様々な産業で問題視されるコモディティ化とは?原因と脱却方法をご紹介

現在、様々な産業で「コモディティ化」が進み、日本経済に大きな影響を与え始めていることをご存知でしょうか。コモディティ化とは、マーケティング用語でもあり、企業に価格競争を引き起こすなど様々な悪循環の発端となる恐れのある現象です。本コラムでは、そんなコモディティ化の概要や原因、抜け出すための方法などを紹介します。

このコラムを読んで分かること

  • コモディティ化の概要と原因
  • コモディティ化によって起こると予想されること
  • コモディティ化を脱する方法

【目次】

  • コモディティ化とは
  • コモディティ化の原因
  • コモディティ化によって予測されること
  • コモディティ化から抜け出す方法
  • まとめ

コモディティ化とは

コモディティ化とは、市場に参入する際には価値の高かった商品だったけれども、市場が活性化した結果、商品の市場価値が低下し一般的な商品になることを指すマーケティング用語です。もともとコモディティとは「日用品」や「必需品」などを示す言葉ですが、ビジネスの場では「一般化」という意味でも使用されています。

コモディティ化が起こると、商品の機能や品質、ブランドによる差別化ができなくなるため、低価格競争が余儀なくされます。現在、多くの産業でコモディティ化が進んでおり、企業はコモディティ化から抜け出すためにも、ブランド戦略やカスタマーサービスを高めることと向き合う必要があります。

コモディティ化の原因

様々な産業で問題になっているコモディティ化の原因は、一体どういったものなのか。想定される4つの要因を紹介します。

1.商品・サービスの供給過多

類似する機能、品質を持つ商品が市場に多く出回ることで、商品需要に対して供給が上回ってしまうことが、コモディティ化の原因のひとつと言われています。
同じような商品が市場に出回ると、それを目にした顧客は商品を選ぶ基準が「価格」になってしまう場合が多くなり、企業は売上を確保するためにプライスダウンを強いられてしまいます。そうした悪循環が、コモディティ化を進める原因になります。

2.各企業の技術・サービス力の高度化

時代が進むごとに、各企業の技術・サービス力は高まり、基本的な技術力に大きな差が見られなくなってきています。もちろん、並外れた高いスキルを持った企業もありますが、顧客が求める一定のレベルに達した商品開発が可能な企業が多く存在する状態です。

そうした技術水準の高まりから競合同士での差異が縮まり、結果、コモディティ化を引き起こす原因になっています。

3.商品のモジュール化

商品のモジュール化も、コモディティ化の原因のひとつです。
モジュール化とは、ルール・規格にもとづいて標準化された部品を用いた製品開発のことを指します。企業にとっては部品を一から自社開発するよりも、モジュール化された部品を使用した商品開発の方が、費用を安価に抑えることができます。
しかしその反面、同様の部品を使用している製品と同質化する恐れがあり、コモディティ化を進めてしまいます。

4.海外からの低価格輸入

海外のいくつかの地域などでは、日本と比べ人件費などを抑えることができるため、低コストで商品を製造することができます。そして、海外から輸入された低価格の商品と国内商品が同質だと顧客が判断すれば、当然顧客は低価格な海外商品を選ぶ可能性が高まり、市場に大きな影響を及ぼすでしょう。

こうした状態になると、市場に類似する商品が多く出回っていなくても、企業は価格帯を海外商品に合わせることを余儀なくされ、結果的にコモディティ化の要因になってしまいます。

コモディティ化によって予測されること

コモディティ化が進むと、顧客の商品・サービス選びの基準が価格中心になってしまい、企業間での価格競争が起こります。そして価格競争になり商品の低価格化が進むと、企業は価格ありきの商品・サービス作りが主流になってしまいます。結果的に、商品・サービスの「無個性化」も進むことになるでしょう。

顧客にとっては、商品がリーズナブルに手に入ることは大きなメリットです。しかし、価格競争が進めば企業利益が縮小し、労働者の低賃金化や企業の倒産など、悪循環につながる恐れもあります。

コモディティ化から抜け出す方法

技術力での差別化が難しくなっている今、コモディティ化から抜け出すにはどうすれば良いでしょうか。ここからは、その方法について説明していきます。

商品・サービス以外の付加価値で差別化を図ること

コモディティ化から抜け出すためには、商品・サービス以外の付加価値で差別化を図ることが重要になってきます。
例えば、特定のターゲットに絞った商品の打ち出しが挙げられます。
チョコレートを販売するあるメーカーでは、チョコレートのカカオ配合量や糖質量などの商品の機能的価値での勝負ではなく、「受験生を応援するアイテム」という広告を打ち出して情緒的価値を高め、商品の差別化を図りました。

他にも、「自然界の風を再現する扇風機」や、「感じ良い暮らしを送るために本当に必要なものだけを商品として届ける」など、商品からストーリー性を感じる・感動や楽しさを体験できるような付加価値の提供が、差別化には大切です。

また、コモディティ化から抜け出すには、こうした情緒的価値を高めるだけではなく、企業のパーパスブランディングも重要です。パーパスブランディングとは、ブランド戦略の軸にパーパス(企業の存在意義)を置き、あらゆる企業活動においてパーパスを指針に展開していく手法のことです。持続可能な社会が国際的な目標として挙げられる今、パーパスに基づいた企業経営や活動を行う企業は、それだけで付加価値を提供できているということになるでしょう。

消費行動や時間の消耗を最小限に抑えること

商品のコモディティ化から抜け出すもうひとつは、消費行動や時間の消耗を最小限に抑えること、つまり購入までのプロセスに目を向ける方法です。

例えば、ウェブサイトからの商品購入を可能にしたり、専門店だけでなく百貨店など様々な場所で商品を販売したり。購入しやすくすることによって、顧客が商品を購入する際に要する時間やエネルギーの消耗が抑えられ、満足度が高まります。こうした取組は大きな付加価値を生み、コモディティ化の脱出につながるでしょう。

まとめ

今回は、様々な産業で問題視されているコモディティ化についてお伝えしてきました。
本コラムの内容を改めてまとめます。

<このコラムのPOINT>

  • コモディティ化とは、価値の高かった商品の市場価値が低下し、一般的な商品になることを示すマーケティング用語
  • コモディティ化の原因は、商品・サービスの供給過多や各企業の技術・サービス力の高度化、商品のモジュール化、海外商品の低価格輸入など
  • コモディティ化が進めば、顧客の商品・サービス選びの基準が変化する、商品・サービスの無個性化、低価格競争など、悪い循環を生んでしまう
  • コモディティ化から脱出するには「商品・サービス以外の付加価値で差別化を図ること」と「消費行動や時間の消耗を最小限に抑えること」がポイント

コモディティ化から抜け出すための方法としてご紹介した、商品・サービス以外の付加価値での差別化。そのひとつの手段になる「パーパス経営・ブランディング」をもっと詳しく知りたい人は、こちらも合わせてご覧ください。

「パーパスとは?定義からパーパス経営・ブランディングに取り組むポイント、実例まで紹介」を読む

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