国・地方自治体が支援する新型コロナウイルス関連補助金・助成金・給付金[まとめ]
※2020/09/09:「小規模事業持続化補助金(持続化補助金)特別枠、事業再開枠」の申請期限を訂正いたしました。
新型コロナウイルスの影響により、景気悪化の波が多くの企業に押し寄せているというニュースを耳にする機会が増えています。この状況を少しでも改善すべく、国や各地方自治体はコロナショックによって苦しんでいる経営者に向けた補助金・助成金・給付金などの支援策を打ち出しています。第二次補正予算も成立したことで既に実施されている施策の期間が延長されたり、新たな支援策の動きも見られています。
そこでこのコラムでは、現在2020年8月末時点で正式に発表されている補助金・助成金・給付金についてご紹介します。ぜひ参考にしてください。
【国から受け取れる補助金・助成金・給付金】
新型コロナウイルス拡大の影響により経営に苦しむ経営者に向けて、国は様々な補助金・助成金・給付金制度を設けています。ただし種類が多く、それぞれ対象者や手続方法が異なることもあり、どのように申請すれば良いか分からない方も多いのではないでしょうか。ここでは、国から受け取れる補助金・助成金・給付金をいくつかご紹介します。
雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)
「雇用調整助成金」は、経営上の理由により事業活動を縮小せざるを得ない状況となった際、従業員の雇用を守ることを目的として休業手当を支給した場合に、その費用を助成する制度です。現在は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例措置が行われており、助成率および上限額が引き上げられています。
給付対象要件 |
以下の条件すべてを満たす全業種の事業主
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助成対象者 |
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助成率 |
大企業: 2/3(雇用を維持した場合:3/4) 中小企業:4/5(雇用を維持した場合:10/10) |
助成上限金額 | 1人1日当たり15,000円 |
申請期限 | 支給対象期間末日の翌日から2ヶ月以内 |
政府サイト |
厚生労働省ホームページ |
特例措置は令和2年9月30日まで実施となっていますが、今後も新型コロナウイルスの情勢次第で内容が更新される可能性があるため、政府サイトにて最新情報を確認されることをおすすめします。また、特例措置期間外でも給付を受けることができます。
持続化給付金
「持続化給付金」は、新型コロナウイルス感染拡大により経営に深刻な影響が生じた企業の救済を目的とした制度です。幅広い業種の方が対象で、中堅・中小企業、小規模事業者だけでなくフリーランスで働く方など個人事業者も利用できます。申請はパソコンやスマホからのオンラインでも行えます。
給付対象要件 |
以下の条件すべてを満たす者
法人の場合は上記に加えて次のいずれかを満たすこと |
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受給金上限額 |
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計算方法 | 前年の総売り上げ(事業収入)-(前年同月比▲50%月の売り上げ×12カ月) |
申請期限 | 令和3年1月15日まで |
政府サイト |
中小企業庁:持続化給付金サイト |
新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金
新型コロナウイルスの影響によって子どもが通う学校が休校になった場合、保護者である従業員の休職による所得の減少に対応するため、有給休暇を取得させた企業が利用できる制度が「小学校休業等対応助成金」です。この制度を利用することで、年次有給休暇を取得していない保護者も希望に応じて休暇を取得できる環境を整えることを目的としています。令和2年6月12日に対象となる有給休暇の期限延長や上限額引き上げもされましたので、最新情報についてお伝えします。
給付対象要件 |
以下の条件すべてを満たす事業主
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対象期間 | 令和2年2月27日から9月30日までの間に取得した休暇 |
助成金額 |
対象労働者に支払った賃金相当額×10/10(15,000円/日を上限) ※3月31日までに取得した休暇については上限8,330円/日 |
