クラウドが優れているとは限らない?オンプレミスとクラウドのメリット・デメリット

公開:2018年06月29日

更新:2022年03月23日

デジタル化が進む近年では、多くの企業でクラウドサービスが利用されるようになりました。今現在、クラウド移行を検討されている企業も少なくないでしょう。

しかし、クラウドサービスにもメリットがあればデメリットも存在し、米国の先進企業は既にオンプレミス(自社運用)に回帰しているなど、単に優れているというだけではないのです。

今回は、クラウドとオンプレミスについておさらいし、それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で、結局のところどちらがおすすめなのかについて解説していきます。

【目次】

  • そもそもオンプレミス、クラウドとは?
  • オンプレミスのメリット
  • オンプレミスのデメリット
  • クラウドのメリット
  • クラウドのデメリット
  • クラウド、オンプレミス、どちらかを選ぶという考えから脱却する
  • 製品(サービス)のご紹介

そもそもオンプレミス、クラウドとは?

企業のシステム運用方法には、「オンプレミス」と「クラウド」の2つがあります。どちらも情報システムの運用に用いられる点は同じですが、オンプレミスとクラウドは運用方式が異なる点に注意が必要です。

それぞれの特徴を理解した上で、自社に合ったシステム運用を検討しましょう。ここでは、オンプレミスとクラウドの意味、特徴と違いについて解説します。

オンプレミスの意味

「オンプレミス」とは、「on the premises(構内で)」という言葉がもとになったIT関連用語です。自社でサーバー・ネットワーク・ソフトウエアなどのITインフラを用意し、自社内で運用する形態を意味します。インフラを自社購入せずにレンタルなどで用意する場合でも、管理場所が社内であれば、オンプレミスと言えます。
オンプレミスという言葉自体は一般的ではありませんでしたが、クラウドの普及に伴い、その対義語として使われるようになりました。

オンプレミスによる情報システムの運用では、設備メンテナンスや運用形態の変更に伴う設備調整などをすべて自社で行わなければなりません。スムーズなシステム運用を維持するには、インフラ設備の知識がある担当者を配置する必要があります。

クラウドの意味

「クラウド」とは、「Cloud(雲、雲状のもの)」という言葉がもとになったと考えられています。インターネット上のデータベースやアプリケーションなどを利用できるサービスを意味し、自社でITインフラなどを用意しなくてもシステム運用できる仕組みです。

クラウドによるシステム運用は、インターネット技術の向上とともに普及が進んでいます。

オンプレミスのメリット

オンプレミスの主なメリットは、「セキュリティー面の安全性」「システム連携のしやすさ」「カスタマイズ性」の3つです。一方で、オンプレミスのデメリットも少なからずあります。オンプレミスの特徴を正しく理解した上で、導入を検討しましょう。

ここではまず、オンプレミスのメリットについて解説します。

オンプレミスのメリット1:セキュリティー面においてクラウドよりも安全

オンプレミスは、セキュリティー面の安全性がクラウドより高いことが特長です。自社でITインフラを用意しシステム管理するため、ハッキング対策も立てやすいと言えます。第三者の侵入や干渉を防げるオンプレミスであれば、顧客データなどの重要な情報の取り扱いも安心です。

オンプレミスのメリット2:社内の別システムとの連携・統合がしやすい

オンプレミスのメリットのひとつに、社内の別システムとの連携・統合をしやすいことが挙げられます。クラウドは、利用するハードウエアやソフトウエアとの相性確認が必要となり手間と時間がかかります。一方、オンプレミスは自社でハードウエアやソフトウエアを用意しているため、システム連携・統合がスムーズです。

オンプレミスのメリット3:カスタマイズ性に優れている

オンプレミスは、ITインフラを自社だけで利用します。自社のニーズに合わせて自由にカスタマイズできることは、オンプレミスの大きなメリットです。カスタマイズの自由度や手軽さを重視したい場合は、オンプレミスの運用がおすすめです。

オンプレミスのデメリット

安全性が高いオンプレミスでもヒューマンエラーを100%防ぐことは難しく、情報流出のリスクがゼロとなるわけではありません。また、一からシステム構築を行うとなると、ハードウエアやソフトウエアの調達なども含めて数カ月かかることがあります。オンプレミスの導入を検討する場合は、システム構築までの期間に注意しましょう。

カスタマイズ性に優れているオンプレミスですが、細かなカスタマイズを行うことでかえって従業員が操作に慣れるまでに時間がかかることもあります。操作に慣れていないことによるトラブルを防ぐためにも、社内マニュアルの作成が必要となるでしょう。ITリソースの確保にはコストもかかるため、現場の利便性や資金面も念頭にカスタマイズを行いましょう。

