ビジネスパーソンに求められる決断力・後編
公開:2019年08月20日
前編では、決断という言葉の意味や決断できない原因を解明しましたが、いざ仕事で実践してみようと思うと、なかなか難しいと感じるかもしれません。そこで今回は、決断力を身に付けるための思考法と、仕事で活かすために4つのステップで決断までの道筋を作る、実践テクニックをマスターしましょう。
決断力を身に付けるための2つの思考法
決断を迫られるような状況に追い込まれると、誰しも少なからずプレッシャーを感じることでしょう。しかし、決断を委ねられたということは、それだけあなたの能力が信頼されている証だと前向きに受け止めることもできるのではないでしょうか。
迷いを断ち切り、自信を持って自分が正しいと思う決断を下せるようになるための、思考法についてご紹介します。
(1)決断しないことに対するリスクを考える
決断を迫られるときというのは、現状の問題を改善するために変化が求められている状況であると捉えることもできます。しかし、決断できない人は変化に伴うリスクばかりを考えてしまうため、現状維持が最善だという結論に達してしまい、決断を避けようとするのです。
そんなときは、決断しないことに対するリスクを考えてみましょう。小さな問題だと思っていたことが、放置することで修復できないほど大きな問題へと発展してしまう可能性もあるはずです。さらに言えば、決断を下さないというのも1つの決断であり、たとえ何もしなかったとしても責任は生じているのです。
現状維持によるリスクを重要視することができれば、決断することのメリットを認識できるようになるでしょう。
(2)論理的な思考でポジティブな感情を引き出す
決断力を身に付けるためには、論理的な思考と感情のバランスが取れていることが重要です。
自信がない、責任を負いたくないなどの理由で決断できないときは、感情の中でも特にネガティブな感情が先立っている状態なので、論理的な思考に意識を向けて感情とのバランスを保つことを心掛けてください。思考によって自信や情熱の根拠となる答えを見つけることができれば、「自分の決断は正しいんだ!」、「リスクはあっても挑戦したい!」というポジティブな感情を引き出すことができるでしょう。
目標達成のための決断を導く4つのステップ
仕事上で直面する決断の中でも特に難しいのは、目標を達成するための決断ではないでしょうか。例えば、「作業効率を改善してほしい」というような任務を課された場合、作業効率アップが目標になりますが、どのような方法で作業効率を上げるのか、どの程度の効率アップを目指すのか、いつまでに達成するのかなど、1つ1つの工程がまさに決断の連続です。
このような難しい状況でも決断力を発揮して目標達成し、結果を残すためには、4つのステップで1つずつ問題をクリアにしていく必要があります。
ステップ1:目標達成の期限を設定する
目標達成にまつわる様々な決断の中で、最初に決めなければいけないのが目標達成の期限です。
期限のない目標はいつまでたっても達成することはできません。いつまでに目標を達成するのかというゴールがあるからこそ、そこから逆算してプランを立てることができるため、期限の設定は目標達成の第一歩だといえます。
できれば3ヵ月後や半年後という曖昧なものではなく、年月日まで明確に設定してください。目標達成のための決断の中で、実はこの工程が一番大切といっても過言ではないでしょう。
ステップ2:選択肢を3つ作る
期限を定めた後は、目標達成のための方法を検討しましょう。ただし、この段階では候補を1つに絞る必要はありません。人間は選択肢が多過ぎると迷ってしまいますが、反対に二者択一の決断を迫られると、目先のリスクが少ない方を選んでしまう傾向があるため、ここでは3つの選択肢を用意してください。
選択肢の設定は、大きな効果は期待できないが容易に実行できるもの、ある程度の効果は見込めるが多少のリスクを伴うもの、大きな効果は見込めるが実現困難なものというように、明確な難易度の差をつけることがポイントです。
ステップ3:選択肢ごとの結果を予測する
3つの選択肢を設定したら、それぞれの選択肢によってもたらされる結果を予測してみましょう。
もちろん、どの選択肢を選んだ場合でも、目標を達成することは大前提ではありますが、例に挙げた作業効率アップという目標の場合、施策が異なれば当然期待できる改善率も異なります。どの程度の効果が得られるのか、それによって状況はどのように変化するのかということを、それぞれの選択肢ごとに予測してください。
どの選択肢を選んでも失敗する可能性はありますが、ここではなるべく良いイメージを膨らませて、最終的な決断をする前にポジティブな気持ちを高めていきましょう。
ステップ4:決断するためだけの時間を確保する
仕事や日常生活の合間に取り留めなく考えているだけでは、大きな決断を下すことはできません。最終的な決断をする段階になったら、どの選択肢を選ぶかということだけを考える時間を確保してください。
とはいえ、それほど長い時間は必要ありません。ステップ1~3で決断するための準備は整っているはずなので、1時間もあれば十分でしょう。冒頭でご紹介した決断力を身に付けるための思考法でしっかりと検討し、納得のできる決断を下してください。
まとめ
決断力を身に付けるためには、論理的思考とポジティブな感情のバランスが重要だということを、ご理解いただけましたでしょうか。ご紹介した4つのステップを実践すれば、その2つのバランスを取りながら、決断へと気持ちを高めていくことが可能です。ビジネスシーンでは難しい決断を迫られることも多いと思いますが、今回ご紹介したテクニックを実践して、身に付けた決断力を仕事で発揮していきましょう。
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