DX推進に必要なOODAループと貢献するソリューションとは

昨今、注目を集めている「OODA(ウーダ)ループ」という意思決定モデルをご存知でしょうか。
「OODAループ」は、環境の変化に柔軟に対応しスピーディーに正しい意思決定を行うために「みて、わかり、きめて、うごく」をわかりやすいフレームワークとしてかたちにしたものです。コロナ禍で先行きが見えず、長期的な計画や数値目標だけでなく直近の計画さえ立てづらい今、その重要性が認識され始めています。また、OODAループを活用することはDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進においても有効であり、高い効果が期待できます。

今回は、意思決定の重要な鍵となるOODAループについて、PDCAとの違いも交えて詳しく解説します。製造業におけるDX実現とOODAループの関係性についてもご紹介しますので参考にしてみてください。

このコラムを読んで分かること

  • 意思決定フレームワーク「OODAループ」の概要
  • 企業や個人が「OODAループ」を活用するメリットと注意点
  • 製造業において「OODAループ」を活用しDX実現を果たすためのソリューション

OODA(ウーダ)とは?今の時代に求められている意思決定モデル

「OODAループ」とは、アメリカ空軍のジョン・ボイド大佐によって提唱された意思決定方法です。もともとは米国空軍パイロットが戦況に応じて素早く適切な判断ができるように考え出されたもので、その後、戦場だけではなくビジネスや政治など様々なシチュエーションでの意思決定プロセスにも応用されるようになりました。実際にアメリカのシリコンバレーにある多くのIT企業でもOODAループは取り入れられており、近年注目されています。

OODAループの「OODA」とは、「Observe(観察、情報収集)」、「Orient(状況、方向性判断)」、「Decide(意思決定)」、「Act(行動、実行)」の頭文字をつないだ言葉で、スピーディーに意思決定を行うための4つのステップを表しています。
この4つのステップを繰り返し実践すること、また、決まった方向に回すだけでなく、どこからでも1つ前のステップや2つ前のステップに戻して回すことから「OODAループ」と呼ばれています。

Observe
(観察、情報収集)
状況、疑問、懸念に関する情報を集め観察する。
多くの情報を収集したほうが良いが、「どんな情報を重視して収集するか」を意識することがポイント。
Orient
(状況、方向性判断)
状況を理解し、今後どうするか考え仮説を設定する。
Observeで得られた情報を分析し見通しを立てるためには、様々な視点で見ることがポイント。
Decide
(意思決定)
継続、変更、停止、施策などを決定する。
立てた仮設を「やるのか、やらないのか」を、あまり迷わずに決断することがポイント。
Act
(行動、実行)
決定事項を実行する。
決断した以上は、必ず行動することがポイント。

OODAループの4つの要素の中でも特に重要なプロセスされているのが、2つめの「Orient(状況、方向性判断)」です。OODAループの提唱者であるボイド大佐は、Orientを「Big O」と呼んでいたとされています。これまでに得た経験や知識、持っている技術等を活かして方向づけを瞬時にできるようになると、OODAループを高速化させることが可能となります。

OODAループとPDCAサイクルの違いとは

さて、OODAループと似たフレームワークに「PDCA」があります。PDCAは「Plan(計画)」、「Do(実行)」「Check(検証)」、「Action(行動)」、それぞれの頭文字を繋げた言葉です。PDCAは、まず計画を立ててから行動するサイクルで、各部門のビジネスモデルに合わせて業務改善を行うのに最適な手法とされています。
主に製造現場などの生産性を上げるために利用され、実践前にしっかりと検証を行うため比較的長期的な活動期間が必要とされています。また、結果が反映されるまでに時間がかかるという点がありますが、組織で計画を立てゴールを目指すことで、従業員それぞれの役割が明確になり、業務改善に向けた課題や問題を具現化する能力が高まると言われています。

一方、OODAループは「観察、情報収集」による現状確認、つまり環境や状況の変化から一連の流れが始まります。事実ありきでループすることから、スピーディーに正しい意思決定が必要な場面などで利用される手法で、市場やニーズの変化が大きい時代に適しています。また、OODAループは、計画を立てるステップがないため、情報収集から意思決定までを高速で進むことができます。
さらに、OODAループは何度も繰り返し回すことで、正しい意思決定を短時間で行える能力が高まります。能力が自信に繋がり、都度変化する状況においても臨機応変に対応できるところにOODAループの意義があると言えるでしょう。

消費者ニーズが多様化し、これまでのビジネスモデルがそのまま通用しない不確実な時代となった今。迅速かつ柔軟な戦略立案と実行が求められる時代だからこそ、OODAループが注目されていると考えられます。

企業や組織におけるOODAループ活用のメリットと注意点

OODAループをビジネスで活用することは、企業や組織においてどのようなメリットがあるのでしょうか。OODAループを運用する上で注意すべきポイントについても、あわせて解説します。

OODAループのメリット

OODAループの一番のメリットは、柔軟性です。
状況に応じた意思決定を臨機応変に行うことができるため、スピード感のある意思決定が必要な場面での活用に適しています。経営層やマネジメント層だけではなく、むしろ現場に近い実務担当者こそが活用すべきフレームワークと言えるでしょう。また、一定方向に回すだけではなく、状況の変化によってはどこからでも前に戻し、都度修正を行うといったサイクルを高速で行えることは大きなメリットです。

