年末調整の業務効率化を図る取り組みとは?

年末調整の業務は、紙を用いて人の手によるやり取りで行なわれることが一般的と考えられてきましたが、昨今は年末調整申告書作成システムや給与計算システムを導入することで大幅な業務効率化が可能になりました。
今、まさに年末調整の計算等で多忙を極めている実務担当者の方も多いのではないでしょうか。
このコラムでは、年末調整のシステム化を検討している経営層の方、業務でお困りの実担当者の方に向けて、今年度の年末調整に関する情報やシステム化による効果について解説します。後半には、当社のシステム導入事例もご紹介しておりますので、是非参考にしてみてください。

複雑化する年末調整業務

年末調整とは、1年間に支払うべき所得税と従業員の給料や賞与から毎月天引きされている所得税を比較し、所得税の過不足を精算する手続きのことです。毎年行う業務であるものの、法改正により計算の条件や方法が異なり、国税庁のホームページには年末調整についてのページ(年末調整がよくわかるページ)を開設しており、動画やパンフレット等が掲載されています。実務担当の方は毎年このような情報を読み解いて行う必要があり、業務負荷、難易度が高く、間違いの発生する可能性も決して低くない業務です。

また、令和2年(2020年)の年末調整に関しては改正事項が多いため、例年以上に業務負荷が高くなる可能性があり、注意が必要です。
具体的には、下記のような点が改変されます。今一度確認しておきましょう。

【主な制度上の改変】

(1)給与所得控除に関する改正(給与所得控除の引き下げ)
所得を算出する際に収入から控除される額が引き下げられ、一律10万円引き下げられました。また、給与所得控除額の上限額も引き下げられており、給与年収850万円を超える方は一律で控除上限額が195万円となります。

昨年から変わった点1
[出典:国税庁ホームページ「昨年から変わった点」

(2)基礎控除の改正(基礎控除額の引き上げ)
所得税を算出する際に、所得から控除される額が引き上げられました。改正前は所得や収入に関係なく一律で38万円と定められていましたが、改正後は合計所得金額に応じた額となり、2,400万円以下の場合は48万円に引き上げられています。反対に2,500万円を超える所得者は基礎控除の適用外となります。

昨年から変わった点2
[出典:国税庁ホームページ「昨年から変わった点」

(3)子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の創設
その年の給与等の収入金額が850万円を超える給与所得者のうち、下記の要件のいずれかを満たす場合、[(給与の収入金額-850万円)×10%]を給与所得の金額から控除することとされました(最高15万円)。
• 所得者本人が特別障害者
• 同一生計配偶者が特別障害者
• 扶養親族が特別障害者
• 扶養親族が年齢23歳未満(平成10年1月2日以後生)
尚、給与の収入金額が1,000万円を超える場合には、計算式に入る「給与の収入金額」は1,000万円 となります。

(4)各種所得控除等を受けるための扶養親族等の合計所得金額要件等の改正(合計所得金額要件の引き上げ)
同一生計配偶者や扶養親族などの合計所得金額要件が10万円引き上げられました。

昨年から変わった点3
[出典:国税庁ホームページ「昨年から変わった点」

(5)ひとり親控除及び寡婦(寡夫)控除に関する改正(ひとり親控除の新設と寡婦・寡夫控除の見直し)
これまで、「ひとり親」に対する税制措置としてあった寡婦(寡夫)控除に加えて、改正により新しく「ひとり親控除」が創設されました。ひとり親である場合、その人のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から35万円を控除することとされました。未婚のひとり親の方も対象に含まれる控除となり、全てのひとり親の方に対して公平な税制を実現する狙いがあります。それに伴い、「寡夫」控除についてはひとり親控除に統合されることとなり、「寡婦」控除の適用要件が変更されました。

(6)「給与所得者の基礎控除申告書」及び「所得金額調整控除申告書」の新設(申告書の様式変更(追加))
従来の「給与所得者の配偶者控除等申告書」に「給与所得者の基礎控除申告書」と「所得金額調整控除申告書」の2つが追加され、一体化となった「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」という新たな書式が設けられました。

年末調整の業務効率化~給与計算システムの導入

2020年7月、政府は「2021年をめどに、金融機関が国に提出するすべての書類を電子化する」と発表しました。押印が必要な書類は、電子認証に代替する方針とのことです。この方針を発表した経緯には、行政システムのデジタル化を進めるという施策によるものですが、コロナ禍で企業の在宅勤務が進む一方、押印のために出社しなければならないといった問題があったことも背景にあります。
また、国税庁でも年末調整の電子化(ペーパーレス化)に関する取り組みについて発表しています。これまでは、保険会社等から届いた控除証明書はがき等を、保険料控除申告書と一緒に勤務先へ提出していたかと思います。年末調整手続が電子化された場合は、控除証明書等は電子データで受領、控除申告書は専用ソフトで作成しデータとして提出ということが可能となります。
このように、政府は書類の電子化(ペーパーレス化)を進めており、将来的には各省庁へ提出する書類は全てオンライン申請になる可能性もあるでしょう。特に年末調整については、従業員だけでなく取り纏めを行う経理や人事労務担当者にとっても負荷が高い業務です。そこで、年末調整の申告書作成をシステム化すると共に、給与計算システムを導入し連携することを検討されてはいかがでしょうか。業務の生産性を向上させるなど、様々な効果が得られます。

