介護記録の書き方 ~例文とIT化による効率アップ~

現在、介護業界では、コロナ対策のために現場業務の負担が大幅に増加しています。介護事業者には更なる業務改善が求められており、特に負担が大きい介護記録の作成業務は、早急に改善・効率化を進めるべき業務のひとつでしょう。
一方で、2021年4月の介護報酬改定により、LIFE(科学的介護情報システム)へのデータ提供に伴う加算が新設されました。現状の介護記録業務の負担も大きい中で加算を得るには、どのような対策が必要となるのでしょうか。

このコラムでは、介護記録作成の基礎をおさらいします。また、業務改善のひとつの方法である「介護記録のIT化」についても合わせてご紹介。IT化のメリットを押さえ、介護記録業務の改善・効率化を実現しましょう。

このコラムを読んで分かること
  • 介護記録の目的と効率的に記録する方法
  • 介護記録を書く際の基本ルール
  • 介護記録のIT化による業務改善・効率化の実現方法

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介護記録の目的

介護記録の作成は、介護という仕事を行う上で重要な業務のひとつです。2021年の介護報酬改定により重要性がさらに高まりましたが、介護記録を作成することには、本来どのような目的があるのでしょうか。

介護記録の目的
  • スタッフ間の情報共有に使用する
    多くの介護現場では、ひとりの利用者に対して複数のスタッフがチームを組んで毎日のケアを行なっています。「ケアの目標」「ケアの内容」「利用者の状態」などを記載する介護記録は、スタッフ間で情報を共有し、一貫性のあるケアを提供するために重要な書類といえます。
  • 介護サービスの向上につなげる
    介護記録には、提供したサービスにより利用者さんが良い反応を示した点や、反対に提供したサービスの課題・問題点などが記されています。こういった情報は、今後より良いサービスを提供するにはどうしたら良いかの、大切なヒントとなります。
    また、医師やケアマネジャーと利用者の今後を検討する際の資料としても活用できるため、よりよい介護サービスの提供につなげることが可能です。
  • 利用者やその家族とのコミュニケーションを促進する
    介護記録には、施設での過ごし方やその様子、心身の状態など、利用者の日々の様子も記録されています。利用者の日々の様子を介護記録でチェックすることで、利用者との会話のきっかけ作りができ、利用者とのコミュニケーションを促進できるでしょう。
    また、利用者のご家族から日々の様子を尋ねられた時も、介護記録を見れば伝えることができます。
    利用者さらにそのご家族との信頼関係構築にも、介護記録は有効なのです。
  • 根拠に基づいたケアプランを作成するための参考にする
    介護サービスを提供する際には、利用者ひとりひとりに合ったケアプランを策定し、ケアプランに沿ってサービスを行います。言わばケアプランとは利用者に必要な介護の計画書ですが、利用者の身体状況などにより定期的に見直す必要があります。
    日々の利用者の様子を記録した介護記録は、ケアプランを作成する上で大いに重要な情報源なのです。
  • ケガや事故からスタッフを保護する
    万が一、利用者が転倒や誤嚥などをしてしまった際には、その場の状況など客観的な情報を正確に残しておく必要があります。なぜケガや事故が起きてしまったのか、その原因や今後の予防策などを検討する際にも、介護記録に情報が残されていることが重要です。
    また、万が一訴訟が起こった際にも、対応が適切であったのかを証明するための根拠として介護記録を示すことができます。

介護記録は、介護サービスを提供する上で重要な書類であることがご理解いただけたかと思います。
ここからは、介護記録の種類についておさらいしましょう。

介護記録の種類 記載する内容や目的
フェイスシート 利用者の氏名・住所、介護度・疾患、家族に関しての情報を記載する
アセスメントシート ケアの目標・目的を明確にするために、利用者の身体状況や能力を記載する
介護計画書 スタッフが提供する介護計画を記入する
介護経過記録 介護計画書に基づいた日々のケア内容を記録する
日常介護記録 利用者の日常の様子(体温などのバイタル情報や食事など)を記録する
事故報告書 事故やトラブルが起こった際の内容を記録する

提供するサービス内容の違いや事業所によって、介護記録の名前は異なるかもしれませんが、記録すべき情報や内容、そして目的は同じです。こちらに挙げただけでも、様々な種類があることがわかるかと思います。