申請期間 | 令和2年12月28日まで |
政府サイト |
厚生労働省ホームページ:小学校休業等対応助成金 |
中小企業生産性革命推進事業の3補助事業特別枠
中小企業の生産性向上やIT導入推進、働き方改革への取組を支援するための事業として設けられている「ものづくり補助金」「持続化補助金」「IT導入補助金」。この3つの補助事業において、新型コロナウイルスの影響を受けた中小企業を支援するための特別枠が設けられています。通常枠よりも補助率が引き上げられているなどの優遇措置が取られているほか、事業再開枠が創設されている事業もあります。
■ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金) 特別枠、事業再開枠
「ものづくり補助金」は、革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するものです。
補助対象要件 |
以下の要件を満たす事業計画(3~5年)を策定し従業員に表明している中小企業・小規模事業者等
※ただし特別枠を利用する場合は1.~3.に係る目標値の達成時期を1年間猶予する |
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特別枠の申請要件 |
新型コロナウイルスの影響を乗り越えるため、経費の1/6以上を以下に投資すること |
補助金額上限 | 1,000万円(一般型)または3,000万円(グローバル展開型) |
特別枠の補助率 |
類型A:2/3 類型BまたはC:3/4 |
申請期限 |
4次締切:令和2年11月26日 5次締切:令和3年2月頃の予定 |
事業再開枠について | 業種別ガイドライン等に沿った感染防止対策の経費(例:消毒、マスク、清掃、間仕切り、換気設備等の費用)について、定額補助・補助上限50万円(又は、総補助額の1/2まで)を支援。ものづくり補助金(特別枠)の採択者が対象となり、上乗せされる形。 |
公式サイト |
ものづくり補助金事務局:ものづくり補助金総合サイト |
■小規模事業持続化補助金(持続化補助金) 特別枠、事業再開枠
「持続化補助金」は、販売促進PR・ネット通販等への転換など、販路の開拓や生産性向上の取組に要する経費の一部を補助する制度です。持続化給付金と名称が似ているため混同してしまう方が多いのですが、異なる支援事業ですので確認した上で利用しましょう。
補助対象要件 | 小規模事業者と一定要件を満たす特定非営利活動法人 |
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特別枠の申請要件 |
新型コロナウイルスの影響を乗り越えるため、経費の1/6以上を以下に投資すること |
補助金額上限 | 100万円 |
特別枠の補助率 |
類型A:2/3 類型BまたはC:3/4 |
申請期限 | 第4回受付締切:2020年10月2日 |
事業再開枠について | 業種別ガイドライン等に沿った感染防止対策の経費(例:消毒、マスク、清掃、間仕切り、換気設備等の費用)について、定額補助・補助上限50万円(又は、総補助額の1/2まで)を支援。持続化補助金(特別枠・通常枠)の採択者が対象となり、上乗せされる形。 |
特例事業者に対する上乗せについて | クラスター対策が特に必要とされる屋内運動施設、バー、カラオケ、ライブハウス、接待を伴う飲食店の事業者については、さらに追加対策枠として最大50万円上乗せされる。 |
詳細情報掲載サイト |
全国商工会連合会 日本商工会議所 |
■IT導入補助金 特別枠(C類型)
新型コロナウイルスへの対策として、国が推奨するテレワークや非対面型ビジネスモデルへの転換に取り組む中小企業・小規模事業者等を対象とし、ITツールを導入する際の経費を一部補助する制度です。
補助対象要件 | 中小企業・小規模事業者 |
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特別枠の申請要件 |
新型コロナウイルスの影響を乗り越えるため、経費の1/6以上を以下にIT投資すること |
補助下限額・上限額 | 30~450万円 |
補助率 |
C類型-1(甲ツールのみを導入):2/3以内 C類型-2(乙or丙どちらか一つ以上を導入):3/4以内 |
補助対象経費 | ソフトウエア、クラウド利用費、専門家経費等に加え、PC・タブレット等のハードウエアにかかるレンタル費用も対象。 |
申請期限 | 7次締切:2020年9月30日 |
公式サイト |