企業内での変革や発展は、必ずしもトップダウンで行われるものとは限らず、ボトムアップ型のアプローチによって達成されることもあります。また、DXの実現までには試行錯誤がつきものであり、様々なアクションを繰り返しながら自社にとって最適な道を辿っていく必要があります。そういった意味でも、OODAループは現代社会の企業活動に求められるフレームワークであり、DXの推進においても有効だと考えることができます。

OODAループの注意点

OODAループを活用する際に注意すべき点としては、共通認識となる明確な目的が設定されていないと機能しないということです。
そのため、企業や組織単位でOODAループを機能させるためには、目指す目標についての合意形成が重要なポイントとなります。合意形成がなされていない場合、OODAループは単に目前の状況に対応するだけのモデルになってしまう可能性もあります。しかし、変化が激しい現代社会においては、明確な数値目標が立てにくい状況にあることも事実です。そのような中でOODAループが目指す目的を設定するには、企業が担うミッションや社会における存在意義も含めて考えることが重要と言えるでしょう。

製造業の生産現場でのOODAループの使い方

OODAループの活用は様々な業種において有効ですが、OODAループを製造業の生産現場で用いた場合、どのような改善が見込めるのでしょうか。
例えば、製品Aの生産計画を立て指示通りに生産ラインが動いたとします。生産ラインの作業進捗を把握しつつ月末を迎えた結果、生産実績とのズレが生じていたことに気づきました。その後、原因を分析し計画を変更、改めて生産計画を見直した…ということがあったとします。
これがOODAループですと、以下のようなイメージになります。

  • 製品Aの受注状況・生産ラインの作業進捗・設備の稼働状況・在庫状況等のデータを収集
  • ある工程で進捗遅れが発生しており、このままでは予定した生産実績に届かないことが判明
  • 直ちに生産計画を変更し人員配置の見直しを決め実行

OODAループでは、見るべき情報や変化を捉えるポイントが異なっているのが、おわかりいただけると思います。その結果、臨機応変な見直しができており、スピーディーなキャッチアップが可能となるのです。

製造業におけるDX推進とOODAループに有効なソリューション

先程ご紹介したOODAループの例では様々なデータを収集していましたが、このデータが全て紙媒体だとしたらどうでしょう。あるいは、手書きの記録を連携していない別々のシステムに入力しているのだとしたら、どうでしょうか。おそらく、状況を分析し仮設を立てるまでには、時間がかかるでしょう。また、誤記などでデータ精度が落ちている可能性のある中で見通しを立てることは、難しいはずです。

では、本当の意味で製造業にOODAループを取り入れるには、何が必要なのでしょうか。
それは、「今後の戦略を立案するために必要な情報がリアルタイムで得られる仕組み」と、「即座に実行できるようサプライチェーンの中でデータが流れる仕組み」です。そして、実はこの状態は、「製造DXが実現されている」ともいえるのです。
具体的に、製造DXの実現には以下のような仕組みが工場全体に導入されていることが、望ましい状態です。

  • 生産プロセスに関する設備や機器の稼働状況が、センサー・IoT・ITの活用により“見える化”されている
  • サプライチェーンの中で生産計画や進捗などの情報が分断されることなく流れる仕組みがある
  • サプライチェーン全体で流れる情報が、エンジニアリングチェーンにもフィードバックされる仕組みがある
  • 情報を様々な角度から分析、解析できるシステムが導入されている

上記のように工場全体が最適化され、自社の強み・技術を活かす方向性や判断がすぐにバリューチェーンに反映される状態を構築することは、決して容易ではないでしょう。
DXの推進は経営戦略です。そして、単なるIoT設備の導入と比べて、DX全体に関わる導入コストが見えにくいといった面もあります。経営資源の配分やコントロールを含めた、DX推進の旗振り役を経営者自らが担う必要があり、覚悟も必要でしょう。

当社では、生産管理を中核として、製造実行(MES)領域だけでなく生産現場の最適化を実現する「製造業様向け業務ITソリューション」をご提供しております。情報の収集・管理・連携といったシステム的な部分だけでなく、様々な情報をいかに経営に結びつけ改革していくかといった改善提案・運用サポートもお手伝いさせていただいております。
ご経営者様と共に、工場全体の最適化、製造DXの実現に取り組ませていただきますので、ぜひおまかせください。

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まとめ

環境の変化に柔軟に対応し、スピーディーに正しい意思決定を行うためのフレームワーク「OODAループ」。目まぐるしくビジネス環境が変わる今、誰かの指示を待つのではなく、現場の判断で動くことを目的として誕生した「OODAループ」を回すことは有効であり、企業としても柔軟な対応が可能になります。
そして製造業においては、OODAループを用いることでスピード感のある意思決定が可能となり攻めの戦略立案が可能ですが、必要な情報が収集され情報が途切れることなくチェーンして流れる仕組み作りがポイントとなります。
まさに、それこそが製造業におけるDX化であり、不確実性の時代に日本の製造業が取るべき戦略であるといえるのではないでしょうか。

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