アサインとは?業界別の意味や類義語、使い方の注意点
公開:2022年06月08日
ビジネスの現場でよく耳にする「アサイン」という言葉。アサインには「任命する」「割り当てる」など様々な意味合いがあり、業界やシーンによって使われ方が異なっています。
このコラムでは「アサイン」の意味や使い方、使用時の注意点などを紹介していますので、ぜひビジネスの場面でお役立てください。
このコラムを読んで分かること
- アサインの意味と類似語との違い、使用時の注意点
- 業界別「アサイン」の使用方法
【目次】
- アサインとは「任命する」「割り当てる」を意味する言葉
- プロジェクトアサインにおける挨拶メールの例文
- アサインの類似用語と意味の違い
- アサインの対義語にあたる日本語
- 業界によって異なるアサインの意味と使い方
- ビジネスでアサインを使用する際の注意点
- まとめ
アサインとは「任命する」「割り当てる」を意味する言葉
アサイン(assign)とは、「任命する」「割り当てる」「付与する」などを意味する言葉です。ビジネスシーンでは、「任命する(役職等)」「仕事を人に割り当てる」などの意味で用います。
アサインには、目上の立場の人が下の人に対し、申し付ける意味合いが含まれています。そのため、ビジネスシーンにおいては、上司から部下に対して使うのが一般的で、例えば部下を新しいプロジェクトに加える際に「君を新プロジェクトにアサインすることにした」のように使われます。
反対に、アサインされる側の部下が使う場合は、「アサインされた」と受け身になります。部下が目上の方に向けて「アサインしました」と表現するのは不適切ですので注意しましょう。
プロジェクトアサインにおける挨拶メールの例文
ビジネスシーンでよくあるプロジェクトへのアサイン。アサインが決まった際には、上司や関係者にご挨拶のメールを送ることもあるでしょう。その際に「どのような内容のメールを送ればよいのか」、「失礼な表現をしてしまったらどうしよう」など、不安に思う人もいるかもしれません。そこで、ここではプロジェクトにアサインされた際、上司や同僚などに送る挨拶メールの例文をご紹介します。
例文1.アサインされたプロジェクトの管理者(上司)への挨拶メール
件名:プロジェクト参加のご挨拶 △△部長 お疲れ様です。 この度、◎月◎日付で〇〇プロジェクトに 参加させていただくことになりました、 営業企画部の□□です。 私はこれまでの◎年間、 ◎◎社以上のクライアントに対して インサイト営業を担当しておりました。 〇〇プロジェクトでは、 培った経験を活かしながら チームに寄与できるよう努めてまいる所存です。 △△部長のお役に立てるよう 一生懸命努力致しますので ご指導ご鞭撻のほど、 よろしくお願い申し上げます。 取り急ぎメールにて大変恐縮ですが、 プロジェクト参加のご挨拶を申し上げます。 |
例文2.社内関係者への挨拶メール
件名:プロジェクト参加のご挨拶 〇〇プロジェクト関係各位 お疲れ様です。 この度、◎月◎日付で〇〇プロジェクトに 参加させていただくことになりました、 営業企画部の□□です。 これまでは、××支社にて◎年間、 主に新規顧客の開拓を担当しておりました。 プロジェクトへの参加は初めてですので、 皆様にご迷惑をおかけすることも あるかと存じますが、 これまで以上に努力を重ねてまいりますので ご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。 取り急ぎメールにて大変恐縮ですが、 プロジェクト参加のご挨拶を申し上げます。 |
アサインの類似用語と意味の違い
アサインと類似している用語、意味の違いについてお伝えしていきます。類似する言葉との違いを正しく理解し、ビジネスシーンによって使い分けしましょう。
アサインメントとの違いは品詞か否か
「アサインメント(assignment)」は、アサイン(assign)の名詞形です。「割り当て」や「業務」「課題」などの意味合いを持っています。「アサインする」という表現は、動詞と動詞が並んでいるため、英語の表現としては不適切な表現です。正しくは「アサインメントする」という表現になります。ただし、実際のビジネスシーンにおいては、「アサインする」で使われる場合が多いので、こうした情報も踏まえて覚えておくと良いでしょう。
ジョインとの違いは能動的か自発的か
アサイン(assign)は目上の立場から任命されるものなので、受動的な意味になります。 それに対して、ジョイン(join)は、自分自身から仕事やその取組に加わるような意味合いになり、能動的な意味合いを持っています。アサイン(assign)が受動的で、ジョイン(join)が自発的と、覚えておくと良いでしょう。
アサインの対義語にあたる日本語
アサインの対義語にあたる言葉はいくつかあります。その意味を合わせて知ることで、より言葉への理解が深まりますので、理解しておきましょう。
開放する
アサインの対義語として使われるのが、「開放する(リリースする)」という言葉です。「プロジェクト、役職から開放される」という意味合いを持っています。