年末調整申告システムと給与計算システムの導入効果

リモートワークでも業務がスムーズ
紙の配布や手作業による記入は必要なくなります。リモートワークであってもデータ入力・送信でやり取りできるため、従業員・業務担当者ともに効率良く業務を進めることができるようになります。
また、書類の保管スペースや業務担当者の執務スペースを広く設ける必要も無く、書類が探しやすいなどのメリットもあります。

データ利用による業務効率の向上
申告書の記載内容に不備があっても、エラーチェックにより入力時の手間や確認作業の負荷が大幅に軽減されます。また、月々の給与データや賞与データを基に年末調整計算を行うことができるため、迅速かつ正確な計算・管理が可能です。

法改正への対応がスムーズ
システムを利用すると、料率変更や税制改正などに対応したプログラムへアップデートされるため、計算ミスを防ぎ、スムーズに年末調整を行えます。

以上のように、システムを導入し年末調整の業務効率化を図るには、三菱電機ITソリューションズの年末調整申告システム「ALIVE SOLUTION YA」がおすすめです。
「ALIVE SOLUTION YA」は、Webブラウザー上で申告書を入力するため、申告書の配布、回収の必要がありません。「前年度申告データコピー機能」を使えば、前年度のデータを流用して変更箇所の修正だけで申告書入力が完了します。
また、給与計算システムや人事システムと連携が可能です。マイナンバーにも対応しており、人事・労務部門の年末調整にかかわる業務負荷を大幅に軽減することができます。

導入事例のご紹介:給与計算および年末調整の業務改善

当社の給与計算システム「給与指南」ならびに年末調整申告システム「ALIVE SOLUTION YA」を導入いただいた、A社様の事例をご紹介します。

■導入背景
A社は、2017年4月に人事制度を14年ぶりに刷新。それまで社内改革を推進するうえでハードルとなっていたのが、給与計算・人事情報システムでした。従来の給与計算業務はパッケージ型システムを大幅にカスタマイズしたものを利用し、常に手動でのバージョンアップが必要な状態でした。法改正や人事制度の変更で設定を変えなければいけない場合、都度ベンダーに対応を依頼する必要があり、手間がかかることも課題に。また、人事情報についてはExcelベースの台帳管理にとどまっており、情報共有の面で改善が必要な状況でした。

■導入後の効果
当社の給与計算システム「給与指南」と年末調整申告システム「ALIVE SOLUTION YA」を導入したことで、給与計算や年末調整などの法改正に対して迅速な対応が可能になりました。また、人事管理については人事情報システム「ALIVE SOLUTION HR」と「パッケージプラス®マイナンバーロッカーシステム」を導入したことで、従業員のマイナンバーをセキュアな環境で管理し、従業員の異動履歴、査定履歴、健康診断実施履歴などの一元管理を実現しました。
さらに、各システムに蓄積されているデータを、外部抽出機能によって取り出し、Excelを使った情報分析が可能となり、経営面に幅広く役立てられるようになりました。

A社のシステム導入事例は、人事情報システムとの連携も行うことで給与計算業務だけでなく様々な業務効率化をはたした、理想的なシステム化の取り組みと言えるでしょう。

まとめ

年末調整は毎年行う業務です。しかし、法改正による計算条件・方法の変更や算出する項目の増減などにより業務が繁雑になりやすく、人事・労務部門や経理部門の負荷は年々増していると予想されます。特に2020年度は基礎控除額の引き上げ、給与所得控除の引き下げなど改正事項が多く、例年以上に業務負荷が高くなっているのではないでしょうか。
給与計算・年末調整業務をシステム化することは、取り纏めを行う業務担当者だけでなく申告する従業員側にも様々なメリットがあります。業務負荷が軽減されることで、より生産性の高い業務に注力できるようになるでしょう。また、在宅勤務やテレワークといった、ニューノーマルな働き方を実現するためにも有効です。
ぜひ当社の給与計算システム「給与指南」と年末調整申告システム「ALIVE SOLUTION YA」をチェックしてみてください。

年末調整申告システム「ALIVE SOLUTION YA」~年末調整に関わる業務負荷を大幅削減~

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