IT分野における「2025年の崖問題」解決の鍵になる販売管理システムとは?選定のポイントを紹介

IT分野における「2025年の崖問題」をご存知でしょうか?
2025年の崖問題とは、企業で使用している既存のITシステムが抱える課題を克服できずにDXを推進できなかった場合、2025年以降に生じる恐れがある経済的損失などのリスクのことです。こうしたリスクを回避し、DXを進めるために、販売管理システムが重要視されています。
そこで本コラムでは、販売管理システムの概要から選定するためのポイントまでご紹介します。現在使用している販売管理システムに課題を感じている、レガシーシステムになりつつあることに懸念を抱いている経営者様、基幹システムご担当者の方、特に卸売業の皆さまは、ぜひ目を通してみてください。

このコラムを読んで分かること

  • 販売管理のシステム化を行うために押さえておきたい4つの注意点
  • 販売管理システム選定時に気をつけたい5つのポイント

【目次】

  • IT分野における2025年の崖問題
  • 販売管理のシステム化を行うためのポイントと注意点
  • 販売管理システムを選定するためのポイント
  • まとめ

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IT分野における2025年の崖問題

2018年の9月に経済産業省が発表した「DXレポート」。この中で、「IT分野における2025年の崖問題」が一気に注目されました。
現在、多くの日本企業では旧式の基幹業務システム(レガシーシステム)を使用しており、2017年度のある調査では、約8割もの企業がレガシーシステムを抱えているとの結果が出ています。

[出典:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~(経済産業省)

レガシーシステムは各事業部門で独立して構成されている場合が多く、全社横断的なデータ活用ができにくいという課題があります。また、業務フローに合わせる形で過剰なカスタマイズを行っていることなどから、複雑化、老朽化、ブラックボックス化しているという問題もあります。
問題を多く抱えた既存システムがこのまま残り続けた場合、DX推進が難しくなることはもちろん、2025年以降、最大12兆円(年間)の経済損失が生じる恐れがあるとされています。

なぜ2025年なのか?

DXレポートによると、企業が保有する最も大きなシステム(基幹業務システム)を21年以上前から使用している企業の割合は2割、11年から20年使用している企業の割合は4割でした(2016年度の調査結果より)。仮にこの状態のまま2025年を迎えると、21年以上使用している企業の割合が6割に達するとの試算が出ています。
さらに別の調査結果では、2014年1年間でデータ損失やシステムダウン等のシステム障害により生じた損失額は国内全体で約4.96兆円にのぼっています。また、2010年代のシステムダウンの原因の約8割弱がレガシーシステムに起因して起こったとの結果も。
これら調査結果が主な理由となり、総合的に鑑みた結果2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性(=2025年の崖)とされています。

[出典:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~(経済産業省)

老朽化、複雑化、ブラックボックス化した既存の基幹業務システム(レガシーシステム)を刷新していかなければ、今後DXを加速させることは困難でしょう。基幹システムには、生産管理システムや販売管理システム、労務管理システムなど、さまざまな種類があります。
そのなかでもデータの正確性が求められる販売管理業務のシステムを導入・刷新することで、業務効率化やDXを大きく推し進められます。

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販売管理のシステム化を行うためのポイントと注意点

販売管理システムとは、企業が扱う商品やお金の流れを正しくコントロールするシステムのことを指します。多くの販売管理システムでは、販売管理機能のほか、在庫管理機能、購買管理機能なども備わっています。
販売管理システムを導入することで、販売に関わるすべての情報が一括管理できるため、業務効率化や、ミス防止などにつながるメリットがあります。ただし、販売管理システムを導入するにあたっては、注意点や押さえておきたいポイントもあります。

1. 現行の販売管理の流れや方法を調査する

販売管理業務にシステムを導入するためには、まず現在の販売の流れや関連業務の整理が必要です。何に時間がかかっているのか、人的負担が大きい業務はどれかなど、システムをスムーズに導入できるよう現行の販売管理の流れや方法の調査を行いましょう。

2. 導入の目的をはっきりさせる

販売管理システムの導入は、どんな目的で行うのか明確化することが大切です。明確な目的がない場合、システム導入そのものがゴールになってしまい、その先にあるべき有効活用まで進まなくなってしまうでしょう。
販売業務の効率化や、売上データの分析・活用、進捗状況の可視化など、現在社内で抱えている課題を洗い出し、その課題を解決する手段としてシステムを導入するようにしましょう。

3. 自社の業種に適応する販売管理システムを検討する

販売管理システムはさまざまな製品がリリースされており、業種に特化したシステムもあります。業種に特化したシステムですと商い習慣に特化した機能が備わっているため、製造業や卸売業、小売業など、自社の業種に適応するシステムを選ぶと良いでしょう。

業種ごとに選定のポイントは異なります。
例えば、製造業の場合は、複雑な製造工程をどれだけ正確に把握できるかがポイントとなるでしょう。商社や卸売業の場合は、在庫を抱えるよりも都度商品を取り寄せることが多いため、わずらわしい事務作業を省けるような受発注入力機能を備えているかがポイントです。
また、食品や薬品など慎重な扱いを必要とする商品の卸売業の場合は、賞味期限の管理機能や、薬品の管理方法・有効期限が迫る薬品の把握ができる機能が搭載されていると、システムを有効活用しやすいでしょう。

4. 部門それぞれの要望をまとめる

導入の目的が明確になり、自社の業務に適応する販売管理システムの検討まで進んだら、それぞれの部門の要望をまとめましょう。
実際にシステムを使用するのは現場であるため、利用する各部門やスタッフの意見に耳を傾けることが重要です。売上・購買・在庫などを管理する業務と機能のすり合わせを事前に行い、要望に合った機能が搭載されたシステムを選択するのがおすすめです。

