読み手に伝わる文章力・下

報告書や企画書など、ある程度長い文章を読み手に分かりやすくまとめるのは難しい作業です。日頃から文章を書き慣れていない方は、悪戦苦闘しているのではないでしょうか。
そんな方にぜひ実践してほしいのが、「箇条書き」と「記書き」です。要点をわかりやすく正確に伝える方法として、とても効果的であると同時に、文章をわかりやすくまとめる手間も軽減できます。「箇条書き」と「記書き」を取り入れて、伝わりやすいビジネス文書を作成しましょう。

文章が格段に伝わりやすくなる「箇条書き」

難しいテクニックを使わなくても、箇条書きを効果的に取り入れるだけで、文章は格段に読みやすくなります。例えば上司にトラブル報告をメールで送信する場合、以下の2つの例文のうちどちらが読みやすいと感じるでしょうか。

<例1>
2017年7月3日(月)、〇〇株式会社の△△様より商品誤発送の連絡がありました。
すでに担当者が謝罪し、ご注文いただいた商品を再発送済みです。
原因を調査したところ、型番の入力ミスによるものでしたので、今後はダブルチェックを実施します。
ご確認の程、よろしくお願いします。

<例2>
〇〇株式会社の△△様より商品誤発送の連絡がありました。詳細は以下の通りです。

・発 生 日:2017年7月3日(月)
・対   応:担当者が謝罪後、商品を再発送
・原   因:型番入力ミス
・今後の対策:入力データのダブルチェックを実施

ご確認の程、よろしくお願いします。


伝えている情報は同じですが、多くの方が箇条書きを使用した<例2>のほうが読みやすいと感じたのではないでしょうか。箇条書きを使うと要点を簡潔にまとめることができるため、読み手が頭の中で情報を整理する必要がありません。また、要点を列挙するだけなので、文章を書くのが苦手な人でも簡単に実践できるのもメリットです。

箇条書きを応用した書式「記書き」

記書きとは、挨拶文のあとに「記」と記載し、伝えたいことを箇条書きにする書式です。要点を簡潔に伝えられるという箇条書きのメリットを生かした書式で、ビジネス文書でよく使われます。お客様に新商品発表会のご案内を送るという想定で、記書きの一例を確認してみましょう。

<記書きの一例>

○記書きの基本的なルール

(1)発信年月日:書簡を発信する年月日を記載します
(2)宛名:左上に送信先の宛名を記載します
(3)発信者:書簡の発信者を記載します
(4)タイトル:文書のタイトルを中央に記載します
(5)挨拶文:冒頭で簡単な挨拶や文書の趣旨を述べます
(6)記:中央に「記」と記載します
(7)箇条書き:要点を箇条書きにします
(8)結び:右詰めで「以上」と記述して文章を締めます

それぞれの項目の間に空白行を挿入して、読みやすくなるようにバランス良く配置してください。また、1枚でまとめられる場合にのみ用いられるのも記書きの特徴です。数枚に渡る長い資料には、記書きを使わないように注意しましょう。

まとめ

箇条書きや記書きを上手く取り入れるためのポイントは、書き始める前に要点を明確にしておくことです。それさえ気を付ければ、誰でも簡単に実践できるテクニックだと言えるでしょう。最近ではメールを利用してビジネス文書のやりとりを行うことも多いので、文章を書くのが苦手な人は箇条書きと記書きを積極的に取り入れてみてください。

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