コミュニケーションを円滑にする聴く力・下

ビジネスシーンでは、社内の打ち合わせからクライアントとの商談まで、「聴く力」を問われる機会が多々あります。前回は聴く時の態度を改善して、話しやすい状況を作る方法についてご紹介しましたが、「聴く力」を高めるためには、内容を正確に理解することや、相手の気持ちを汲み取ることも重要なポイントです。そのために必要なテクニックを確認して、「聴く力」をさらにレベルアップさせましょう。

「聴く力」を高める方法(技術編)

話し手の意図を正しく理解するためには、質問を投げかけることによって、認識に相違がないかを確認することが重要です。「訊く」ことで理解が深まれば、「聴く力」も必然的に向上します。クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを使い分けて、確認したいポイントを的確に引き出しましょう。

◇クローズドクエスチョン

イエスかノーで答えられる質問を、クローズドクエスチョンといいます。細かい事実関係の確認が必要な場合に有効です。答える側の負担が少ないため、口数が少ない相手や、会話のきっかけを掴みたい場面で使うのもいいでしょう。相手の回答を予測して、なるべくイエスと答えられるような質問を投げかけると、話しやすい雰囲気作りにも役立ちます。

<クローズドクエスチョンの一例>
話し手「来週早々には見積もりをいただけますか」
・聴き手A「承知いたしました。なるべく早めに提出させていただきます」
・聴き手B「承知いたしました。では、提出日は9月25日でよろしいでしょうか」

来週早々というのが具体的にいつまでなのかは、話し手にしか分かりません。聴き手Bのようにクローズドクエスチョンで明確にすることで、お互いの認識を統一させましょう。

◇オープンクエスチョン

オープンクエスチョンとは、話し手が自由に答えられる質問形式です。理解を深めるために、詳しい説明を促したい時などに使いましょう。本音を引き出しやすいというメリットがありますが、話しているうちに論点がずれてしまうこともあるので、確認したいポイントを意識しながら質問してください。

<オープンクエスチョンの一例>
話し手「システムを導入して現状の問題点を改善したいと考えています」
・聴き手A「現状の問題点を教えていただけますか」
・聴き手B「今の作業フローで一番大きな問題点は何でしょうか」

どちらもオープンクエスチョンですが、聴き手Bのほうがシステム導入で特に期待していることを、具体的に引き出すことができます。オープンクエスチョンはある程度の信頼関係がないと、答えづらいと感じさせてしまうこともあるので、クローズドクエスチョンで会話の糸口を掴んでから、オープンクエスチョンで理解を深めていくと効果的です。

「聴く力」を高める方法(感情編)

言葉での伝達は話し手の感情が反映されやすく、事実だけを伝えているつもりでも、無意識のうちに感情が入り混じっています。内容を正しく理解すると同時に、感情にも同調することで、話し手に安心感を与えることができます。話し手の感情を意識しながら耳を傾け、心に寄り添うような言葉をかけてあげましょう。

<感情を意識した会話の一例>
話し手「せっかくのお話ですが、昇進のお話はお断りさせてください」
聴き手A「昇進の話は断りたいというんだね」
話し手「はい」
聴き手A「私は君ならできると思っているんだよ」

話し手「せっかくのお話ですが、昇進のお話はお断りさせてください」
聴き手B「昇進の話は断りたいというんだね。できれば理由を聞いても
いいかな?」
話し手「実は、自信が持てなくて不安なんです」
聴き手B「自信が持てなくて不安に思っているんだね。
     立場が人を育てると言うし、私は君ならできると思っているんだよ」

前回お伝えした「適切な相槌を使う」と同様に、相手の感情に同調することは話しやすい状況を作るために必要です。反対意見がある場合でも、「あなたの気持ちを理解しました」という意思表示として、話し手の感情を肯定するような受け答えをしましょう。

まとめ

相手の意思を正しく理解するためには、クローズドクエスチョンやオープンクエスチョンを使って、的確な質問で話を上手に引き出すことがポイントです。また、年齢や立場に関係なく、話し手を尊重する気持ちを忘れないことが、感情に寄り添うためには大切です。今回ご紹介した方法を実践して、コミュニケーションの第一歩ともいえる「聴く力」を向上させましょう。

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