要望が多岐にわたり、すべてに応えられる販売管理システムが見つからない場合は、カスタマイズや機能追加ができるシステムもあります。各部門のニーズに応えられ、より効果的で使い勝手の良いシステムを作り上げることも可能ですので、システムベンダーにまとめた要望を共有して相談にのってもらうのも良いでしょう。

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販売管理システムを選定するためのポイント

ここからは、実際に販売管理システムを選定する際のポイントをご紹介します。

1. 業種や企業の商習慣に合わせてカスタマイズできるものを選ぶ

業種や企業の商習慣によって、販売管理業務の工程は当然ながら違ってきます。販売管理システムにはさまざまな種類があるため、自社の業種や製品、商習慣に適合したシステムを選定するのが失敗しないポイントです。
もともとパッケージとして自社に適したシステムがあれば手間もかからず導入できますが、自社にぴったりと合ったシステムを探すのが難航した場合は、柔軟にカスタマイズできるシステムを選ぶのがおすすめです。
妥協して自社に最適でないシステムを選択してしまうと無駄な費用がかかったり、運用しにくかったりと、失敗する恐れがあります。

2. 直感的に操作できるシステムを選ぶ

販売管理システムの導入は、従来の業務を効率化する目的もあるため、操作が難しい・覚えにくいシステムを選んでしまっては、システム導入の効果を十分に得られません。
そのため、入力や操作がしやすいシステムを選びましょう。操作のしやすさに加えて、入力した情報チェック機能や、見積情報から受注・売上データを作れる連携機能があると、手間が省け、ミス防止にもつながります。
また、せっかく蓄積される販売管理データを経営に役立てたいと思うはずです。そのため、売上分析(ABC分析)や予算実績対比など、経営層が欲しい情報を簡単に見ることができるかも、システム選定時に確認すると良いでしょう。欲しい情報だけをCSV出力できるか、リアルタイムで確認できるかなど、経営・営業戦略も視野に入れたシステム選定がポイントです。

可能であれば、システム選定時にデモンストレーションで実際の操作画面を見て、触れてみると良いでしょう。体験版があれば利用するなど、導入後の運用のハードルを下げる工夫も大切です。

3. サポート体制が整っているものを選ぶ

これまで販売管理システムを利用したことがない企業は、システム導入にあたって、操作方法や不具合発生時の対応など、さまざまな疑問やトラブルに直面する可能性があります。そうした事態が起きた際にも焦らず迅速に対応できるようにするために、サポート体制の整った販売管理システムを選ぶと良いでしょう。
システム導入時の操作支援から、導入後の障害復旧支援サービスまで一貫でサポートしてくれるシステムがおすすめです。また、急に予期せぬトラブルが発生した際にメールや電話で相談できるサポートセンターがあるシステムを選ぶと安心です。

4. 法改正に迅速に対応できるシステムを選ぶ

2023年10⽉1⽇から導入されるインボイス制度など、ビジネスに影響を及ぼす法改正は今後も行われることでしょう。法改正による請求書の形式の変化、税率の変更など、順次対応しなければならないことも多く、「情報を追いきれず対応が遅れてしまった」では済まされないこともあります。
そういった変化にも柔軟に対応可能なシステムを選べば、無理なく業務を効率化でき、運用の引き継ぎ時も業務に不備や遅延が発生しづらく安定するでしょう。

5. 業務の属人化を回避できるものを選ぶ

機械部品や電子部品などを扱う部品卸業では、納期厳守や在庫圧縮、部品点数削減、品番管理の効率化など、さまざまな課題があります。いかに多品種少量部品の在庫を適切に抱えながら、出荷量・在庫量をフレキシブルに調整できるかが、企業の信頼や成長に大きく影響を与えるでしょう。しかし、これらの課題をシステム無しで解決しようとすると、人的負担が大きく多大なコストもかかります。

そこで、柔軟性と拡張性がある販売管理システムを選ぶことが重要です。
卸売業が販売管理システムを導入する際は、納期厳守という業界特有の商習慣への対応が必須です。また、「今後どれだけの発注があるのか」を予測して、スムーズに在庫出荷の対応ができる体制を整えておきたいでしょう。そうした体制を整えるためには、在庫状況をリアルタイムで更新・確認できる必要があります。
業務の属人化を回避できる販売管理システムを選べば、部品卸売業をはじめ、さまざまな業界が抱える納期厳守や在庫圧縮、部品点数削減、品番管理の効率化などの課題を負担なく解決できます。

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まとめ

今回は、2025年の崖問題や販売管理システムの概要、選定ポイントなどをご紹介しました。
本コラムの内容を改めて以下にまとめます。

<このコラムのPOINT>

  • IT分野における2025年の崖問題とは、既存のITシステムがもつ課題を克服できずにDXを推進できなかった場合、2025年以降に生じる恐れがある経済的損失などのリスクのこと
  • 既存の基幹業務システム(レガシーシステム)を刷新していかなければ、今後DXを加速させることは困難である
  • 基幹システムには様々な種類があるが、そのなかでもデータの正確性が求められる販売管理業務のシステムを導入・刷新することが、業務効率化やDX推進のポイント
  • 販売管理システムを導入することで、販売に関わるすべての情報が一括管理できるので業務効率化や、ミスの防止などにつながるメリットがある
  • システムを導入する際は業種や企業の商習慣に合わせてカスタマイズできるシステム、サポート体制が整っているもの、業務の属人化を回避できるものなどを選ぶことが大切

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