週休3日制はいつから?導入の目的からメリット・デメリットまで
「テレワークの推進」、「ITツールによる業務効率化」など、近年では様々な方法で働き方改革が進められています。そのなかでも「週休3日制」は現在、大手eコマース企業や大手衣料品企業などで実際に導入されている働き方として注目されているビジネストレンドです。
本コラムでは、週休3日制の概要や目的、メリット・デメリットについて解説します。週休3日制の導入が本格的に議論される前に、制度についての知識を得ておきましょう。
このコラムを読んで分かること
- 週休3日制が検討される背景
- 週休3日制のメリット・デメリット
- 就業管理の煩雑化、複雑化を軽減するソリューション
週休3日制とは?
休日制度は企業や雇用形態などによって様々ですが、現在は週休2日制を採用している企業が多くを占めています。一方、「週休3日制」はその名の通り、1週間あたりの休日を3日とする休日制度です。
すでに週休3日制を取り入れている民間企業もありますが、厚生労働省が公表している「令和2年就労条件総合調査の概況」では、「完全週休2日制より休日日数が実質的に多い制度(※)」を採用している企業の割合は、8.3%でした。まだまだ週休3日制を取り入れている企業は、一部のみといったところです。
そんな中、政府は令和3年6月18日に「経済財政運営と改革の基本方針2021」いわゆる骨太方針2021を閣議決定し、「選択的週休3日制」について「企業における導入を促し、普及を図る」と盛り込みました。「選択的週休3日制」とは、希望する労働者が週休3日で働ける制度です。
選択的週休3日制を実際に導入する時期は現段階では未定ですが、政府は民間企業からスタートして徐々に公務員へと適用範囲を広げることを想定しています。今後、政府内での議論がより具体的に進むと考えられるため、気になる方は動向をこまめにチェックしておきましょう。
週休3日制導入の背景・目的
週休3日制の導入が検討される主な理由としては、ワークライフバランスを重視する労働者が増えたことが挙げられます。休日が増えることで、育児や介護といった家庭での役割を果たしたり、趣味を楽しんだりと、プライベートな時間とのバランスを図ることが目的のひとつです。
また、家庭の事情や自身の病気療養などの理由で、週休2日制では働くことが難しかった方が活躍できる機会を増やす目的もあります。労働力不足による人材確保は今や社会的な問題である為、様々な働き方を整備することで多様な人材を働き手として確保したいといった側面もあります。
さらに、新型コロナウイルスの流行が週休3日制の導入を後押しする可能性もあります。つまり、ウイルス感染症対策の1つとして出社する従業員を分散させるという観点が、目的のひとつに加わっていると考えられます。
週休3日制を導入するメリット3選
働き方改革、そしてワークライフバランス充実の一環として選択的週休3日制を導入する企業は増えていくことが予想されます。では、一般的な週休2日制に加えて週休3日制を導入することには、どのようなメリットが考えられるのでしょうか。
ここでは、週休3日制が導入されることで企業や従業員が得られるメリットを3つ紹介します。
(1)働き方の選択肢が増える
1週間あたりの休日が2日から3日に増えることで、従業員が自身のライフスタイルに合った働き方を選びやすくなります。例えば、「配偶者の平日休みに合わせて休日を取る」、「3連休になるように休みを設定し、単身赴任先から帰りやすくする」など、従業員のプライベートの充実も図れるでしょう。
また、週休2日制の場合よりも育児や介護、自身の病気療養などを行いながら正社員として勤務し続けることへのハードルが下がると考えられます。週5日勤務では心身への負担が大きいという懸念を抱えている方でも、社会で活躍できる可能性が高まるでしょう。
(2)人手不足の解消につながる
週休3日制の導入により働き方の選択肢が広がれば、今までは出産・育児や介護などを機に退職せざるを得なかった方も、企業で活躍し続けられる可能性が高まります。離職者の減少が期待できるため、人手不足の解消にもつながるでしょう。
また、「週休3日制という働き方の選択肢がある」「離職者が少ない」という点は、就職活動・転職活動をしている方にとって魅力に感じるポイントでもあります。新しく優秀な人材の確保が期待できる点も、週休3日制を導入するメリットと言えるでしょう。
(3)従業員の生産性向上につながる
週休3日制の導入によって休日が1日増えると、「家族との時間や趣味の時間を多く確保できる」など、プライベートをより一層充実させられるようになります。プライベートが充実することによって仕事にも前向きに取り組めるようになるため、従業員のモチベーションアップや生産性向上が期待できるでしょう。
また、増えた休日を利用して自己啓発に取り組むなど、スキルアップやキャリアアップを図る従業員も出てくると予想されます。このような従業員を中心として、新規事業の立ち上げや業務効率化などといった社内のイノベーションも望めるでしょう。