クラウドのメリット

クラウドのメリットとデメリットは、オンプレミスと表裏一体です。

クラウドには、「初期コストが安い」「資産管理が不要」「リソースの追加や変更が容易」などのメリットがあります。一方、クラウドにもオンプレミス同様にデメリットがあるため、理解を深めておきましょう。

ここでは、まずクラウドのメリットについて解説します。

クラウドのメリット1:初期コストが安い

初期コストの安さは、クラウドならではのメリットです。オンプレミスは自社でサーバーなどを買い揃えなければならず、初期コストがかさみます。しかし、クラウドなら業者が用意するITインフラを用いるため、導入コストの大幅カットが可能です。

クラウドのメリット2:ハードウエアの管理・保守が不要

クラウドは、ハードウエアの管理・保守が不要です。自社でシステム管理を行うオンプレミスは、対応する従業員に負担がかかりやすく属人化によるトラブルも起こりやすくなります。ハードウエアの管理・保守を業者に任せることで、従業員の負担軽減やヒューマンエラーの回避が期待できます。

クラウドのメリット3:スケールアップ・ダウンしやすい

クラウドのメリットのひとつが、サーバー台数やスペックをインターネット上で簡単に変更できることです。アクセスの増減に合わせてサーバー台数やスペックを調節できるため、アクセス障害を回避できます。クラウドは、サイジングの最適化により過剰投資を防ぎつつ、リソースの追加や変更にかかるコストも削減できることが強みです。

クラウドのデメリット

クラウドの場合、オンプレミスのような自由なカスタマイズはできません。また、ほかのユーザーとITインフラを共有する特性上、システムのパフォーマンスが一時的に低下する場合があります。

さらにクラウドは、サービスによって自社ビジネスに必要な機能を利用できない可能性があることもデメリットの1つです。社内システムとの連携が難しい場合もあります。

また、インターネット上でシステム運用を行うにあたっては、情報漏えいなどを防ぐためにもセキュリティー機能をきちんと確認する必要があることも覚えておきましょう。

クラウド、オンプレミス、どちらかを選ぶという考えから脱却する

ケースバイケースではあるものの、大まかにはオンプレミスとクラウドの運用形態にはそれぞれ下記のような特長があります。

オンプレミス 安全性・柔軟性が高い
クラウド コストが抑えられ、導入までがスムーズ

またオンプレミスとクラウドは、双方にメリットやデメリットがあるため、必ずしもクラウドを選ぶことが正しい選択肢ではありません。

冒頭に紹介した通り、企業によってはセキュリティー面やカスタマイズ性を求めて、クラウドからオンプレミスに回帰するケースもありえます。また、どちらか一方を選択するという考え方ではなく、新しい発想としてハイブリッドクラウドやマルチクラウドを利用した運用も主流となっています。

用途や利用目的に応じて何を重視するのか、しっかりと運用形態を見極めて選びましょう。

製品(サービス)のご紹介

クラウドとオンプレミスのそれぞれの特徴が簡単に切り離せるものではなくなりつつある現状、一つの選択肢としておすすめしたいのが「クラウドのメリットを持ったオンプレミス」であり、実際に導入される企業も増えてきています。

弊社では、お客様の「こうしたい」を一緒に検討し提案するノウハウを生かして、「HCI」「AWS」「Azure」といったサービスを提供しています。

HCI
(ハイパーコンバージドインフラ)
企業がこれまで行ってきた業務をサーバー上にパッケージ化し、拡張を容易にするオンプレミス(プライベートクラウド)
AWS
(アマゾンウェブサービス)
ストレージ・データベース・分析ツール・AIといったサービスの豊富さが魅力のパブリッククラウド
Azure
(マイクロソフト・アジュール)
「クラウドサービスの集合体」であり、導入後は自由にアプリケーションを管理することが可能なパブリッククラウド

最新のHCIでは、AWSやAzureの俊敏性・シンプル性とオンプレミスのセキュリティー性・コントロール性とを統合し、マルチクラウドの環境構築が可能となっています。企業の成長に合わせて運用形態を柔軟に変更していけるのがメリットであり、スタートアップ企業からキャリアの長い企業まで、幅広く導入することが可能です。

詳しくは、弊社担当者までお気軽にお問い合わせください。

「HCI(Nutanix)導入サービス」を見る

「AWS,Azureへの導入支援、構築サービス」を見る

また、弊社が運営するYouTubeチャンネル「ALIVE SOLUTIONチャンネル」では、就業システムにおけるクラウド・オンプレミスの違いについて解説しています。システム運用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

「就業システムはクラウド・オンプレどっちがいい?違いについて徹底解説!Part1」を見る

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