2021年の注目すべきITトレンドまとめ

2020年はDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や働き方改革に加えて、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大によって社会全体が大きく変革した年でもありました。2021年もテレワーク導入や既存のビジネスモデルからの脱却が求められるなど、企業においては従来の働き方からの変革が強く求められています。
そのような時代の中、2021年はどのようなITトレンドが世の中を席巻していくのでしょうか。今回は、5つの社会的関心が高いIT関連キーワードを取り上げてご紹介します。
時代の動向を追っている経営層やマネジメント層の方を始め、今年のITトレンドについて関心がある方はぜひ参考にしてみてください。

このコラムを読んで分かること

  • 2021年に世の中が注目する「5つのITトレンド」
  • ITトレンドを活用して求められる「これからの企業戦略」

押さえておきたい2021年のITトレンド5選

今回は2021年におけるITトレンドとして、「スーパーアプリ」、「DARQ」、「IoB」、「TX」、「Anywhere Operations」、この5つのワードについてご紹介します。

スーパーアプリ

1つ目は、スマートフォンで利用する「スーパーアプリ」です。
「スーパーアプリ」とは、ひとつのアプリの中で様々なアプリを統合、日常生活のあらゆるシーンで活用できる総合的なアプリのこと。例えば、メッセージのやり取り、決済や送金、飛行機や宿泊施設・飲食店の予約といったあらゆるサービスを、スーパーアプリをひとつインストールしておくだけで利用できるようになります。
中国やシンガポール、インドネシアなどではすでにスーパーアプリが利用されており、日本国内でも関心が高まっていました。そのなかで2019年11月、国内大手の情報・通信事業会社2社が経営統合を発表。ポータルサイトとして圧倒的なシェアを誇る企業と、同じくコミュニケーションアプリでシェアを誇る企業の統合は、多くの人に衝撃を与えました。現在、両者が手を組んだことでスーパーアプリとして新たなプラットフォームが誕生するのではないかと期待されています。

DARQ

2つ目は、とある世界的経営コンサルティング会社が提唱した「DARQ(ダーク)」と呼ばれるテクノロジー群です。
「DARQ」とは、「Distributed Ledger Technology(分散型台帳技術)」、「Artificial Intelligence(人工知能)」、「Extended Reality(拡張/強化現実)」、「Quantum Computing(量子コンピューティング)」の4つを表したもの。

Distributed Ledger Technology
(分散型台帳技術)
ブロックチェーンとも呼ばれ、ビットコインをはじめとした暗号通貨に活用されており、金融市場を大きく変化させる技術として注目されている。
Artificial Intelligence
(人工知能)
その名の通りAI技術を指し、画像認識や自然言語処理といった技術によってあらゆるビジネスに活用され、その規模は拡大し続けている。
Extended Reality
(拡張/強化現実)
xRと省略されることもあり、AR(拡張現実)、MR(複合現実)、VR(仮想現実)に代表される仮想と現実、人間と機械の間で補完されるすべての領域までを含む言葉。エンターテイメントや観光分野における体験型コンテンツにも応用できるため、今後のさらなる活用が期待されている。
Quantum Computing
(量子コンピューティング)
現在使われているコンピューターの計算処理速度をはるかに凌駕した計算原理です。まだ研究段階にあり、実用化も徐々に進められているような状況ですが、普及が進めばコンピューターの性能は飛躍的に向上していくでしょう。

DARQが初めて提唱されたのは2019年。それまでデジタル化推進の軸と言われていた「SMAC(Social、Mobile、Analytics、Cloudの4つを表したもの)」に代わる次世代のデジタル技術として提唱されました。これら4つの技術を自社の強みと融合させていかに活かしていくかが、今後のビジネスを成功に導く鍵となると言われています。

事例としては、2019年11月、アメリカ大手スーパーマーケットチェーンのカナダ部門が、分散型台帳技術を用いたブロックチェーンソリューションを導入。カナダ国内店舗へ商品を配送する業者の輸送や決済に関する情報をデータ化、データをリアルタイムで照合できるため、ネットワーク上で輸送完了時にその場での請求・支払い・決済までを可能にしました。パートナー企業との間の透明性、事業全体の業務効率化とコスト削減、それによる商品価格の抑制など、企業として多くのメリットを得ています。

また、日本の大規模旅行情報サイトが量子コンピューターを採用したことで、季節、地域、ユーザー属性、宿泊施設など数多の組み合わせの中から、利用者ごとに検索結果を最適化する仕組みを構築。検索結果における表示順序の改善により、サービス向上を実現しました。

