会議がクリアになる議事録のポイント・上
公開:2019年04月18日
会議の進行や決定事項を記録する議事録。議事録が正確で読みやすく、よく整理されているプロジェクトは、担当者間で意志の疎通をしっかりと図ることができ、透明性の高いものになります。また過去の議事録がきちんと記録されていると、それに続く会議の論点が明確になることで話が早く進み、ひいては仕事の進捗がスムーズになるというメリットもあります。
そして、この議事録の作成は、関係者の中で一番若手の社員が担当する場合が多いようです。議事録自体に慣れていない上、そもそも仕事での経験も浅い人が、先輩の社員や、場合によっては社内の上層部まで参加している会議の内容を記録するのは大変難易度が高いと言えます。
そこで今回から3回にわたって、会議と議事録について学んでいきましょう。
基本からきちんとポイントを見直すことで、議事録を担当する若手社員はもちろん、指導する立場の先輩社員も、あらためて会議と議事録の重要性を確認できます。
なぜ会議に議事録が必要か
議事録を作成する目的は、まずは「決定事項を明確にすること」です。
この決定事項を、会議に出席していなかった人を含め、関係者全員に文書の形で伝えて、案件の現状についての認識を統一させる必要があります。
また、会議の場にいた人たちの記憶は、人によって印象の強いポイントが異なる場合があります。客観的な立場で記録した議事録があることによって、記憶のずれを補正することもできます。
つまり、議事録はこういった役割を果たす必要があるのです。
議事録に求められる要素
議事録は、まず会議での「決定事項」と「未決定事項」(課題)を記録し、次にこれらの情報を共有するものです。情報共有にあたっては、誰と共有するのかということが非常に重要です。共有する相手の中に上司、あるいは社内の上層部の人々が含まれている場合には、数多くの案件を抱えて多忙な人にもきちんと情報が伝わる議事録を作成する必要があります。そのためには、会議のポイントをより「正確に」「簡潔に」「読みやすく」書くこと、議事録をできるだけ早く、遅くとも会議から3日以内に回すことが大切です。
議事録に何を書くか
では、議事録に書く内容を大まかにまとめてみましょう。
(1)会議の名称、参加者、日時、場所
議事録のフォーマットは、会社で決められたものがあるのが一般的です。これを使うことで、必要な項目は所定の位置に記載されます。また部署で引き継がれてきた文書番号またはシリアルナンバーをつけ、日付のみならず順番がわかるようにしておくと、後日整理がしやすくなります。
(2)議題や課題など、「何について話し合われたか」と「結論」
まず、議題についての決定事項を一番上のすぐ目に入るところに書きます。その上で、後日のために記録するべき発言などがあれば、簡潔に要約して書いておいてもいいでしょう。
(3)会議の後「誰がいつまでに何をするか」
プロジェクトの意志決定権を持つ人が参加している場合、議事録は単なる記録の域にとどまらず、今後どのように仕事を進めていくかを決めた証拠としての役割を担うこともあります。議事録がこのような性格を持つ場合には、「誰が」「いつまでに」「何を」するかを明記します。
逆に、書かなくてもいい要素もあります。参加者の中には話の長い人や話がわき道に逸れがちな人もいるかもしれませんが、それらを全て記録する必要はなく、会議の議題からこの日の結論だけを簡潔に書きましょう。
毎日いくつもの会議に参加する人は、会議のたびに何ページもある議事録を読む時間はありません。議事録は原則として1ページにまとめましょう。
まとめ
若手社員に議事録を任せることには、議事録を通して会議全体に関わり、仕事に早く慣れてほしいという意志が働いているものです。最初のうちはうまく書けなくても、わからないことを先輩や上司に尋ねることで、お互いの理解も深まります。必ず最初に、先輩社員が議事録の添削指導を行いましょう。
次回は具体的な議事録の作成についてご紹介します。
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