社内wikiとは?導入のポイントからメリット、情報共有の活用法まで解説

企業の成長や業務効率の改善、昨今ではテレワークの導入なども影響して、ナレッジや情報の共有をいかに効率的に行うかが重視されています。そんな中、ナレッジシェアや情報共有に有効とされているのが「社内wiki」です。

本コラムでは情報共有の重要性や社内wikiがもたらすメリット、始め方と浸透のさせ方、さらには社内wikiの具体的な活用事例についてまとめてご紹介します。社内wikiを活用して企業の業務改善に取り組みたい経営者の方やマネジメント層の方は、ぜひ参考にしてみてください。

このコラムを読んで分かること

  • 社内wikiで解決できる課題、導入するメリット
  • 社内wiki導入時のポイント5点
  • 社内wikiの活用方法

社内wikiとは

「社内wiki」とは、企業が保有する知識や情報を共有するシステムです。従業員なら誰でも編集ができ、また確認することができます。
そもそも「wiki」という用語は、ブラウザを使って内容を簡単に編集し、情報共有ができるWebページのことを指します。

また、社内wikiと似た名前のサービスに「Wikipedia」があります。Wikipediaはwikiの仕組みを用いた百科事典(encyclopedia)であることが名前の由来となっており、インターネットを利用する多くのユーザーが、何らかの調べ物をするときに使われるサービスです。
Wikipediaと社内wikiは似たようなものではありますが、内容や利用するユーザーは大きく異なります。

ここからは、社内wikiの役割や社内wikiを導入するメリット、注意点などについて見ていきましょう。

社内wikiの役割と解決できる課題例

社内wikiの役割として、従業員が保有する知識や情報を全社的に共有することや、常に最新の社内情報を確認できる状態を実現することが挙げられます。社内wikiを活用すると、次のような課題の解決が可能です。

● 部署ごとにナレッジが分散しコミュニケーションが滞る
社内の情報共有が不十分な場合、部署間・組織間のコミュニケーションに支障をきたす可能性があります。社内wikiの導入により、部署間のスムーズな情報共有が可能です。

● 異動や退職時に情報の引継ぎができていない
従業員の異動や退職時には、引継ぎが不十分で重要な情報が共有されないケースがあります。日ごろから社内wikiに情報を蓄積しておくことで、引継ぎ時の負担を減らすことが可能です。

● 従業員の教育にリソースを割くことができない
人手不足を抱える企業の場合、新人や異動してきた従業員の教育に先輩社員が注力できず、人材が育たない場合があります。社内wikiを活用することで研修の手間や負担を軽減し、効率のよい人材育成が可能です。

● 顧客への適切なサポートができていない
顧客情報や顧客との取引履歴が共有できていない場合、適切なサポートができず顧客満足度が下がってしまうリスクがあります。社内wikiの活用により、顧客の状況や要望を迅速に確認し、サービスの品質を高めることが可能です。

社内wikiを導入するメリットと注意点

社内wikiにはメリットだけでなく注意点もあるため、導入時には特徴を正しく理解するようにしましょう。ここでは、社内wikiを導入するメリット3つと注意点をご紹介します。

メリット1:業務効率が高まる
社内wikiが充実することで、社内で同じような質問に何度も答える必要がなくなります。質問する側・回答する側双方の工数も削減され、業務効率が高まります。

*注意点

社内wikiの情報が誤っていたり、古い情報が掲載されていたりした場合は、定期的なチェックや更新が必要となるなど、かえって非効率となってしまうケースもあります。

メリット2:必要な情報をいつでも検索できる
仮に社内マニュアルがあったとしても、自分が知りたい細かな情報まで網羅されていないこともあるでしょう。また、調べる作業に時間がかかってしまうケースも考えられます。社内wikiの検索機能を使うことで、必要な情報を迅速に入手することが可能です。

*注意点

検索機能を上手に使いこなせない従業員もいる可能性があります。社内wikiが使いにくいと感じられた場合、導入しても活用されないこともあるため、利用してもらうための取組も必要です。

メリット3:ノウハウの属人化が防げる
社内wikiで情報を共有することで、特定の従業員だけがノウハウを知っていることによるトラブルが避けられます。また、ノウハウを共有することで、全ての従業員の品質を高く保つことも可能となるでしょう。

*注意点

人事に関する情報や管理職が知るべき情報など、特定の役職に就いている者にしか知られたくない情報やノウハウは、社内の従業員全員が閲覧できる社内wikiとは別に保管しておく必要があります。

社内wiki導入のポイント5つ

社内wikiを導入するには、CMSやチャットツールを利用して作るか、専用のツールを導入する方法があります。ここからは、自社に適した社内wikiを選ぶ際のポイントを5つ解説します。