週休3日制を導入するデメリット3選
「働き方の選択肢が増える」、「人手不足を解消できる」など、週休3日制を導入することには様々なメリットがありますが、週休3日制を導入することによるデメリットも少なからず存在することには注意が必要です。
ここでは、週休3日制を導入する際のデメリット・注意点を3つご紹介します。
(1)これまでの業務量をこなせない可能性がある
これまで通り勤務時間を8時間/1日あたりとしたまま週休3日制を導入すると、当然ながら1週間あたりの労働時間は少なくなってしまいます。そのため、週休3日制導入前のペースで業務を行うと業務が停滞し、業務進行に影響を与える恐れがあります。
また、従来の業務を1日少ない4日間でこなさなければならなくなった場合、残業時間が増えてしまう、業務多忙により精神的なストレスを抱えてしまう、といったことも考えられるでしょう。
週休3日制を導入する際には、まず、従来の働き方における労働時間や業務内容などの全体像を把握することが重要です。効率化が図れるポイントや省略できる業務などを洗い出し、整理した上で週休3日制にしても無理なく業務が進められるか検討しましょう。
週休3日制を導入している大手衣料品企業のように、「1日10時間×週4日」といった変形労働制を採用することも選択肢のひとつです。人員を増やすといった対策も併せて、従業員に負担がかからないための対策を検討されることをおすすめします。
(2)コミュニケーション不足に陥る可能性がある
1週間あたりの休日が3日に増えることにより、社内だけでなく社外の取引先とのコミュニケーションが不足する可能性が考えられます。
特にコロナ禍の今、リモートワークが増えたことでコミュニケーションが取りにくいといった課題を感じている企業も多いでしょう。さらに週休3日制を導入したことで、上司と部下、組織間のコミュニケーション不足となった結果、業務が円滑に進まない可能性が考えられます。
また、社外とのコミュニケーション不足は、ビジネス機会の損失にも繋がる恐れがあるため注意が必要です。
週休3日制を導入する際には、ツールなどを活用し会議資料や議事録などの情報がいつでも見れる状態にしておくと良いでしょう。不要な作業は止める・短縮して効率化するなどし、コミュニケーションに必要な時間を確保することも必要です。
また、コミュニケーション不足によるビジネス機会の損失を防ぐためには、シフト制やフレックスタイム制といった勤務形態を導入し、常に従業員の誰かが対応できる環境を整えることも、合わせて検討しましょう。
(3)就業・給与管理面が複雑化する
選択的週休3日制を導入した場合、週休2日制を選択する方と週休3日制を選択する方が社内に混在することになります。そのため、就業管理や給与体系が複雑化するといったデメリットがあります。
また、就業規則の見直し、新たなシステム・仕組みを構築するための時間や手間、コストがかかることにも注意が必要です。
人事労務担当者・給与担当者の負荷を減らすためにも、様々な就業形態に対応したシステムの導入を検討されることがおすすめです。
多様な働き方を支援する就業システム「ALIVE SOLUTION TA」
週休3日制の導入にはいくつかデメリットや注意点がありますが、適切な対応策を講じることでデメリットを軽減することも可能です。就業管理における複雑化が懸念される場合には、就業システム「ALIVE SOLUTION TA」の導入をぜひご検討ください。
就業システム「ALIVE SOLUTION TA」は、多種多様な勤務体系や制度に対応し、遵法管理と時間計算に強みをもつ「イージーオーダー型就業システム」です。導入が進むテレワーク、在宅勤務での勤怠入力にも対応しております。
また、過重労働防止の観点から、時間外労働時間や連続勤務など労働基準法上必要な項目の管理・把握ができるよう、管理面のサポート機能が充実しております。
週休3日制導入の際には、自社の就業規則に沿った管理を実現する就業システム「ALIVE SOLUTION TA」を活用し、スムーズな導入を目指しましょう。
まとめ
ここまで、週休3日制の概要や目的から、メリット・デメリットまで詳しく解説しました。
<このコラムのPOINT>
- 週休3日制は1週間あたりの休日を3日とする制度
- 民間企業での導入実績があるほか、今後政府が導入を推進する可能性がある
- 週休3日制にはメリットとデメリットがあるため、導入する際には慎重に検討すべき
週休3日制には企業側・従業員側それぞれのメリットとデメリットがあるため、企業側と従業員側の双方がWin-Winの関係とならなければ、社会に広く浸透することは難しいと考えられます。しかし、週休3日制がスタンダードとなる日も遠くないかもしれません。就業システム「ALIVE SOLUTION TA」で就業管理の業務効率化を図るなど、運用管理面のデメリットを軽減する工夫を行い、メリットを最大限活かせるような週休3日制を検討しましょう。
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