DARQを事業に取り入れた成功事例が徐々に増えており、2021年に入ってより多くの企業が事業の革新を果たすためにDARQの実用化を進めることが予想されます。

IoB

3つ目は「IoB」です。IoBとは「Internet of Behavior」の略称で、「挙動・行動のインターネット」とも呼ばれます。
IoBの身近な例である「流動人口(人流)データ」は、スマートフォンの位置情報を活用したビッグデータが用いられており、新型コロナウイルスの影響もあって注目されました。さらに応用が進んでいけば、個人の行動特性に合わせてパーソナライズされた情報やサービスを提供することも可能になるでしょう。

例えば、自動車を運転する頻度や運転習慣をIoBで把握し、それをもとに保険料を算定するなどのサービスがアメリカで実際に提供されています。
IoT(モノのインターネット)からさらに進化して個人の生活を豊かにし得るIoBは、ウイルス感染症対策の観点も含めて注目されています。

TX(トータル・エクスペリエンス)

4つ目は、「TX(トータル・エクスペリエンス)」です。

2019年に大手ITマーケティング・リサーチ会社が、ARやVRといった技術を活用した体験を「マルチ・エクスペリエンス」と称し、これをユーザー・エクスペリエンスと結びつける戦略として「TX(トータル・エクスペリエンス)」が提唱されました。
マルチ・エクスペリエンスやトータル・エクスペリエンスの分野は、新型コロナウイルスの影響もあり、接触リスクを抑え、自宅にいながら実体験に近いサービスを提供できるとされています。

例えば、VR技術を用いて自宅にいながら服の試着から購入まで行える、化粧品を買う際に商品を熟知した店員のアドバイスを聞きながら検討から購入まで行える、といった顧客の満足度に対し高い価値が発揮できると期待されています。

Anywhere Operations

5つ目は、「Anywhere Operations」です。

「場所を問わないオペーレーション」と訳すことができる「Anywhere Operations」は、まさにどこにいても運用体制を確保することができるITオペレーティング・モデルを指します。昨今普及が進むテレワークやクラウドシステムの活用など、今後の働き方にも大きく関わるため注目を浴びています。
場所を問わないオペーレーションとは、従業員がどこからでも働くことができる環境を作ることだけでなく、従業員がどこにいても顧客をサポートできることが重要となります。つまり、従業員にも顧客に対しても付加価値の高い体験を提供するためのIT運用モデルとも言えます。
上述のTX(トータル・エクスペリエンス)とも密接にかかわるトレンドと言えるでしょう。

大手ITマーケティング・リサーチ会社は、2023年末までに40%の企業が「Anywhere Operations」の運用体制を確保し、関連するサービスやシステムがシェアを伸ばすと予想しており、国際的な注目度の高さもうかがえます。

ITトレンドを踏まえた「これからの企業戦略」とは

新型コロナウイルス感染拡大を受け、ライフスタイルや価値観は大きく変わりました。また、働き方も大きく変革し、今後もこの流れは続くと予想されます。そんな時代を企業が生き抜いていく上で注目するビジネスモデルとなるのが、「インテリジェント・コンポーザブル・ビジネス」です。
「インテリジェント・コンポーザブル・ビジネス」とは、変化する世の中の仕組みや潮流に沿って、柔軟に対応できる「コンポーザブル(選択や組み立てができること)」なビジネスモデルであり、これによって困難に直面したとしても迅速に事業を立て直せることを意味しています。
インテリジェント・コンポーザブル・ビジネスを実現するためには、ITトレンドを含む市場環境の変化に適応しながら再構築できる組織を作ると同時に、企業にとって有益な情報にどこからでも安全にアクセスできるIT基盤の導入が重要となります。
変化に対応できるIT基盤を整えることで、新たなビジネスモデルを実現するだけでなく、柔軟性がある企業戦略を構築することが可能となるでしょう。

まとめ

2021年のITトレンドを5つご紹介いたしました。これらを押さえることで、これからの生活や企業として求められる姿を見据えることもできるでしょう。
今後、ニューノーマルは徐々にノーマルへと変わっていくでしょう。そして、その先に訪れるだろうネクストノーマル時代では、デジタルやデータの利活用は当たり前となり、その上で革新的なサービスの提供やビジネスモデルの構築が求められるでしょう。
当社三菱電機ITソリューションズでは、お客様のニーズに応じた各種ソリューションをご提供しています。
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