アサーション(2)ー三つのタイプの自己表現ー

前回はアサーションとはどのようなコミュニケーション方法かを紹介しました。コミュニケーションは「お互いに意思疎通をすること」であり、アサーションは「自分も相手も大切にする自己表現、またはコミュニケーション」です。
今回は、職場でよくある一場面を想定し、アサーションを含めた「三つのタイプの自己表現」それぞれの特徴と、アサーションを実践するヒントを紹介します。

アサーションでは自己表現を三つのタイプに分けています。自己表現とは簡単に言うと「話し方」です。ここでは他部署から「急にスケジュールが変更になる」と言われた場面の会話を想定した上で、それぞれの特徴を挙げています。

三つのタイプの自己表現

(1)パッシブ(受身型)
A:「△△の件ですが、スケジュールが急に変更になりました。変更して頂けますか?」
B:「えぇ……。どうにかなるとは思うのですが、無理な場合はどうすればいいでしょうか?」

【意見を言う場合】 他人中心 すぐ謝る はっきりしない 断れない
【相手に対する反応】 相手がどう反応するか怖くて、無口になりやすい
【聞く態度】 受け身になってしまう 相手に従ってしまう
【よく使う言葉】 「申し訳ありません」「○○と思うのですが」「○○してもらえれば」など謝罪やはっきりしない表現の言葉

(2)アグレッシブ(撃型)
A:「△△の件ですが、スケジュールが急に変更になりました。変更して頂けますか?」
B:「困ります。すでにスケジュールを組んでいます。もう変更することはできません。」

【意見を言う場合】 自分中心 相手を決めつけ、否定する
【相手に対する反応】 たびたび批判や否定をする
【聞く態度】 相手の話は聞かない上にさえぎってしまう
【よく使う言葉】 「そもそも……」「○○ですから」「〇〇してもらえますよね」と決めつけ、相手を否定したり、注文したりする言葉

(3)アサーティブ(自他尊重型)
A:「△△の件ですが、スケジュールが急に変更になりました。変更して頂けますか?」
B:「急がなくてはいけませんね。何とかスケジュールを変更できるように、お互いに確認をしてみませんか。こちらは△△の部分をそちらの部署で対応してただけると、新しいスケジュールに対応できそうです。」

【意見を言う場合】 お互いが話の中心 はっきりと意見を言える
【相手に対する反応】 指摘する時も、褒める時も前向きな意見を伝える
【聞く態度】 相手の言葉に集中している
【よく使う言葉】 「ありがとうございます」「○○をしたいです」「○○になるようにしましょう」など感謝や前向きな言葉

アサーションを実践している人は「アサーティブ」な自己表現ができる人です。その話し方は言うべきことは言い、聞くべきことは聞いて、お互いに前向きな関係を作り上げていこうとするものです。

アサーションを実践するヒント

1.まず自分が普段、どのような表現が多いのか確認する
自分が会話の中で「パッシブ」「アクティブ」「アサーティブ」のタイプで、いずれの特徴が多いかを確認する。

2.自分が誰かに何かを伝えたいと思った時に、アサーションを実践する意識を持つ
「アサーティブ」な表現をしている人が身近にいれば、その人を参考にして「○○さんなら、どのような話し方をするだろう?」と想像してみる。

3.自分の表現はどのタイプだったかを振り返るようにする
今の言い方は「三つのタイプのどれだろう?」と振り返るようにしてみる。

以上の三点を意識しながらコミュニケーションを取れば、徐々にアサーションの実践ができるようになっていくことでしょう。

まとめ

三つの自己表現の中で、一つだけを使う人はほとんどいません。無意識に場面に応じ使い分けています。心地良いコミュニケーションを目指して、まずは「アサーティブな表現」を増やすことから始めてみませんか。

次回はビジネスシーンでのアサーションの活用方法を、具体例とともに紹介します。

アサーション(3)ービジネスシーンでの実践ー を読む

アサーション(1)ー心地よいコミュニケーション方法ー を読む

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