」

「平成28年版高齢社会白書」によると、2025年には65才以上の高齢者が3,658万人(人口比30.3%)、75才以上は2,179万人(同18.1%)となり、超高齢化社会に突入する見込みです。一方、現役世代の減少に伴い、近い将来1人の若者が1人の高齢者を支える状態になる可能性が出てきています。

超高齢化社会において質の高い終末期ケアを実践するために、政府では病床の再編や介護サービスを見直し、利用者の負担増とサービス供給の抑制を行っていく方針を打ち出しました。これにより、外来患者の動きが変わると想定されます。

急速に進む薬局のICT化

厚生労働省は患者本位の医薬分業の実現に向け、現在の薬局を患者本位のかかりつけ薬局に再編する「患者のための薬局ビジョン」を2015年に策定しました。
このビジョンでは、「ICTを活用した服薬情報の一元的・継続的把握」や、「医療機関をはじめとする関係機関との連携」などを挙げ、2020年には「医療介護ICT本格稼働」を目標としています。

その前段階として、2018年に「医療等ID」の段階的運用と「医療連携ネットワーク」を全国規模に拡大することを予定しています。さらに、保健医療データプラットフォームは本年度中に実証事業の開始が予定されています。

ICT化によって、あらゆる薬局で活用可能な電子版お薬手帳の普及や、医療等分野におけるIDを基礎とした服薬情報のオンライン化が加速すると見られ、患者さんの同意の下での受診情報や検査情報の確認や、服薬管理を徹底できる環境が整うことになります。

ICT化で変わる医療サービス

ICT化と医療連携ネットワークの拡大により、様々なサービスの開始が予定されています。

具体的には

・医療等ID
・被保険者資格確認
・オンライン請求
・地域医療連携(広域接続を含む)
・電子処方せん

などです。

これに伴い、薬剤師は電子処方せん等での電子署名などHPKI(Healthcare Public Key Infrastructure:医療従事者の資格を証明する電子証明書)での認証が必要となってきます。

今後は電子お薬手帳や生活習慣病の個人疾病管理など患者・個人がICTを活用し自らの医療・健康情報を一元的、継続的に管理し利活用する仕組みの普及に伴い、患者さんへの在宅訪問指導も増えていくとみられます。ICT化と医療連携ネットワークの拡大によって、医療の現場が大きく変わってくるのです。

まとめ

医療・介護分野でのICT活用は急ピッチで進められています。一方で、「身代金ウイルス(ランサムウエア)」などの被害が相次いで報告されるなど、セキュリティーの強化も急務となっています。ランサムウエア等のマルウエア(※)は、毎月、世界全体で1,200万近くの新種が発見されています(2016年度調査時点)。一般的なウイルス対策ソフトも常に最新の対策を講じてはいますが、いたちごっこが続いており、日々脅威に晒されているのが現状です。

※マルウエア…コンピュータウイルスやワームなど悪意あるソフトウエアの総称。

今年の5月に施行された改正個人情報保護法では、病歴を含む医療情報は要配慮個人情報となり、これらの情報漏えいに関し罰則が科せられる可能性があり、十分に配慮することが求められています。そのため、薬局でも“セキュリティー確保”を前提にしたネットワークの構築が求められます。

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