IT導入補助金事務局:IT導入補助金2020サイト |
地方自治体から受け取れる補助金・助成金・給付金
国からだけでなく地方自治体から受けることができる支援があります。まずは自分の企業が籍を置く地方自治体が、どのような支援をしているか確認してみましょう。ここでは、東京、大阪、埼玉の制度をひとつずつご紹介します。
■東京都で受けられる補助金・助成金・給付金
名称 | 新型コロナウイルス感染症緊急対策 設備投資支援事業 |
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助成金対象者 | 基準日(令和2年4月1日)現在で、東京都内に登記簿上の本店又は支店があり、都内で2年以上事業を継続している中小企業者等 |
助成目的 |
都内中小企業が新型コロナウイルスをはじめとする感染症対策関連商品の製造等に必要となる最新機械設備を新たに購入することを支援。 【主な事業例】マスク、アルコール消毒液、防護服等の生産に必要となる機械設備の購入 |
助成対象期間 | 交付決定日の翌月1日から1年6か月間 |
助成限度額 | 1億円(助成下限額:100万円) |
助成率 | 4/5以内 |
申請受付期間 | 令和3年2月10日まで ※ただし予算終了の場合は受付期間中であっても終了 |
公式サイト |
東京都中小企業振興公社 |
■大阪府で受け取れる補助金・助成金・給付金
名称 | 新型コロナウイルス感染症対策ものづくり企業支援事業 |
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対象者 |
大阪府内に事業所を有する中小企業者で、新型コロナウイルス感染症により経営に影響を受けた事業者(以下の要件に該当すること)
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支援目的 | 新型コロナウイルス感染症により経営に影響を受けた中小企業者に対し、地方独立行政法人大阪産業技術研究所に支払う依頼試験、装置使用等の支援サービスの利用料金を支援。 |
支援額 | 装置使用、装置使用にかかる指導、依頼試験、簡易受託研究、受託研究の利用料金を50%減額 |
申請受付期間 | 令和2年度内 ※予算がなくなり次第終了 |
公式サイト |
地方独立行政法人 大阪産業技術研究所 |
■埼玉県で受け取れる補助金・助成金・給付金
名称 | 埼玉県中小企業・個人事業主等家賃支援金(賃借人:テナント事業者) |
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助成金対象者 |
次の条件すべてに当てはまる方
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助成目的 | 新型コロナウイルスの影響で、家賃の支払いが困難になっている中小企業・個人事業主の救済。 |
助成金額 |
支払い家賃の1/15(6カ月分) 上限額:20万円(複数店舗を賃借している場合30万円) |
申請受付期間 | 令和3年2月15日まで |
公式サイト |
埼玉県庁:埼玉県中小企業・個人事業主等家賃支援金 |
まとめ
新型コロナウイルス感染拡大により生活への影響が広がり続けている中、国や地方自治体による様々な補助金・助成金・給付金制度が発表されています。特に中堅・中小企業や個人事業主を支援する制度や施策が多く用意されていますので、活用されることをおすすめします。しかし、補助金・助成金・給付金制度の情報が多すぎてしまい、どの制度を選択するべきか判断が難しい部分もあるかもしれません。そのような場合は、融資→延納→給付金の順番で支援を受けることを意識すると良いでしょう。まずは融資を受けて手元資金を確保する道を探し、次に支払いの延納を検討します。そして最後の手段として「給付金の活用」という順序になります。
なお、判断が難しい場合や専門的なアドバイスを聞きたい方は、経済産業省が開設した経営相談窓口を利用されてはいかがでしょうか。また、支援策をまとめた特設サイト(以下参照)も開設されております。補助金・助成金等の情報は日々内容が更新されることも多いため、ぜひチェックしましょう。今できることを着実に取り組み、将来を見据えた経営戦略を検討することが、コロナ禍を生き抜くために必要ではないでしょうか。
新型コロナウイルスによる企業への影響を緩和し、企業を支援するための施策案内サイト情報
経済産業省:新型コロナウイルス感染症関連ページ
ミラサポplus:新型コロナ対策サポートナビ
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