リフィル処方せんの導入の是非とは
リフィル処方せんとは、一枚の処方せんで医薬品の処方を複数回受けられることができる制度のことで、アメリカやフランスなど、多くの先進諸国で導入されています。日本でもかねてより検討が行われてきましたが、ここに来て平成30年度の診療報酬改定のタイミングでのリフィル処方せん導入に対する議論が本格化してきました。医療の現場が大きく変わる可能性を秘めた「リフィル処方せん」について、改めて考えてみましょう。
リフィル処方せんのメリットとは
期限が定められてはいますが、一枚の処方せんで複数回処方を受けられるリフィル処方せんには、次のようなメリットがあります。
(1)状態の安定している患者さんにリフィル処方せんを発行することで、医師は患者さんの管理を薬局に委任することができる。それによって医師は急性期の患者さんへの診察時間が増やせるなど、医師不足解消の一助となることができる。
(2)リフィル処方せんによって処方せん発行回数を削減できるため、医師の業務を減らすことができる。
(3)薬剤師は医師から患者さんの経過観察が求められるなど、専門知識を今以上に発揮する機会が増える。その結果、地域医療での薬剤師の存在感が大きくなり、薬剤師の地位向上にもつながる。
(4)診療にかかる時間や医療費を軽減することができるため、患者さんの負担を減らすことができるだけでなく、国にとっても医療費の削減につなげることができる。
このように、リフィル処方せんは患者さんや医師の負担を軽減でき、医療費の削減も可能になる制度であるといえます。
リフィル処方せんのデメリットとは
患者さん側にも医療を提供する側にも大きなメリットのあるリフィル処方せんですが、次のようなデメリットもあります。
(1)リフィル処方せんによって受診回数が少なくなるため、医療機関側の収入低下にもつながる。また、患者さんの医師離れも予想される。
(2)今まで医師と薬剤師のダブルチェックだったものが、薬剤師だけのチェックになるため、患者さんの状態の些細な変化に気づきにくくなり医療事故や健康被害が発生する可能性が高くなる。
(3)医薬品の転売に悪用される恐れがある。
リフィル処方せんを実施する上で、医療事故や健康被害を防ぐためにも薬剤師の役割は大変重要であるといえます。制度が導入された場合、薬剤師は今まで以上に患者さんに対する注意を払い、知識と技術を積み上げていく努力が必要となってくるでしょう。
リフィル処方せんは導入されるのか
少子高齢化社会が進む中、医師不足や医療費の増大が問題となっています。このような中で、リフィル処方せんの導入は医師の負担軽減や医療費の削減につながると期待されています。
その一方で、薬局が担う責任が大きくなるため、優秀な薬剤師の育成が必要不可欠となってきます。この制度は今後の「薬剤師のあり方」が問われるものと考えてもいいでしょう。
また、関係者の間でもリフィル処方せんに対する意見が分かれており、否定的な意見も少なくありません。今後の調剤報酬改定議論の中で、どのように取り扱われるのか注目したいところです。
まとめ
いずれにしろ、国は「患者本位の医薬分業」を進める中で、かかりつけ機能の強化など「患者にとって付加価値のある薬局・薬剤師業務」を評価する方向へと進んでいます。今後ますます、薬局・薬剤師の質が問われることになるのは間違いないことでしょう。
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