どれも重要な介護記録ですが、その中でも介護経過記録や日常介護記録は、日々の変化を記録するため、毎日の作業です。記録する書類が増えれば増えるほど、1日の業務内における事務作業の割合がどうしても増えてしまい、本来時間を割きたいケアの時間を圧迫してしまう可能性もあります。つまり、いかに見やすく効率的な介護記録が残せるかが、日々の業務効率に大きく影響するポイントなのです。

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介護記録を書くときの基本ルール

要点を押さえて、簡潔でわかりやすい介護記録を書くためには、どうしたら良いでしょうか。
ここでは、介護記録を書く際の基本的なルールをご紹介します。基本のルールなのですが、これに則って記入することが、簡潔でわかりやすい介護記録を書く近道です。

(1)客観的事実を正確に書く

「〜だと思う」、「〜なのではないか」といったように、スタッフ自身の感情や推測を入れた感想文のような文章は、介護記録の書き方としてはNGです。
介護記録では、あくまで客観的な事実を、誰もがイメージできるよう、正確に、時には詳細に書くことが重要です。

○:顔色が悪く、手足の血色も悪い。気分が悪そうに見える。
✕:あまり笑顔もなく、気分が悪いのだと思う。

この例文を見ていただければ、どちらが客観的な情報に基づいた記録かが、わかっていただけるかと思います。

仮に、スタッフ自身が考えたこと・気づいたことを記入する場合は、主観的な情報であることがわかるよう、客観的事実と区別した書き方を心がけましょう。また、できるだけ主観的な情報には、その根拠をあわせて記録しておくと良いでしょう

(2)5W1Hを意識する

「5W1H」とは、文章をわかりやすくするための基本的な情報要素のことです。

  • When:いつ
  • Where:どこで
  • Who:誰が
  • What:何を
  • Why:なぜ
  • How:どのように

このように、時間や場所、行動の主体と相手、理由などといった要素をきちんと記載することで、誰が読んでもわかりやすい介護記録を書くことができます。

(3)専門用語を無理に多用しない

介護記録は、介護スタッフ以外の方も見る可能性がある書類です。専門用語や略語の使用は必要最低限にとどめ、無理に多用しないようにしましょう。
また、敬語や丁寧語を用いる必要はなく、書き言葉を意識して言い切る文章でOKです。

介護記録をより効率的にするために

介護記録を効率よく書くコツとして、基本的なルールを押さえること以外に「テンプレートを用意する」「介護記録に使える表現・言葉をストックする」などの方法もあります。しかし、これらの対応を個人でとることは難しい上に、手書きでは限界もあります。また、介護記録は誰が見てもわかりやすいことが重要であるため、統一された規格であることが望ましいと考えられます。

介護記録に関する業務の効率化を図りつつ、質の高い介護記録を誰もが書けるようにするためには、介護AI入力予測ツール「記録NAVI」を活用して業務をIT化することがおすすめです。

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介護AI入力予測ツール「記録NAVI」の特長

  • 記録にかける時間を短縮できる
  • タブレットを活用してその場で記録を書くことができる
  • 例文を選択するだけで簡単に介護記録が書ける

介護AI入力予測ツール「記録NAVI」は、たった数回の操作だけで介護記録を作成できます。パソコンやタブレットに慣れていない方でも簡単に使用できるため、導入してすぐにご利用いただける点もメリットです。介護記録の質を維持・向上しつつ、業務効率化を図りたい方は、ぜひ介護AI入力予測ツール「記録NAVI」の導入をご検討ください。

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まとめ

ここまで、介護記録の基礎や効率化を実現するための「IT化」のメリットなどを解説しました。改めて、今回のポイントをまとめます。

<このコラムのPOINT>

  • 介護記録には「スタッフ間の情報共有」「良質な介護サービスの提供」などの目的がある
  • 介護記録は客観的な事実を、5W1Hを意識して正確に書くことが重要である
  • 良質な介護記録を誰もが効率よく作成できるようにするために介護AI入力予測ツール「記録NAVI」の活用がおすすめ

コロナ対応や人材不足の解消は、介護業界が抱える大きなテーマです。介護AI入力予測ツール「記録NAVI」を活用して業務効率化を図り、利用者やご家族、スタッフにとって安心かつ快適な施設環境づくりに取り組みましょう。

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