医師・薬剤師資格証「HPKIカード」の準備はお済みですか?電子処方箋に必要なHPKIカードについて

公開:2017年09月04日

更新:2023年04月19日

間もなく迎える超高齢化社会に向け、医療介護分野でのICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)化が求められています。このICT化に伴い、2023年1月より"電子処方箋"の運用が開始されました。電子処方箋の運用を行うためには、医師・薬剤師として資格を証明するHPKIカードが必要です。

本コラムでは、HPKIカードの概要や医療DXとの関係性、医師や薬剤師はどのような時にカードを使うのかなどを解説していきます。本コラムを、HPKIカードの理解を深めることに役立てていただければ幸いです。

このコラムを読んで分かること

  • HPKIカードとは何か
  • なぜHPKIカードが必要なのか
  • 医療DXとHPKIカードの関係性は何か
  • HPKIカードを利用するシーンはどんな時か

【目次】

  • 医師・歯科医師・薬剤師資格証「HPKIカード」とは
  • 医療DXとHPKIカードの関連性
  • HPKIカードの利用シーン

医師・歯科医師・薬剤師資格証「HPKIカード」とは

HPKI(Healthcare Public Key Infrastructure:保健医療福祉分野の公開鍵基盤)カードとは、医師や薬剤師としての資格を有していると証明するための物理的なカードです。HPKIカードにはICチップが内蔵されており、医師・薬剤師・看護師など27種類の保健医療福祉分野の国家資格と、院長・管理薬剤師など5種類の管理者資格を認証することのできる、厚生労働省の認めた電子証明書が格納されています。

HPKIカードは、2023年1月からスタートした電子処方箋への署名をするためにも重要となっています。資格証の信頼性を確保するため、HPKIカードの受取は本人が地域の医師会や薬剤師会へ受け取りに行くこととなっています。

医療DXとHPKIカードの関連性

2022年に掲げられた「医療DX令和ビジョン2030」の中には、「全国医療情報プラットフォーム」の創設があります。全国医療情報プラットフォームとは、これまで医療機関や薬局等で個々に管理していた健康医療情報を有機的に連結させ、そのデータを利活用して効果的・効率的な医療・介護サービスの提供を目指すことを目的とした施策です。
超高齢化社会へと突入する日本で暮らす人の健康と医療を支えるために重要となる、このプラットフォームへのアクセスに必要となるのがHPKIカードです。

始まったばかりの電子処方箋だけでなく、電子カルテの普及などにもHPKIカードは必要なツールであり、今後の医療DXを進めるために欠かせない仕組みのひとつなのです。

HPKIカードの利用シーン

HPKIカードは、資格証明として使えるだけではなく、以下のようなシーンでもHPKIカードが利用できます。

  1. 身分証としての利用シーン
    • 採用時の資格確認(医療機関等の採用)
    • 災害時の資格確認(災害時における医療チーム派遣時など)
  2. ITでの利用シーン
    • HPKI電子署名(電子処方箋、医療文書保管、医療文書交換)
    • 講習会受付 (医師資格証向け出欠管理システム)
    • 研修会受講履歴・単位管理
    • ログイン認証 (地域医療連携、ITシステムへのログイン認証)

特に、カルテなどの医療文書が紙前提で運用されてきた医療業界にとっては、「電子化された医療情報文書に対する署名」が行えることで、保管や検索に関する業務の効率化や紛失などのリスクから解放されるだけでなく、保管文書の改ざん防止などのメリットがあります。
医療文書の保存義務が長いものでは10年以上とされているものもあるため、保管場所の確保だけでもコストに影響するでしょう。
電子的に保管・管理するシステムとHPKIカードを組み合わせることによって、効率的かつ負担を軽減しながら医療情報文書を管理することが可能になるのです。

まとめ

医療介護ICTの環境が整うと、地方の病院との連携や電子お薬手帳の普及など、個人の医療情報をオンラインで一括管理できるとされています。患者さんの医療記録の確認や服薬管理の徹底など様々なメリットがある一方で、オンライン上で管理される文書に対し虚偽の入力や書き換えなどがされないよう、真正性を確保するための対策が重要です。

三菱電機グループでは、長年に渡り電子署名技術を培ってきました。そして当社では、診療情報提供書(紹介状)や訪問看護指示書、服薬情報提供文書、文書保存など法的に署名、捺印が必要な医療関連文書の電子化と真正性の確保が可能な電子署名サービス「MELSIGN」を提供しています。
今回のコラムでご紹介したHPKIカードを用いた電子署名に対応している他、電子処方箋の運用にあたり、更なる利便性を実現するカードレス電子署名(※)にも対応する予定です。
厚生労働省策定の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に則った、電子的な原本保存が可能ですので、安心してご利用いただけます。
詳しくはサービスページをご確認いただき、担当者までお気軽にお問い合わせください。

電子署名サービス MELSIGN

<このコラムのPOINT>

  • HPKIカードとは、医師や薬剤師の資格を有していることを証明するための電子証明書
  • 医療DXの第一ステップとして、HPKIカードの取得が求められている
  • 証明証として使える他、電子処方箋をはじめ電子化された医療情報文書に対して署名ができる

「カードレス署名」:物理的にHPKIカードをICカードリーダーにかざして署名するローカル署名に対し、カードレス署名では第三者が提供する鍵管理サービスに格納された電子証明書を用いて電子署名を行う。尚、ローカル署名・カードレス署名ともにHPKIの仕組みを活用する為、HPKIカードの発行申請が必要。

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