「開放(リリース)」という言葉の特長は、相手からの指示や命令ではなく自分の意思で抜ける場合にも使えることです。「このプロジェクトを終えたら管理職をリリースしてもらう」のように表現できます。
外す
「外す」もアサインの対義語にあたる日本語のひとつです。少し冷酷な言葉にも聞こえてしまうため、使い方には少し注意が必要です。
取り下げる
アサインの対義語にあたる日本語の3つめは、「取り下げる」です。この「取り下げる」には、一度提出したものや提案を取り消すなどの意味があります。「依頼を取り下げる」「申し立てを取り下げる」「見積りを取り下げる」などで使われることが多いです。
業界によって異なるアサインの意味と使い方
アサインは、様々な業界で使われている言葉ですが、使い方はIT、転職、旅行・ホテル業界などによってそれぞれ異なります。ここでは業界別のアサインの使い方をご紹介します。
転職業界
転職業界で使われているアサインは、「採用」や「選出」を意味します。多くの場合では、「新しい人材をアサイン(採用)する」のように使われます。
例文としては、以下のようなものがあります。
- 「来年度の新規事業立ち上げのために、新たな人材をアサインしようと思う」
- 「うちの会社に合うスキルを持った人材をアサインしてほしい」
IT業界
IT業界の主にエンジニアが使うアサインは、「数値・値を割り入れる」「割り当てる」という意味で使用されます。なぜこのような意味で使われているのかと言うと、「キー・アサイン(key assignment)」が由来になっています。
キー・アサインとは、コンピューターのキーボードに独自機能を割り当てる行為や、独自機能が割り当たった状態を指します。同じ「割り当てる」意味でも、一般的な意味合いとは少し違う使い方をしているのが特長です。
例文としては、以下のようなものがあります。
- 「開発中のソフトでは、操作性を高める機能をアサインした」
- 「印刷機能がMacのF1キーにアサインされているのに、一度も使っていない」
旅行・ホテル業界
旅行業界や宿泊業界におけるアサインとは、顧客に部屋・座席などを「割り当てる」という意味合いで使われます。部屋を割り当てるのであれば「ルームアサイン」、座席を振り当てるのなら「シートアサイン」のように使い分けられるのが一般的です。
例文としては、以下のようなものがあります。
- 「こちらのお客様には、景色が良い部屋をアサインしてください」
- 「予約調整の都合、ビジネスクラスの席をアサインした」
契約や法律を扱う業界
アサインは、「譲渡」の意味も持っており、契約や法律を扱う業界では商標登録をした後にその権利または商標権などを譲渡する行為を「アサインバック」と呼んでいます。
つまり、商標登録を認めたり、許可を得たり、権利の割り当てなどを行うことを、アサインと言うケースがあります。
ビジネスでアサインを使用する際の注意点
ここからは、アサインをビジネスで使う際に気をつけたいポイントをご紹介します。
できるだけ日本語に置き換えるなど相手への配慮を
言葉の意味を正しく理解している業界人同士が会話の中でアサインを用いる分には、一切問題ありません。しかし、言葉を使う側が理解していても、相手は初めて聞くビジネス用語かもしれません。
他業界の人と仕事をするときや、初対面の方、同じ社内でも新人に対してはビジネス用語を頻繁に使わず、理解しやすい日本語に置き換えましょう。
社内でよく使うのであれば言葉の意味を伝える
職場内で日常的にアサインを使うようであれば、新人や異動してきたメンバーに対し用語の意味をきちんと説明しましょう。
便利だからという理由でビジネス用語を使っても、相手に話が通じなければ誤解を生んでしまうでしょう。無駄なやりとりも増えてしまうかもしれません。
相手に正しく意味を伝えることで、お互いにストレスなく仕事もスムーズに進みます。
アサインだけでなく、ビジネス用語を使う場合には相手に言葉の意味が正しく伝わるよう、同様の点に意識することをおすすめします。あくまで会話は、「相手に正しい意図を伝えること」が目的です。その目的を忘れず表現方法を選択していくことを心がけましょう。
まとめ
「アサイン(assign)」とは、英語で「任命する」「割り当てる」などの意味を持つ言葉です。改めて各業界で主に使用される場合の意味をまとめます。
<業界別で用いられるアサインの意味>
- 転職業界では、「採用」や「選出」という意味で用いられることが多い
- IT業界では「数値・値を割り入れる」という意味で用いられることが多い
- ホテル・旅行業界では、顧客に部屋・座席などを「割り当てる」という意味で用いられることが多い
- 契約や法律を扱う業界では、商標登録後にその権利、または商標権などを譲渡する行為を「アサインバック」と呼んでいる
業界によって意味合いが異なることもあり、ビジネスシーンでアサインを使うときには、言葉の意味を伝えたり、できるだけ日本語に置き換えたりすることが大切です。使うシーン、相手を見極めながら適切に使い分けていきましょう。
ソリューション・エクスプレスでは、アサイン以外にも、ビジネスパーソンが理解しておきたいビジネス用語を解説しています。以下のコラムも、ぜひ合わせてご確認ください。
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