(1)社内wikiに求める機能や仕様を明確にしたうえで選ぶ

社内wikiを選ぶ際は、まず求める機能や仕様を明確化する必要があります。社内wikiを利用するユーザー数や、社内wikiにアップロードする情報量などを考慮して、適切なツールを導入することがポイントです。
扱う情報量が少なければ、WordPressなどが代表的なCMS(Webサイトのコンテンツ等を管理するシステム)やチャットツールを社内wikiとして活用できる可能性があります。一方、管理する情報量が膨大な場合は、社内wikiの専用ツールを導入した方が効率的です。

(2)情報の管理や検索がしやすいか確認する

社内wikiを導入する際は、情報の入力や更新、検索などの操作がしやすいかが重要となります。操作性の低い社内wikiでは使われなくなってしまうリスクがあるため、注意が必要です。
ツールを導入する際は、体験版やトライアル期間などを利用し操作性を確認したうえで使いやすい社内wikiを選ぶと良いでしょう。

(3)ITに苦手意識がある従業員でも活用できるか確認する

社内wikiで情報共有を行う際は、IT機器やパソコン操作に苦手意識がある従業員にも配慮する必要があります。少なくとも、社内wikiに掲載された情報を簡単に閲覧できることが大切です。
また、万が一、利用者の誤操作によって情報が消えてしまわないよう、編集できる権限を設定できるかどうかも選定のポイントとなります。

(4)運用コストを確認する

社内wikiを選定する際は、運用コストも重要なポイントです。専用ツールの多くはクラウドサービスとして提供されており、利用人数によって月額費用が発生する場合があります。
仮に社内wikiを自作する場合は、基本的に月額費用はかからないでしょう。ただし、社内wikiの開発にかかる人件費や、サーバーをレンタルするのであればレンタル料は必要です。

(5)セキュリティー面での安全性を確認する

社内wikiで扱う情報の中には機密性が高いものもあるため、外部に流出しないようセキュリティー面の安全性に注意が必要となります。認証方法やアクセス制御、閲覧履歴管理など、ツール毎にセキュリティー対策も様々です。自社が求めるセキュリティー要件を満たしたツールかどうかを、しっかり確認すると良いでしょう。

【項目別】社内wikiの具体的な活用事例

最後に、社内wikiを有効活用するための事例・利用例をご紹介します。こんな使い方もあるのか!という参考にしていただけたらと思います。

項目 活用事例
議事録 会議の議事録を社内wikiで管理することで、あとから情報を検索しやすくなります。また、会議に参加しなかった人も議事録を確認できるため、部署間・組織感のコミュニケーションが生まれ、業務内容の理解も深まるでしょう。
社内マニュアル ファイル形式がバラバラ、更新されずに古いまま…といった「あるけれど活用されていない社内マニュアル」を社内wikiで管理することで、最新のノウハウを全社で共有できるようになるでしょう。
用語集 業界特有、社内特有のビジネス用語を辞書のように管理することで、新入社員でも会議内容や先輩社員の発言内容を理解しやすくなるでしょう。
顧客情報管理 顧客とのやり取り、タスクを管理することで引き継ぎ漏れを防ぐことができます。
目安箱 業務の効率化や新規プロジェクトのアイデアなど、意見を気軽に投稿する場として社内wikiを活用することも可能です。
おすすめツール紹介 便利なツールを見つけたときは社内wikiでほかの従業員におすすめすると、社内全体の業務効率化につながります。

上記のほかにも、社内wikiは様々な用途で活用することが可能です。自社の課題や目標に合わせて、社内wikiの活用方法を考えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、社内wikiについて詳しく解説しました。

<このコラムのPOINT>

  • 社内wikiは情報やナレッジを共有するために役立つツール
  • 社内wiki導入時は使いやすさや機能、セキュリティーなどがポイント
  • 社内wikiは議事録や顧客情報管理などとしても活用できる

自社の生産性を上げ、競合他社よりも優位にビジネスを発展させるためには、社内の情報共有やナレッジシェアが今後より重要になってくるでしょう。そういった意味で、社内wikiは社内に散らばった様々な情報や各従業員が持つノウハウを一箇所にまとめ、共有するという点で、非常に有効なツールといえます。
導入する場合には、社内で浸透させることを意識しましょう。利用してもらい、さらに有益な情報が蓄積されてこそ、社内wikiは効果を発揮します。導入する目的を明確化し、情報共有や編集に関する最低限のルールと担当者を決めることで、社内wikiを滞りなく運用できるでしょう。
それぞれが持つ知識を財産に変え、企業の成長を促進させてはいかがでしょうか。

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